21世紀の
向田邦子をつくろう。

<野望篇>

折り込んで安心?

ドラマの最終回をたくさん見逃しました。
12月は芝居もラッシュで、先週は3本も観たからです。

劇場に行くと必ずパンフレットを渡されます。
一番上にはその劇団の当日配布用パンフがあり、その中には
「折り込み」された他劇団の公演チラシが挟まれています。
チラシは、それを発行した劇団の宣伝ですから、
大きな劇団には列をなして折り込みに行くわけです。

でも実は、折り込みチラシを観て公演に足を運ぶ人って
すごく少ないんです。
うちの劇団の場合、確率にして全来場者数の1%前後です。
両面カラーで3万部、デザインもちゃんとしてますが、
そんな紙切れでは芝居の雰囲気とか分かりませんものね。
だから私は、チラシ折り込みの意義を「集客」よりも
「知名度」のアップを図るため、と割り切っています。

さて、今度はライブハウス。
行くと必ず出演バンドの
デモテープやCDを売っていますね。
チラシと違って、音で勝負する連中が音を売っているので、
わりと直接的な商売ですから、正攻法と言えるでしょう。
グッズという点では、うちの劇団もTシャツやウチワや
絵葉書や公演ビデオや
ラジオドラマのMDなどを売りました。

宣伝に限って言えば、あとはホームページ作成、掲示板、
ダイレクトメール、電話攻撃、電子メールBCCばらまき、
ファンクラブ結成、会報誌発布、それに恐喝‥‥。
「他にはもう思いつきかない」
なんて言ってはいけません。
僕は、これらは最低ラインだと思うんです。
宣伝はこっからが勝負です。

例えば、劇団員全員でヘンテコな格好をし、
チラシを配りながら渋谷−原宿-青山間を
1日中ねり歩いたことがあります
(1,000枚配って、チケット7枚が売れました)。
バカでかい看板を作って(制作費1,500円)、
「行く年、来る年」のカメラに映るように
明治神宮やお台場に行こうとしたこともあります
(昨年は全員が風邪でダウンして失敗。今年は全員帰省)。
友人の編集者は、仲間を何十人と集めて電車に乗り込み、
売りたい本をその全員で読みながら、山手線3周しました。

お金をほとんどかけずに、商品を広報手段だけで
どこまで売りさばけるか。
これはマスメディアを使えないアマの必須考察事項ですが、
僕の周りにはこのことを重要視する仲間が少ないです。
もったいないと思いません?
だってそれをウダウダ考える時間が一番楽しいんですから。
そして、それを実行してる時はもっと楽しいですよ。

2000-12-20-WED

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