直径1m50cmぐらいの木が
80本や100本ないと五重塔はできない。
だから、そうとう、木があったんだな。

今の木とはまたちがう木。
もっとこまかいんだ。
気候風土がちがったんだ。
成育が悪かったから、
それだけのおおきな木になった。

木というのは
肥沃な土地では、おおきくなれない。
おおきくなるうちに中から腐るから。

屋久島の屋久杉なんてのも、
やせた土地だからあるんだ。
花崗岩の島で栄養がひとつもない中、
タネが岩の間に落ちたものが生えて、
枯れないでどんどんおおきくなって、
二千年ぐらいの木になるということよ。

肥沃な土地には育たないというのは、
人間もそうや!(笑)

(次回につづきます)

 

2005-08-05-FRI
Text : Shunsuke Kimura Photo : Yasuo Yamaguchi ++ All Rights Reserved by Hobo Nikkan Itoi Shinbun 2005