21世紀の
向田邦子をつくろう。

<野望篇>

第17回 放送が終わってしまった

ああ!

という間にネットドラマの放送が
終わってしまいました。
見ていただいた方、ほんっとにありがとうございました。

「この放送を見たギョーカイジンから
 仕事のオファーがわんさわんさ」
という典型的アホ妄想も打ち砕かれ、
いまゴムは静かに縮んでおります。

‥‥となるはずだったのに、ぜんっぜん静かじゃない!

まず、長期に渡ってほったらかしにしてしまっていた
私の参加する劇団「タコあし電源」。
役者連中が「うりゃー、さっさと台本よこせ!」と
先日ついに暴動一揆を起こしまして。
だって公演は1ヶ月後4/26〜5/2
(新宿タイニイアリス)。
火が点いてるのは尻だけではなく、背中にも延焼してます。
初稿をやっとこさ昨日あげ、今は書き直しとチラシ撮影と
デザインと道具制作と宣伝と演出に走り回っております。

ほんでもって(これは嬉しいご報告)、
僕が記事を書いてるBS-i番組サイト
「NEWSアカデミー」の「ツテツテ」で、
なんとBS-iドラマ「ジャッジカフェ」の
脚本を書かせてもらえることになりましたー!

ツテツテと言っても、
担当プロデューサーを紹介してもらえるはずだったのが、
一度も会うことが出来なかったんです。
何度も何度も行き「十三顧の礼」でしたが(?)、最終的には
「台本2話分あげるからそれ読んで適当に1本書いてきて」
と『伝言』を言い渡されまして。
「ええー!? どうやって書くんだろう‥‥?」
と途方に暮れていたんですが、悩んでもしょうがないので、
もうハチャメチャな話を書いたんです。
そしたらそれが逆によかったみたいで‥‥。
全25話中、第14話(放送は4月初旬)&19話&20話です!
BSデジタルチューナーをお持ちの方、必ず見て下さいね!
(僕は見れないので、代わりにお願いです。
 4月と5月っす)

そうそう、
静かになったと言えばほぼ日ドラマの撮影三日目のこと。
それまで捻挫と腰痛に「あぎゃー」とか叫んでは
みなさんに迷惑をかけていた僕ですが、
最終三日目にはケロッと治りまして。いやもうびっくり!
走るわ笑うわ喋るわコケるわ、もう「雪の犬」状態です。
(その方が迷惑だっつうの)

病は気から、治療は気合い、ですなあ。ふぉっふぉっふぉ。
(右足の甲は今まだ痛いです。きっと軟骨剥離です)




最終日はアパートの撮影。割と狭いですが、
撮影用に設計されていて、非常に使いやすいみたいです。
でも、この人数‥‥。



左がこの日だけ参加の田中千絵ちゃん。
まだ19才なので、制服を着てもハマってしまい、
28歳役としての違和感を出すのにどうすりゃいいのか、
メイクさんが苦労されてました。
中はマカベ役堀部君、右がヒロユキ役稲村さん。
この頃はまだ元気だったんだけど、撮影は深夜にまで‥‥。



左が東啓子さん。うーん、上手い、上手すぎる‥‥。
右は12年後の美和役、須藤温子ちゃん。
僕このメイク(包帯も含めて)、すっごく好きでした。



この連載ももう終わりに近づいてますが、
つわものどもがゆめのあと。
これは冒頭「十三回忌」シーンでのどんちゃんの跡です。
たった1秒のために消えていくこのセット‥‥
切なさと悲しさと心苦しさと。


で、放送が終わったのでここで「秘密」を暴露します。
すき焼きを食べるシーンで
ヒロユキ「でもさあ、夢が肉食うか?」
マカベ「あ、俺肉食ってない!」
っという台詞回しがあるのですが、な、な、なんとマカベ君
肉をお箸に挟んで食ってるじゃないですか!
編集で気が付いたんですが、もうどうしようもありません。
あーびっくし。
画面が小さくてよかった(笑)。

そんな小さな画面なのに、たくさんの方が観てくれて、
たくさんの方から感想メールをいただけて、
僕は本当に嬉しく思っています。

魚屋で魚を値切るとき、目の前にオヤジがいて、
鼻にはツンツン魚の生臭いニオイが漂ってきます。
これはスーパーのレジで買うよりリアルな取引だし、
オヤジとのトークは心が温かくなったり嫌になったりと
生きてる実感や繋がってる喜びがあります。

僕はこれまで、インターネットというメディアが、
これほど「生臭い」ものだとは思ってませんでした。
僕にそれを教えてくれた多くの方に、
心底感謝したいと思います。
ありがとうございました。


岡本さんへの直接メールはこちらへ:
okamoto@tacoashi.com

2001-03-15-THU

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