その2296 (2010-05-29)
プルルルル‥‥ガチャ。「もしもし、○○さんのお宅ですか」「いいえ、違いますよ」「すいませんでした」「いいえ」ガチャン。これが、一般的な間違い電話の代表的なパターンですが、私たちがお届けする「まつがい電話」はひと味もふた味も違います。ずばり、もっともっとドラマティック。いろんなパターンがあるんですよー。それでは、最後まで、ごゆっくり。


今年の春頃から留守番電話にのんびりした上品なおばさまの声で毎月メッセージが吹き込まれるようになりました。デフォルトのままの合成ボイスの応答メッセージのせいか、番号違いにずっと気がつかないようです。メッセージは毎回、同じ。「あらまあ、今日もお留守なのね?ご旅行かしら?お茶の件でお伝えしたいことがあったんですけれども。またかけなおしますわね」早く間違いに気がついてくれないと、正しく電話したい相手先がこの1年旅行中だったことになってしまいます。恐らく来年も旅行中になるでしょう。心配です。お茶の件も間に合わなそうです。心配です。(帰宅が深夜なので電話に出てあげられない)


ある日、深夜に帰宅すると留守電ランプが。最初は13時ごろ。知らないおじいちゃんが、かなり大きな声で。「すみませんが、うちの水道のこう、モトのところがね、また壊れまして。水がジャージャー漏っちゃってたいへんなんですわ!すぐみにきてもらえますか!」そして14時すぎに。「あのですねえ、こちらは大変なんですよ、とにかく水がね、とまらなくてね、水浸しなんですよ!どうにか来てもらえませんかね!」最後は16時に「○○さん!ちょっとね、どうにもならんですよ!今日はお休みですか!?(独り言調に)‥‥いや、参ったな、どーしようもないんだけど‥‥」と入っていました。それが最後。おじいちゃんは、疑う様子もなく、まつがいつづけていたのでした‥‥。時々思い出して心配になります。おじいちゃんちはどうなっちゃったのでしょう?(みずもれ)


大学に入って、初めて携帯電話を持ったころ、着信に気づかなくて留守電メッセージが2件。1件目、女性の声で深刻そうに‥‥。「いつものところで7時に待ってるから。遅れてもいいけど絶対きてね」2件目、同じ女性の方から‥‥。「今どこ?私、待ってるから。いつまでも待ってるから」はたして彼女はいつまで待ち続けたのか、電話をかけたかった相手とはその後どうなったのか、とても気になります。(知らない人)


昔、我が家の留守番電話に、メッセージが入っていました。再生してみると、「たけし〜?グスッ、ごめんなさい‥‥。グスッ、私、橋の上で待ってるから〜。グスッ、ずっと待ってるから〜」と女性の泣き声が。これを聞いた父は、間違い電話であることを女性に知らせてあげたくても、番号がわからず。ならばどこの橋だ。これもわからず。父はその後も、女性とたけしの行く末をとても案じていました。(パンプキンコ)


就職し、一人暮らしを始めた頃、友人の家に電話をかけ「○○さんのお宅ですか?」と聞いたら、「いえ、違います」と若い男性の声。あ、まつがっちゃったな〜と思い、すいませんと謝って電話を切りました。そしてかけ直そうと一息ついて、気がつきました。今、まつがってかけた先は自分の実家で、謝った相手が弟であったことに。しかし、私は20年以上経った今でも照れ臭くて、その事を弟に確認することができないでいます。(しやうじ)

「まつがい」電話にかぎらず、あらゆる「まつがい」や「言いまつがい」などを募集しています。ああ、あの話はおもしろかった、というエピソードをお持ちの方は、「投稿する」ボタンをクリックし、そのお話を簡単に書いてメールしてください。どなた様も、お気軽にご参加ください。それでは、また、明日ー。
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