21世紀の
向田邦子をつくろう。

<野望篇>

第15回
僕はくじけてしまった。いや、くじいてしまった。


ほぼ日初ドラマ『十三回帰』の放送が始まって
もうすぐ2週間になりますね。
折り返し点です。寂しいなあ。

反響のメールもずいぶん届いております。
中には「CD-ROMにして売ってくれ」という方まで!
ぼかあ、幸せ者です。
(ホントにCDとかビデオとか放送とかになるといいなあ)

画面が小さいのも「小さいからこそ味が出て、集中できた」
というご意見をいただきまして、ありがとうございますっ。

そうそう、「役者の顔が見えない」って意見もありました。
今回は脚本&演出上、美術室のセーラー服少女が誰か
あまり分からないようにするため、
キャスト紹介のページにも顔写真を入れなかったんです。

でもやっぱり芝居の華は役者さん。
ご紹介しないわけにはいきませぬ。

では順番に、今回は撮影初日のスナップから!
初日はマカベ、ヒロユキ&クリ本の3人だけでした。



おぶってるのがヒロユキ役の稲村貢一君、
乗ってるのがクリ本役の園尾直哉 from タコあし電源。

ここは東京東南部、葛西臨海公園。後ろは2月の海。
吹きすさぶ風。とにかく寒いんです!
そんな中でも、稲村君はやっぱりカメラ慣れしてて、
動きも柔軟ですが、ウチの園尾がもう固いカタイ。
しょっぱなから高野監督にどやされてまして、
寒さと相乗効果でカチンコチンに縮み上がってました。

そして僕は何をしていたかというと、
体を温めようとその場で足踏みをしていました。
そしてこれが、とんでもないことになります。

なんと、
たった1cmの段差で捻挫してしまったんです!!

「グギャムッ!」
という変な音とともに、僕の右足首が内側に反り返り、
自分で見えるはずもない靴の裏底が見えました!
最初の数秒は立ってられたんですが、
徐々に痛みが増し、10秒後にはその場に崩れていました。

足をくじくなんて、あんまりにも格好悪すぎる〜。

僕がうずくまっていると、スタッフの方々が
「何だなんだ」と集まって来ました。
僕はとっても恥ずかしかったので、
やせ我慢で立ち上がろうと踏ん張りました。‥‥けど、
やっぱり立てない! 痛くて動けないんです。
こんなにひどい捻挫は生まれて初めて。

しかし撮影は続きます。



一番左の奥にいるのが、マカベ役の堀部寛十君。
エキストラで参加した我が劇団員の女子軍団が
「きゃー! かわいいい〜〜!!!」
「ケータイ教えて! ねえ、でんわばんごおぅ!!」
「食べちゃう〜っ! じゅるる‥‥」
と叫びまくったくらい、キュートな17才。

この日は金曜日だったので、撮影を午前中に終え、
彼は高校へと向かったのでした。さすが現役高校生。
(よかった、あいつらに食べられなくて)

カワイイ拡大写真は次の機会にお見せしますです。



えー、実は、僕です。
左の帽子の方はメイン監督の高野正雄さんです。

歩いているように見えますが、歩けるわけがありません。
この時点で僕の足首は倍くらいに膨れ上がっていたのです。
「骨が折れたか?」と真剣に思えました。

僕は撮影開始前に一つの事だけ自分に誓っていました。
「スタッフや役者さんに絶対迷惑をかけないこと」
それが初日からこれじゃあ、話になりません。
こんなおバカで役立たずな2nd監督を抱えてしまい、
本当に「骨を折った」のはスタッフさんかもしれません。

唯一の救いは、僕の足首が捻挫していることなんて
映像には映らないってことでしょうか。
はぁ〜。


岡本さんへの直接メールはこちらへ:
okamoto@tacoashi.com

2001-03-02-FRI

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