ほぼ日刊イトイ新聞

動物はみんな、 ほかにはないものを 持っている。

私たちが、人や犬や猫や鳥などの動物と
いっしょに暮らしたいと思うのはなぜだろう。
ある日、ミグノンに目のないねこがやってきました。
すごくかわいくて──それがこの夏の、
動物の旅のはじまりでした。
担当は、去年は鶏に親しんだ、ほぼ日の菅野です。2018年も「いぬねこなかまフェス」@人見記念講堂と
「なつのミグノン展」@TOBICHIを開催します。
ぜひみなさん、いらしてください。

第7回たのしくすごす工夫は同じこと。

この日はハニーパンとにじ色といっしょに、
ワンちゃんOKのお店でランチを食べながら
お話をうかがいました。
2匹とも、毎秒毎秒ほんとうにかわいい。
お話をうかがっているうちに、
目の前にあまりにもいい時間が
流れていることに気づきました。
お話を伺っていた私はなんだか
かるい興奮状態になっていて、
食べものの味がよくわからないくらいになっていました。

「その子の『そのとき』に合った何かが
ぜったいにあるから、
それを見つけて工夫してみる」
その言葉が、こだまするように頭に響き渡ります。

最後に、
ハンディキャップのある子たちと暮らすコツを
うかがってみました。

かんちゃん

「コツは‥‥そうですね、
やっぱり工夫することでしょうか。

何をどう工夫するか‥‥それは、
まずは犬がいまどうしたいのか、
何がうれしくて何が嫌なのか、
何が不安でどうすると安心なのか、などを
とにかくよく観察し、
愛情をもって向き合うことから
工夫がはじまるのかなと思います。
その工夫を、お互いに
たのしめるようにするのがいいと思います。

あとは、さきほども言いましたが、
現在と同じ状態はずっとは続かないから、
ある程度は心の準備や覚悟を
しておくといいんじゃないかと思います」

でも、ご夫婦のあいだで、
ずっと機嫌よくいようとか、
話し合いをしたわけではないですよね?

「ボーニュの介護のとき、ちょっとだけ
たのしむようにしようね、と話しました。
やっぱりほんとうに大変だったので‥‥。

でも、そういう心がまえは、
べつにハンディキャップがあることとは
関係ないような気がします。

ハンディキャップがある子も、そうでない子も、
程度の差はあるかもしれませんが、
お互いにたのしく暮らそうとして、
工夫すること、意識することは
変わらないのだと思います。
心身ともに健常な子であっても、
いっしょに暮らすうちに、
その子が好きな遊びや食べものを発見することは
ふつうにみんながすることです。
だからきっと、
体が不自由な子といっしょにいる工夫も、介護も、
その延長線で、同じことのように思います」

かんちゃんさんのおっしゃるとおり、
それはみんなに言えることなのかもしれません。
縁あっていっしょにいれば、
そこで気づいて工夫ができる。

「あしが動かなくても、目がなくても、高齢でも、
毎日をたのしく暮らすようにすれば、
ほんとうにかけがえのない、
濃密な時間をすごすことができます。
ハンディキャップもチャームポイントも同じです」

ああ、ほんとうにそうだなぁ。

かんちゃんさん、ボーさん、
にじ色、ハニーパン、そしてボーニュ、
メンマ、森川さん、
コロリ、ポロリ、ミグノンの友森さん、
いろいろ教えてくださって
ほんとうにありがとうございました。

インスタもぜひ見てください。
かわいい写真がいっぱいです。

動物と人との出会いはそれぞれです。

事故に遭ったものや保護されたものもいる。
突然やってくるものもあれば、
迷いに迷って準備して迎えることもある。
人間側の事情もあります。
私の家にも、ミグノンからやってきた
とっても気の合う元気な猫のきょうだいがいます。
帰りのあしどりが早くなるような
かけがえのない毎日を送らせてもらっています。

今回の取材を通じてみなさんからうかがったことは、
すべての動物に平等に起きます。

  • ・いまと同じ状態はずっとは続かない。
  • ・大変なことととたのしいことは、
    いっしょになっている。
  • ・自分と違う人やものと暮らすことで、
    別の豊かな世界に気づく。
  • ・特徴やハンディキャップはいっしょにいるうちに
    本気でわからなくなり、チャームポイントになる。
  • ・深刻になるよりもっと先に、
    たのしくやれる工夫を見つける。

