いいものリレー

8人めのゲスト
solxsolさん
おすすめ 03wicagroceryの麦わら帽子

solxsolのおふたりからの
最後のおすすめは、麦わら帽子です。
これもおふたりにとっては
一年中手放すことのできない、大切な道具のひとつ。
ご近所のお仲間という、
デザインした折原陽子さんも加わって
実用的でおしゃれな帽子のお話をうかがいました。

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ゲストキュレーターsolxsol(ソルバイソル)
松山美紗さん、久保浩司さんご夫妻で運営する、
多肉植物専門ストア。
多肉植物を専門にして、
温室で大切に育て、販売までを行っている。
ウェブの通販をメインに、イベントへの出店も。
2022年末からは、桶川にHOMESTOREを
不定期でオープン。

実用的な道具で、かっこよさもある。

――
次のおすすめは、麦わら帽子ですね。
これも、植物を育てるお仕事には
欠かせない道具のひとつです。
当然おふたりも、ずっと使ってらして。
松山
そうですね。
うちでは子どもも愛用してるんですよ。
――
ご家族で。
道具だから、当然実用的だけれど、
でもやっぱり、ちゃんとおしゃれです。
これをデザインされてるのが折原陽子さん。
今日は、サンプルを持って来てくださいました。
折原
はい。ご近所仲間なので。
ここの家族は、みんなでかぶってくれてます。
――
折原さんが、「wicagrocery」というブランドを、
やってらっしゃるんですね。
折原
はい。
私は「道具」っぽいものが好きなので、
はじめはほんとに農作業用の帽子みたいなのが
必要だから、って作ってたんです。
それがだんだん、ファッション寄りになっていって、
徐々に、受け入れられたみたいで。
松山
お店はないんだけど、全国でPOP-UPみたいなことを
やっていて、大人気なんですよ。
折原
おかげさまで。
「wicagrocery」といえば、
ブリムっていう帽子のつばの部分が広くて、
そこから立ち上がる部分のクラウンが高い。
っていうイメージがついたみたいで、
それを求めてきてくださる方が増えてきました。
私も、今回取り扱っていただくタイプが
やっぱり一番好きかな。
松山
それがスタンダードですね。
折原
そう。
はじめは、ブリムが大きいのは
みなさん、抵抗あるみたいなんですよね。
でも、いろいろかぶっていくうちに、
だんだん、選ぶものが大きくなっていく。
――
じっさい、日をよけるっていう意味では
ブリムが大きい方がいいですよね。
折原
そうなんですよ。
松山
やっぱりね、ブリムの大きさで、ぜんぜん違うもん。
――
松山さんの実感が、しっかりこもってますよね。
松山
はい(笑)。いくつもかぶってきているんでね。
ブリムをちょっと下げてかぶると、
もっと日が当たらないようにできるんですよ。
折原
そうそう。
こういうところが使いやすいんですよね。
ファッション寄りになっても、
ちゃんと農作業にも便利な道具なんです。

