21世紀の
向田邦子をつくろう。

■「久世塾おぼゑがき」55号
幸せの価値観とは !?


「あなたが考える“幸せ”って何ですか?」
唐突に塾生たちにそう問いかけて、
「とりあえず5分間で考えてください」
と、教室の時計の針を確認し、
糸井先生はその日はじめて口を閉じました。

そうです。
前回8/5(土)の『久世塾』特別講師は、
糸井darling重里先生だったのです。
先日の「今日のダーリン」にも書かれていましたが、
糸井先生、確かによくしゃべる。
しかもオモシロイ!
あのテレビでおなじみの飄々とした口ぶりで、
「僕はシナリオライターではないので、
 今日は‘休み時間’だと思ってください」
なんていいながらも、
【価値】ということをキーワードにした、
「現代の価値観のベース」や
「梶原一騎の価値観」について、
あるいは【超・読者】という立場での
「ナンシー関的なテレビの見方」や、
みうらじゅん氏やポストペットの開発者でもある
八谷和彦氏とのゆかいな交流など、
話はアチコチに飛びながらも
どんどん聴衆を惹き付けていく話術は実に見事。

表現のプロに対してこんな言い方は大変失礼ながら、
いやホント、オモロかったっす!
「物事の価値は勝ち負けで決まる、
 そしてその勝ち負けの目安はお金である」という、
現代社会における価値観の真髄を突いた格言には、
思わず唸ってしまいました。
そして先の質問から5分後、
糸井さんの手元には
約100通りの幸せの定義が集まりました。
『私が考える幸せ』とは、
「ドキドキすること」
ウンウン
「よろこびのバケツリレー」
上手いこというな~
「明日が来るのを待てること。
 今日が行くのを惜しめること。」
う~ん、なるほど。
これには糸井さんも思わず「そりゃそうだ!」
他にもいくつか紹介されましたが、
これは実は内容をどうこういう目的ではなく、
やがては脚本家という表現側の立場に立つ
塾生たちの持つ“価値観”を問いかけたもの。

受け手を納得させられるだけの
パワーを持った送り手たり得るか、ということを
“幸せの価値観”というひとつのモノサシで
計ってみようという企画でした。
(と、僕は思ったのですが…違うかな?)
他にも
「あなたならいくらで電話番号を教えるか?ごっこ」や
「耕して産んで育てて死ぬ」という
糸井さんが考える上品な生き方についてのお話などなど 、
とにかく演出家や脚本家の先生方が担当した
今までの講義とはひと味違う
イトイ流『久世塾』となりました。

僕も教室の端っこで糸井先生の講演を聞いていたのですが、
ふと後ろを振り返るといつの間にやら
久世塾長が座っている。
「いつ来はってんやろ?」
糸井さんも気付いたらしく、
講演が終わって教室を出るときに、
「久世さんがいるとやりづれぇ~!」
とひとこと。
あのdarlingにもプレッシャーを与える
久世塾長の威圧感って一体…!?
塾長と糸井さんは、その後控え室でしばらく談笑タイム。
どうやらお二人はかなり長いおつきあいの様子で、
糸井さんがみうらじゅんさんを
学生時代から知っていたように、
塾長は糸井さんを
「まだコピーライターとか呼ばれる前から
 知っていたんだよ」だそうです。
などとお話も盛り上がっている最中に、
何人かの塾生さんが控え室にやって来ました。
そのうちの一人はなんと現役の漫画家
(しかもかなり著名!)さん。
『久世塾』にはホントいろんな人が来ているんです。
そのKさんが、講義を終えられた糸井先生にひとこと。
「アタマいいんですね~!」(ってオイオイ!)
これには思わずdarlingも苦笑い、か照れ笑いか、
とにかくその場は笑って済まされました。(やれやれ…)

この日はまた“座付き女優”さんの
シナリオ実演授業があったので、
女優さんやら男優さんやらマネージャーさんやらで
控え室は満杯状態。
『久世塾』始まって以来のにぎやかな
休み時間となりました。
そうそうそういえば、
“久世塾・座付き女優”の一人でもあり、
毎回参加の勉強熱心な特別塾生でもある
女優の田中千絵さんから、
久世塾の参加感想メールが届きましたので、
ここでご紹介します。

【こんにちは、田中千絵です。本当に毎日暑いですねー。
いきなりですが、まずは前回(7/29)の感想です。
青柳祐美子さんがあんなにお若いかただとは
思いませんでした!!
私も青柳さんとお話ができるチャンスがあったので
色々お話することが出来ました。
「これからは広東語が出来たほうがいいよ。」
とアドバイスをもらい、
「やってみようかな。」
と思っています。
とってもアグレッシブな方で、
私は青柳ファンになってしまいました!
そして今回(8/5)の講義はとてもおもしろかったです。
みなさんのシナリオを読むことが出来て
私自身も満足出来ました!!
「恋人」という1つの共通のテーマからみなさん全員が
異なる内容で、当たり前のことかもしれませんが、
私はとても不思議でなりませんでした。
今回で私たちが実演する機会は
終わってしまうんですよね?
(確か。)
もっともっと色々なテーマでやりたかったです。
その本を書かれた方から直接的に感想や
意見を聞けることって、あまりなかったんです。
だから、とても新鮮な感じで楽しかったです!
今度はまた違ったかたちでみなさんのシナリオを読み、
私たちが演じられますように!!】



田中さん、どうもありがとうございました。
またメールちょうだいね!

それでは。
おっと、前回の宿題を忘れていた。
「久世塾&ほぼ日/ネットドラマプロジェクト」
(仮称)の件です。
確か前回、僕はこういいました、
「キーワードは、【18.35】です。」
これ、わかった人いましたか?
実はもうちょっと引っぱろうかと思ってたんですが、
先日の『久世塾』で、Iプロデューサーが
バラしちゃったので、もう言っちゃいます。
18.35は時間です。
ここで勘のいい人はお分かりですね。
そうです、18.35分は18分21秒なのです。
そしてこれを秒に直すと…
なんと【1101秒】になるのです。
ということで「久世塾&ほぼ日ネットドラマ」、
放送(配信)時間1101秒で、
2000年11月1日に放送(配信)予定です。
そしてそして、え~と、とりあえず続報を待て!

それでは。

文責 さとう

★久世塾正式サイトへのアクセスは
 http://www.kanox.co.jp/へ。

2000-08-08-TUE

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