21世紀の
向田邦子をつくろう。

■「久世塾おぼゑがき」32号
 なぜ、この人が…?


今さらながらですが、
『久世塾』は“脚本家”養成講座です。
特別講師陣には名うての脚本家の先生方が居並びます。
しかしよく見ると、その中にいわゆる
“脚本家”以外の方が約3名おられます。

まずひとりは塾長の「久世光彦」氏。
次におなじみ「糸井darling重里」氏。
そしてもうひとり、『久世塾』講師陣の中で
ひときわ異彩を放っているのが「小林亜星」氏です。

久世氏の場合は確かに脚本家ではありませんが、
演出家として長年ドラマづくりに
深く関わっておられますし、
実際には脚本も書かれています。
また近年は小説家としても活躍されているので、
「書く」ということに関しては
紛れもなくプロフェッショナルな方です。

糸井氏は、以前自分の肩書きについて
いろいろと書かれていましたが、
世間一般的には日本を代表する
コピーライターとして認知されています。
さらに作家・作詞家・ゲームライター・プランナー・
編集長・釣り人などなど、
実に様々な肩書きを付けることができる御仁ですが、
こちらもまた紛う事なき
「書き物」のスペシャリストであるといえます。

さて問題(?)は次の小林氏です。
“小林亜星”といえば、
まずは「作曲家の」という枕詞が浮かんできます。
また場合によっては「パッとサイデリアの」と
いわれるときもあるでしょうし、
もちろん「あの寺内貫太郎一家の!」と
力強くいわれる方もいらっしゃるでしょう。
しかし多くの場合、やはり「作曲家の小林亜星さん」
というのが妥当かと思われます。

ではなぜ“脚本家”養成講座である
『久世塾』の講師に作曲家の小林氏が
ラインナップされているのか?
運営事務局にも「どうして亜星さんが?」という
ご質問もいただいていることですし、
ここでひとつそのわけをご説明いたします。

それはズバリ、「寺内貫太郎」だから!
と、いうことではもちろんありません。
久世塾長は『久世塾』を開講するにあたり、
単なるシナリオ作法を教えるのではなく、
あくまでも“現場で使えるホン”の書ける
ライターを育成する、実践的な講座を目指しました。

“現場で使えるホン”を書くためには、
小説のように文章だけで完結するのではなく、
そのストーリーが、そのセリフが、
どのように表現されるべきなのかも
考えなければいけません。
そしてもちろん、そのシーンには
どんなBGMが被ってくるのかも……。

そのため講師には、脚本家だけでなく、
その前段階で必要となる企画(プランニング)の
プロや全体のプロデュースをしている人、
出来上がった脚本を実際のドラマに仕立てていく演出家、
その脚本に息を吹き込む役者さん、
そしてドラマの進行を陰に日向に盛り上げる、
音楽の専門家を必要としました。

そこでその道の第一人者、
すなわち糸井氏や小林氏に白羽の矢が立ったのです。
加えていえば、ご両者とも久世塾長とは旧知の仲。
特に小林亜星さんは音楽家であると同時に、
前述の「寺内貫太郎一家」では久世塾長演出の元、
堂々と主役を張るほどの
立派な“役者さん”でもあります。
まさに『久世塾』の講師としては
うってつけの方だったわけです。

というわけで、今回『久世塾』特別講師として、
作曲家であり俳優でもある
小林亜星先生にご登場いただくこととなりました。
皆さん、納得いただけましたでしょうか?
まだ納得できないという人は、
『久世塾』にお申し込みいただいて、
実際に亜星さんのお話を聞いてみてください。

それでは。

文責 さとう

★久世塾正式サイトへのアクセスは
 http://www.kanox.co.jp/へ。

2000-05-26-FRI

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