21世紀の
向田邦子をつくろう。

<野望篇>

夢に大小はあるのか? キャストはこーだ!

だあーっ! 知らない間に出演者が決まっていたぜ!

ほぼ日ドラマ脚本・演出(セカンド)の「ゴム岡本」です。
「パパイヤ鈴木」と感じが似ていて、複雑です。

主な登場人物は合計7名。
そのうち、僕が知らない間に決まっていたのが5名。

須藤温子(Sudo Atsuko)さん
久世塾っていう脚本講座の何がすごかったって、
各クラスに座付き女優さんがついたことっすよ。
僕らのヘナチョコ脚本をその場で演じてくれて、
「ココが読みにくい」「キャラがずれてる」なんて
役者の立場からアドバイスを頂けるっていう、
すごい有意義な授業が何回かありました。
須藤さんはその座付き女優で、僕の隣のクラス担当でした。
な、なーんと17歳! 天真爛漫な現役女子高生。
そしてさらに、泣く子も黙る全日本国民的美少女なのです!
お会いするのが怖いよ〜。

田中千絵(Tanaka Chie)さん
僕のひじょ〜に個人的な事を書くと、
千絵さんのことは、デビュー作(美少女H、H2)から
三宅裕司さんと生瀬勝久さんの『ワークパラダイス』
ていう演劇マニア向け?深夜番組までぜーんぶ見てまして、
当時から「うへえ、カワイイ‥‥。しかも面白い!」
って、僕はタダのファンだったのです。
『Mac Fan』っていう雑誌の編集をしていた頃も、僕は
千絵さんがMacintoshユーザーだってことを調べ上げ、
インタビューの許可願いを編集長に出したことすら
あるくらい、やっぱりタダのファンだったのです。

まあ、接見は叶わぬまま僕は編集部を引退したわけですが、
それがまあ、久世塾に通ってみりゃあ、千絵さん、
僕のクラスの座付き女優ぢゃ、あ〜りませんか!
しかも脚本を読むのがメチャクチャ上手い!
ああ、21万円(授業料)払ってよかった〜、と
心から感激。

稲村貢一(Inamura Kohichi)さん
僕より一つ年上の、かなりイカした兄貴。
聞くと、第一演出である高野Pの生徒さん(もち、演技の)
だったそうで、芝居には定評がありやす。
うーん安心。

堀部寛十(Horibe Hiroto)さん
最後の最後まで決まらなかったのが、主人公=真壁聡役。
「現役高校生の俳優さんで真壁のイメージに合うのが
 なかなかいらっしゃらないんです」
と僕は聞いていたのですが、ある日、
高野P「今から真壁役のコが来るからオーディションね」と
突然の宣言。
ドアからひょっこり現れたのが、この堀部君でした。

今回も劇団の脚本執筆と同様、なるべく
「当て書き(=特定の役者を想定して台詞を書く)」を
しなかったので、僕の中で俳優のビジュアルイメージが
全くなかったのです。けど、堀部君はもう真壁聡そのもの!
プロのキャスティング能力には完全脱帽です。
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そして真壁の母役には、松竹・東映・東宝など、
スタジオシステム黄金時代からの超ベテラン=東啓子さん。
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あれ、真壁の父役はどうしましょう。出演は1シーンだけ。
僕はあの方がいいなあ。
そう言えば岩井俊二監督のクリップに
奥さんと共演しているのを観たことがあるし。
‥‥そう、糸井重里さん。
岡本「どーですかねえ?」
高野P「何考えてんだ?」
岡本「すいません‥‥」
高野P「しょうがねえなあ。俺が出るか‥‥」
岡本「はあ!?」

実は高野さんは役者出身の演出家だったんです。
ああ驚いた。
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よし、あと一人です。
僕は今回この話が決まった時から小さな夢がありました。
それは‥‥、
「我が劇団、タコあし電源から役者を排出すること」
あ、排出じゃなくて、輩出です。

折しも栗本貴文役が決まってないって言うぢゃないですか。
これは大きなチャーンス! 恐る恐る聞いてみます。
岡本「あのー、一人いいのがいるんですが‥‥」
高野P「俺はタヌキみたいな役者がいいんだけどなあ」
岡本「こいつなんですけど‥‥」
と震えながら劇団員の顔写真を渡す。
高野P「がーはっは! こいつぁいい、
    タヌキよりいいよ!」
岡本「タ、タヌキより‥‥?」
というわけで、
タコあし電源より一人、役者デビューが決まったのでした!

調子に乗った僕は「エキストラ、うちの劇団使って下さい」
笑い転げた高野さんは「いいよ、いいよ、連れてこいよ」

と、ひょんなことから劇団タコあし電源が総出演になった
「ほぼ日ドラマ(やっぱりタイトル未定)」は、
来週14日に始まりますっ!

高野P「間に合わないんじゃない?」
岡本「え‥‥?」


岡本さんへの直接メールはこちらへ:
okamoto@tacoashi.com

2001-02-09-FRI

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