伝統の職人技で、細い麦が帽子に。

――
solxsolのおふたりと折原さんは、
帽子をきっかけに出会ったんですか?
松山
ようこちゃんは、出会ったときは
帽子屋さんじゃなかったんですよ。
会ったのは、20年くらい前かな。
――
帽子屋さんじゃないとき。
折原
当時は、子ども服のお店をやってたんです。
ギャラリーみたいなちっちゃいスペースもあって。
その子ども服屋に来てくれたのかな。
松山
そうだったね。
かわいい子ども服と、生活雑貨と古着があって。
その店に、「多肉を置いてくれませんか」って
営業に行ったんだったと思います。
しばらくして、そのお店は終わりにしたのかな。
折原
そう。
それでちょっと休憩してる間に
帽子だけだったらできるかなって、
なんかピンときたんですよ。
地元に帽子の工房があったので、
子どもと大人の一型ずつ作ったりして。
自分が店を開くってなると大変なので、
イベントなんかに呼んでもらうかたちに。
松山
帽子屋をはじめて、何年目になるの?
折原
このブランドのタグを付けたのは、2015年なんだけど。
実際はもっと前からで‥‥10年以上ですね。
松山
そうだね。
ここから30分ぐらいのところに
春日部市というところがあるんですけど、
そこがもうほんとに伝統工芸の町なんです。
折原
昔から、桐たんすと麦わら帽子が代表的な特産品。
今もそうなんですよ。
私が帽子を作ってもらってるところも
春日部にあって、
会長さんが、もう88歳のおじいちゃんで、
60年以上ずっと、毎日麦わら帽子を作ってる。
かっこいいんですよ。
――
わあー、職人さんですね。ずっと麦わら帽子を。
工房はどうやって探したんですか?
折原
地元の小っちゃい百貨店の
催し物みたいなところに登り旗が出てて、
デモンストレーションを見たんですよ。
そこで会長が、作りながらかぶってたんですよね。
「なんてかっこいいんだろう!」と思って。
で、もう好きになっちゃって、会長が。
毎シーズン、通うようになったんです。
一般の人には作らないみたいな感じだったんですけど、
「こういうのが作ってほしい」ってしつこく頼んで。
そしたら根負けしてくれて、「いいよ」って言ってくれて、
それで一型作ってもらったところから
もう10年以上、一緒に作ってもらってます。
松山
すごいね。生涯現役なのね。
折原
ほんとにかっこいいんですよ。
職人としての気概というか。
どんなに難しいデザインを提案しても、
それを超えたものを作ってくれる。
こう来たか、みたいな感じなんですよね。
――
わぁ、かっこいいですね。
会長がご自身で作られてるんですか。
折原
そうなの。
いまだに会長しかできない技があるんですよ。
――
技が。
折原
麦わら帽子用の麦って細いんですよ。
それを撚りながら繋げて、
長ーいブレード(細い平紐)を作るんです。
――
1本のリボンみたいなものから、作られていくんですね。
折原
そうなんです。
細いもので幅が3ミリくらいですかね。
それをトップの部分からぐるぐると、
専用のミシンでカタカタカタカタって、
縫い合わせながら形を作るんです。
松山
ずいぶん細いのね。
折原
細ければ細いほど、縫うのが難しいんですよ。
まだ若い職人さんなんかは、
やっぱり縫い目がはずれちゃうんですよね。
会長はそれがふつうにできちゃう。
――
想像しただけで、むずかしそうです。

自然のものだから、使って、育てて。

折原
細いもので作ると、密度がギュっとします。
でも通気性がいいんです。
松山
だから、暑くないんですよ。
かぶったほうが涼しく感じます。
呼吸してる感じで。
――
そうですか。
今松山さんが持ってらっしゃるのは
何年ぐらい使われてるんですか。
松山
この家ぐらいかな。
5、6年かもしれない。
――
5、6年ですか。そんなにもつんですね。
松山
10年、20年のもありますよ。
汗染みがついたところを、
リボンで隠したりして。
何年も使うと、あちこち汚れますからね。
ちょっと穴が開いちゃったら
ようこちゃんが直してくれたりして。
折原
麦ってほんとに強いんです。
縫い目がほどけても、
ミシンでお直しができるんですよ。
そうすればまた元通りになるから、
ほんとに10年、20年使えるんです。
少しのほころびだったら、
糸と針で自分で直せます。
ここも。
松山
あ、穴、開いてましたね。
こういうのも、おしゃれな色の糸を使ったり、
当て布してチクチクしてやったりとかしても
かわいいですよ。
折原
うちで買ってくださった方は、
むしろそういう感じで、
おしゃれとして繕いながらかぶってくださっていたり。
みなさん、かっこよく育ててくださってます。
――
作り手もうれしいですね。
使ってる方もうれしいと思います。
水には強いんですか?
折原
大雨の日に傘のかわりにしたりもできます。
ほんとに洗っちゃうとやっぱり、
形が崩れちゃうけれど。
だから形を保ちたいなら水は避けて。
外国では雨よけみたいに使ったりすることも
あるみたいですけどね。
――
色も、育っていきますよね。
折原
こうやって、日差しを浴びると、
どんどん色が変わっていくんですよ。
お日さまが、アメ色にしてくれる。
アメ茶になってくるんですよ。
歴代のを見ると、おもしろいね。
――
いい色ですねー。
松山さんが育てたんですね。
松山
やっぱりすごい、日焼けするので。
ちょっとヤバいかも(笑)。
折原
そんなことないよ。
元の色と並べると、よくわかりますよね。
――
アンティークなムードが。
ヨーロッパの蚤の市に売ってそうな。
松山
そうそう。ヴィンテージみたいな。
かぶってると、癖がついてくるんですよ。
その人の、頭の形になじんできて。
折原
長く使うと、形も変わっちゃいます。
――
いつか、こういうアメ色になるんですね。
松山
ふつうの人なら、3年ぐらいかかるかな。
折原
そうだね。春夏しかかぶらない人が多いし。
でも、この家では1年で育っちゃうんですよ。

