ゆったり VS カッチリ問題。
- 井出
-
いちおう今回、参考のために、
デザイン画を描いてみたんです。
- 井出
-
カフェでコーヒーを入れにきてくれる人とか、
ホテルのおそうじしてる人とか、
そういうユニフォーム的なものだと、
作業しやすくて気合いも入るのかなぁと思って、
そういうイメージです。 - 岡尾
- なんかフランスの人みたい。
- 冷水
- かわいい。
- 井出
-
でも、どっちがいいんでしょう?
らくで動きやすいほうがいいのか、
気合いを入れるために、カッチリしたほうがいいのか。 - 岡尾
-
カッチリした服装で家事をすると、
たぶん動きもきれいになるし、
「やろう!」っていう気分にもなるけど‥‥。 - 黒田
- いっぽう、自らモップ化するという人もいて(笑)。
- 菅野
- そうですね、だいぶ開きがありますよね(笑)。
- 井出
-
こういうカッチリした方向じゃないとすると、
作家さんたちが着てたアトリエ服みたいなのも、
よさそうな気がしていて。 - 岡尾
- たとえば?
- 井出
-
ルーシー・リーが窯で着ていたチュニックとか、
向田邦子さんが着ていたスモックとか。
- 長田
-
そういう人たちが着ていたと思うと、
よけいに、いい気がしてきます。 - 井出
-
そうそう。
ゆったりした、かっぽう着に近い感じのものですね。
かわいいかっぽう着があったら‥‥。
- 菅野
-
わたしはお料理のとき、エプロンもしますけど、
実はスモックが多いんです。
スモック、よく着ます。 - 井出
- あ、スモック着てますか?
- 菅野
-
はい。
なにせ、息子のメールの一言めが「腹へった」で、
とにかく夕飯をすぐにつくらなきゃいけないので、
家に帰ってすぐ、外出着の上からパッと着て。 - 井出
- それは、後ろで留める、かっぽう着スタイルってこと?
- 菅野
- はい、そうです。
- 黒田
- エプロンよりいいんだ?
- 菅野
- もう袖とかもぜんぶ、防御できるので。
- 岡尾
- なるほど。
- 菅野
-
でも、着ててあんまりうれしくないですけど(笑)。
とくにかわいくもないし。 - 冷水
- そういうので、かわいいのがあったら‥‥。
- 菅野
- そうですね。いいと思います。
- 井出
- かわいいかっぽう着をつくればいいのか!
- 菅野
-
なんか、友だちが来て、
「あれ? それ、もしかして、かっぽう着なの?」
って言われたら、すごくいいかなぁって思います。 - 井出
-
つまり、ふつうの服に見えるっていうのが大事なんだ。
なんなら、そのまま外に出かけられたほうがいいですか? - 黒田
-
コンビニくらいはそれで行けたほうが、
何かとべんりな気はします。
モップ服だと行けないじゃないですか。 - 菅野
- ぜんぜん行けない(笑)。
- 岡尾
-
すごい想像しちゃう。
どんななんだろう、モップ服(笑)。
エプロンとセット、というアイデア。
- 黒田
-
ちなみにぼくは、仕事着は、
あんまりゆったりしてないほうが好きなんですけど‥‥。 - 井出
- そうなんですか。
- 黒田
-
はい、身体に沿ってぴったりとしてるほうが、
働くときに安全かなって思います。
- 岡尾
-
なるほど。
たしかに、それはそうですね。 - 黒田
-
ただ、リラックスして家事したいっていう人も、
きっといるんだろうとは思いますけど。 - 長田
-
あの、わたし、そうじをするときに、
ふわっとした服を着ていたら、
じゃまにならないようにエプロンをすることがあります。 - 井出
-
あっ、なるほど。
エプロンで服をおさえるわけだ。 - 岡尾
- エプロンをすれば、どんな格好でもビシッとしますから。
- 冷水
- 締めるしね。
- 井出
-
自分の身体のサイズにギュッとね。
「やる気アイテム」でもあるし、
もしかして、エプロンとセットで考えるといいのかも? - 黒田
-
そうか、スーツにネクタイするのと同じで、
エプロンをしてスタイルが完結すると。 - 菅野
- いいかも!
エプロンも、だんだん味が出てきてほしい。
- 岡尾
-
じゃあ、黒田さん、
どんなエプロンしててほしいですか(笑)? - 菅野
- 願望を。
- 黒田
-
そう言われても(笑)。
でもやっぱり、すごく清潔に見えるか、汚れないか、
どっちかじゃないですか。
白か、逆にイギリスのブッチャー(肉屋)みたいに黒か。 - 岡尾
-
そうですよね。
あ、わたし、エプロンを持ってきてるんでした。 - ほぼ日
- いいですね、どなたか着てみてもらえますか。
- 長田
- はい、わたし着ます。
- 菅野
- あ、前紐なんですね。
- 岡尾
-
前ですね。ねじって前で結ぶ感じ。
これはパリの修道院ショップで買ったものです。 - 井出
- ああ、いいですね。かわいい。
- ほぼ日
- せっかくだから、冷水さんにも着ていただきましょうか。
- 冷水
- あ、はい。
- 岡尾
- さすが本職。
- 菅野
-
カッコいい。
もうこれでいいじゃないですかって感じですね(笑)。 - 冷水
-
これくらいの長さほうが、
しゃがんだりするとき、らくなの。
1回長いのを買ったとき、ちょっと動きにくかった。 - 井出
-
わたしもね、格好つけて、
いつも長いのをえらんじゃうんだけど(笑)。 - 菅野
-
これは動きやすそうですね。見るからに動きやすそう。
あと、もしシミがついてても、かわいい感じがする。 - 黒田
-
たしかに、使い込んでいったときに、
愛着がわいてくるものであってほしいよね。 - 冷水
- いっぱい洗っていったときに、味が出てくる生地がいいな。
- 菅野
- いいですね。それがいいと思います。
- 井出
-
生地をちょっと肉厚にすると、経年変化というか、
古びた感じがすごくよくなるので、
ここはポイントとしてメモしておきますね。 - 岡尾
-
もう1枚は、イギリスでシェフがよくしている、
ストライプ柄のエプロンです。
- 菅野
- これもかわいいです。ポッケが印象的。
- 岡尾
- お母さんっぽい。
- 井出
-
どちらも首のひもが細めですね。
紐が細いほうが、らくって言いますよね。
太いと、なんか肩が疲れてきちゃう。 - 長田
-
あんまり意識したことないけど、
たしかにそうかもしれないですね。 - 井出
- 男性的にはどうですか?
- 黒田
-
エプロンは、もらい物で1枚だけ持ってるんですよ。
それはまあ、細いほうですね。
ふつうの平べったい紐のやつで、
太いのよりはたぶんいいと思います。 - 井出
-
「紐は細め」と。
いいですね、だんだん整理されてきた気がします。
(つづきます)