どんな状況のどんな人にとっても、
世界は変わるし、
明日どうなるかはわかりません。
もし縁あって暮らす動物がいて
かけがえのない存在となっていたら、
押しつけられた尺度は、どうでもよくなっていきます。

今回のコンテンツのためにお会いした方々は、
気負うことも
いいことをしているとかいう気もまったくなく、
自然にお話を聞かせてくださいました。
掲載した写真を見れば
おわかりになると思いますが、
みなさんとてもシャイな方々でした。
でもこうしてお話してくださったことに、
ほんとうに感謝します。

自分が縁をもらったものたちといっしょに、
自分だけの考え方や尺度を
そのたびにきちんともって、
工夫してやっていこうと私も思います。

この夏は、下記にご案内しているように、
ミグノンのふたつのイベントがあります。
特に「いぬねこなかまフェス」は
動物を愛するさまざまなジャンルの出演者が集まり、
協力してつくりあげる不思議なイベントです。
2018年の今年は、
災害時のペットについての講演や、
動物を看取ることをテーマにした
パネルディスカッションもあります。
例年通り、ミュージシャンのみなさんによる演奏や、
朗読もあります。
今年は出演お休みとなった矢野顕子さんの
私物ガレージセールもあります。
チケットの売上から制作費を引いたお金、物販の利益は、
ミグノンの保護動物約160頭の医療費とシェルター、
光熱費などに充てられます。

犬や猫を通して、
これまで出会えなかった人に出会うことができます。
動物がおうちにいない方も、ご興味あればぜひ、
下記のどちらかのイベントをのぞいてみてください。

では、みなさん。
この夏のちいさな動物の連載は、
これでおしまいです。
おつきあいいただきありがとうございました。

(おしまいです)

2018.08.23 THU

TOBICHIでやるよ!なつのミグノン展 2018

2018年8月24日(金)〜26日(日)
TOBICHI「すてきな4畳間」
11:00〜19:00

今年の「なつのミグノン展」は、
ミグノンと吉祥寺にある紙もの屋さん
「ペーパーメッセージ」とのコラボです。
「ペーパーメッセージ」のデザイナーさんが
ミグノンの保護動物のイラストを描きおろし、
いろいろな紙雑貨をつくってくださいました。
紙雑貨の販売はもちろん、原画の展示販売も行います。
おなじみ、ミグノンのチャリティグッズや、
9月9日に開催する
「いぬねこなかまフェス」のチケットも
特典つきで販売します。
(TOBICHIで申し込むと、座席を選べますよ)
ぜひお越しください。

いぬねこなかまフェス 2018〜動物愛護週間に集まろう〜

2018年9月9日(日)昭和女子大学人見記念講堂 
16:00開場 17:00開演 
全席指定4,500 円(税込) 

■出演者
akiko/糸井重里/スティーヴ エトウ/坂本美雨/
清水ミチコ/鈴木杏/椿鬼奴/富樫春生/友森玲子/
畠山美由紀/町田康/水越美奈/矢崎潤/渡辺眞子
(五十音順)

■お申込み
e+
ローソンチケット
0570-084-003 Lコード:76291
チケットぴあ
0570-02-9999 Pコード:118-615

動物愛護週間に向けて、
動物たちのために学び、考え、助けるイベントです。
動物を愛するさまざまなジャンルの出演者が集まり、
毎年協力して作りあげています。
チケットの売上から制作費を引いた全額と、
オフィシャルグッズの利益全額は
ミグノンの保護動物たち約160頭の医療費と
シェルター家賃、光熱費などに充てられます。

出演の方々の演奏や朗読に加え、
災害時のペットについての講演、
動物を看取ることについての
パネルディスカッションもあります。
いま動物と暮らしている人も、そうでない人も、
これからの人も、
学びながら保護動物に支援をください。
ロビーではオフィシャルグッズに加え、
今年は出演お休みの矢野顕子さんの
ガレージセールも予定しています。