かぶりかたのアレンジもいろいろ

――
これは、ベーシックなスタイルなんですか。
折原
いちばんスタンダードだと思います。
男性も女性もかぶれますよ。
これはワンサイズサイズですけれど、
アジャスターがついてるので
1センチくらいは調節できます。
――
なるほど。
折原
あえて、ちょっと深めにしています。
全体がゆったりしてるので、
深ーくかぶるのがおすすめですね。
ブリムをちょっと上げると若々しい感じ。
前下がり気味にしても、
それはそれでかっこいいんですよ。
――
雰囲気がずいぶん変わりますね。
折原
そうなんです。
すごく自由度が高いので、かぶる人によって
おんなじ帽子なのに違うものに見えるくらい。
松山
帽子は、眺めていてもうれしくなります。
絵になるんですよね。
折原
たたずまいも好きなんですよ。帽子って。
自然のものでできてる、っていうのもね。
――
いくつあってもいいですよね。
松山
そうなの。だからどんどん増えて。
味が出たのも好きだから捨てられなくてね。
――
いや、捨てられないですよ。
こんなにいい感じに育っちゃうと。
松山
飾り気がないからこそ、かわいくて。
意外と売ってそうで売ってないんですよ。
なんかクセになるのね、帽子って。
折原
ストローハットは道具っぽいから、
何個かは持っててもいいかな、って思う。
私はそうなんですよ。
――
何十年も使えるものだけど、
新しい形が出ると欲しくなっちゃいそうです。
折原
新しいといってもちょっと違うぐらいなんですけれど、
みなさん、コレクションしてくださるんですよね。
松山
ファッションにちょっとプラスになるしね。
――
そうですね。
折原
手作りなのでどうしても、個体差はあります。
それをご理解いただければ。
――
ここから育てていくわけですから、
色も、形だって馴染んできますよね。
そこが面白いです。
solxsolのおふたりの回はこれで終了です。
ありがとうございました!

2023年4月29日からはじまる
「生活のたのしみ展」
LDKWAREホームのお店には、
solxsolのかわいい多肉植物もたくさん並びますので、
ぜひ足をお運びください。
おふたりがお店に立たれる日もありますので、
話しかけてみてくださいね。

(おわり)

2021年からはじまった「いいものリレー」も、
これでいったん終了です。
また新しい企画を準備していますので、
次もどうぞおたのしみに待っていただけると
うれしいです。
ご意見やご感想などありましたら、
メールでお声をお送りください。
(LDKWAREチーム一同)

solxsolさんのおすすめ 03 wicagroceryの麦わら帽子¥22,000(税込み)

カートに入れる完売しました
※2024年4月24日(水)より、価格が改定されました。

上記の日時以降もカートボタンが表示されない場合は
ほぼ日ストアヘルプをご参照ください。

wicagroceryの麦わら帽子について

ベーシックなスタイルでありながら
ファッションとしておしゃれ感もある、麦わら帽子。
折原陽子さんがデザインする、
wicagroceryオリジナルの帽子です。

国内の、熟練の帽子職人によって
手作りされるこの帽子は、
強度や通気性など、農作業などの道具としても
すぐれた機能を持っています。

街でのお出かけにも、
アウトドアでも楽しめるデザイン。
クラウンに高さがあるので、
深めにかぶれば風に飛ばされにくく、
大きめのつばは
日差しをしっかりさえぎってくれます。

商品名:
ハイクラウンストローハット

製造元:
wicagrocery

仕様

サイズ:
57.5cm
(内側のサイズ調整アジャスターを
使用すると1cmほど小さく調整可能です)

形状サイズ:
クラウン高・約10cm
ブリム幅・約9cm

材質:
天然原料(麦わら)

製造国:
日本

知っておいてほしいこと

  • 一点一点手作業で制作しているため、
    サイズや形には若干の個体差があります。ご了承ください。
  • 一日中ご使用した際は、
    内側の汗どめテープを軽く水で絞ったタオルなどで
    汗を拭き、半日陰干しをしていただくと、
    長く清潔にお使いいただけます。
  • 雨の日のご使用は形崩れの原因になるので、
    お控えください。