その4 これからのこと。
- ──
- 忙しさ以外に、仕事を受ける・受けないの基準というか、
ご自分で決めていらっしゃることはありますか。
- 飯島
- やっぱり、やりたいか・やりたくないか。
でも、まずはスケジュールです。
やりたくても、先約と重なれば、お断りせざるをえない。
- ──
- 「やりたいか・やりたくないか」っていうのは、
たとえば、「これは同じことを前にやったから」
っていうこともあるんですか。
- 飯島
- あります、あります。
たとえば出版のお仕事ですと、
書籍化したことがある内容で別の本をつくりませんか、
というような依頼は、
やはり「やりたくない」に入ります。
- ──
- 確かに、飯島さんの本って、二番煎じがない。
- 飯島
- そうなんですよ。
『LIFE』シリーズも、もう、そんなに何度も、
基本や王道みたいな本って作らないと思ったからこそ、
すごく研究して、1本1本取り組んできています。
だから、「料理の基礎を、連載しませんか?」
というご依頼は、いまも多いんですけれど‥‥。
- ──
- それは『LIFE』を読んでくださいー!(笑)
- 飯島
- 3日、4日で1冊ぶんの撮影をするのが
普通なんだと聞いたことがありますが、
それは、ちょっとできないかなぁと思ったりも。
本は残るものですし、短期間でレシピを作ったり、
撮影もしたりっていうのは、慣れていませんし、
雑誌連載は、本業に影響がありますから‥‥。
それで、ちょっと控えてるんです。
- ──
- 今は、『ごちそうさん』が進行中ですが、
春くらいまでの間に、なにかトピックはありますか。
- 飯島
- そうですね。パリの、
知り合いのシャンパンバーで
3日間くらい‥‥。
- ──
- えっ、まさか「飯島食堂」?
- 飯島
- というほどでもありませんが、
シャンパンやワインに合う料理を作る企画があります。
パリ生まれの日本人のかたが
経営しているところで、
ワインの学校を通じて知り合って。
- ──
- パリの人の反応が楽しみですね。
どんなものをつくるのか、
決まっているんですか。
- 飯島
- とんかつとか唐揚げはどうかなって思ってます。
あくまでも家庭料理でいこうと思ってます。
ごま和えとか。
- ──
- そういえば、
『LIFE あつまる。』には、おつまみ系も、
あんがい多めですよね。
本当、ぼくは、グサッと、ど直球でした。
- 飯島
- おつまみ、大好きです。
- ──
- 「男のつまみ」というテーマの章があるんですが、
飯島さん、本当に、よくわかっていらっしゃいます、
男の飲み会のことを(笑)。
ものぐさなどもが盛り上がるシーンが、
想像できます。
- 飯島
- 本当にやってほしいですよね、簡単だから。
- ──
- ミックスナッツをすごくおいしく食べる方法や、
鯖の干物をバターとたっぷりの黒胡椒で
ビストロ料理ふうに変えちゃうワザも載っていますね。
あの胡椒はすごかった!
- 飯島
- 池尻大橋で、
いっぱい胡椒のかかったカルボナーラを
食べたことがあったり、
板橋のほうの喫茶店で、すごくたくさんの
胡椒がかかってるサラダがあったり、
そういうものがヒントになっています。
- ──
- 装丁も、いままでとはまた違う感じになりました。
はじめてイラストレーションの表紙になりました。
- 飯島
- 福田利之さんが描き下ろしてくださって。
- ──
- 写真の帯をめくると‥‥。
- 飯島
- からっぽのお皿が出てくるんですよね。
- 飯島
- そして、ひとつだけわがままを言ったのは、
表紙の裏側に、わたしの大好きなパイナップルを
入れてもらいました。
- ──
- パイナップルからちょこんと出ている女の子は、
飯島さんをイメージしているそうですよ。
- 飯島
- 光栄です!(笑)
- ──
- 「ほぼ日ストア」特典として、
この福田利之さんのイラストレーションを
A4サイズの紙にプリントし、
かわいいランチョンマットをつくりました。
本書のなかで飯島さんが
人が集まるからといってわざわざランチョンマットを
そろえなくても、きれいな紙などを応用すれば、と
提案なさっているので。
- 飯島
- とってもかわいいです。
- ──
- そしてもうひとつ、
飯島さんの「東京&全国 ごちそうマップ」を
つくります。これも「ほぼ日ストア」特典です。
ぼくら、いつも、飯島さんがどこで
どんな食材を調達しているのか、知りたくて‥‥。
- 飯島
- お役に立てれば!
- ──
- 『LIFE あつまる。』のあとも、
ぼくら、またいっしょに飯島さんと
あたらしいことをしたいと思ってます。
たとえば子ども向けの料理の本とか。
まだただの思いつきですが‥‥。
- 飯島
- いいですね!
- ──
- 実は、フランスの60年代の本に、
そういうものがあって。
絵本のスタイルの料理本なんです。
- 飯島
- へぇ!
私、昔、夢みたいに考えていたことに、
そういう絵本みたいな料理本があって。
色ごとの本で、白だったら、
白い食材だけを使い、白い料理を作る本。
茶色だったら、茶色い食材で茶色い料理っていう。
- ──
- おもしろいですね!
- 飯島
- 緑も赤もできますよね。
- ──
- 赤は大好きなトマトと梅があれば(笑)!
せっかくいっしょにつくるのですから、
あたらしいことをしたいですよね。
また企画会議をいたしましょう。
- 飯島
- ぜひぜひ!
(おわります)
2014-01-28-TUE