その285 (2004-11-25)
言おうとしたことと違ったことを言ってしまう。たったそれだけなのにこんなに愉快。ほぼ日刊イトイ新聞名物、「言いまつがい」は毎日更新です。


中学時代の友達の苗字は「芦山(よしやま)」さん。しかし、先生は皆「あしやま」「とやま」と言い間違えていました。そんな中で、3年になってやってきた地理の先生は「‥‥ろやま〜」。(ペンタ)


新婚旅行で行ったオーストラリア。牧場で馬に乗って30分ほど散歩をした後、「馬に乗ったよ証明書」みたいなものを作ってくれました。でも、そこに書かれていた私の名前は「SUKEBE」。サカベだよと言ったら、笑いながら書き直してくれました。でも、「SAKEBE」。新婚旅行なのに、何故にスケベと叫ばなくてはならないのか‥‥。(京都の方と字が違う坂部です)


その昔、私は「熊切(くまきり)」という苗字でした。滅多にまつがえられない苗字でしたが、一度だけ勤務中に中国人のお客様から「かまきり」とまつがえられたことがあります。その時はお客様が、「私は熊切さんに用があるんじゃありません。かまきりさんに用があるんです」自分がまつがっていることをなかなかわかってくれず困りました。同僚は「保留にしといて、『おまたせいたしました、かまきりです』って言っちゃえばよかったじゃん」と言うのですが、以後ずっとかまきりさんを演じるほど私役者じゃないし〜。(大の児の母)


母の名前は「カヨコ」で、漢字にすると「にんべん」に「去」と言う字で「カ」、「ヨコ」は「代子」と書きます。この「カ」がパソコンで出ない字なので、ダイレクトメールなどではよく「カ洋子」「佳代子」で送られてきます。この間などは「●代子」。母はしかたないなぁという感じでした。(akiko)


私の名前は「渓子」というのですが、読みはありふれたものとして、この漢字を使うのは滅多にいません。子どものときからずっと「渓谷の渓です」と説明していたのですが、ある日大人の人に同じように説明すると、「珍しいねえ」と言われました。「よくいわれます」と大人しく答えた私の見た彼の手は、堂々と「警子」とペンを動かしていました。警告の警‥‥私は警察官の娘か?そんな珍しい名前ですが、高校に入ると同じ「渓子」の友人が出来ました。しかし修学旅行で、彼女の旅館の札に貼り付けられた紙は「淫子」‥‥。同じ名前の持ち主としては紙一重だったとひやひやしていました。(けーこ)


私は「稲垣」。「イナガキ」です。今までまつがえられたことなどありません。ただ一度DMで、「否ヶ木」と変換された宛名シールが貼られてきたことがありました。すごく否定された気がして落ち込みました。(イナガキ)


母と二人で歯医者さんに行った時のこと。待合室には私と母以外の患者さんはおらず、二人で本を読んで待っていました。そして受付の方に呼ばれました。「橋本さん」「‥‥」「はしもとさーん」「‥‥‥‥」「はしもと……楠本さーん」「はい」ようやく気がついたようです。(返事してたまるか)


ある日、「福島さん」と呼ばれた。私の名前は「宮城」なのに。確か東北地方の名前だったと、覚えていたらしいが。おかげで「山形さん」と呼ばれたときはすぐに返事ができた。(東北女)


私の名前は「享平」です。中学時代は卓球部に所属していましたが、顧問の先生がとても漢字が苦手だったようで、正しく書かれた事は一度もありませんでした。「京平」「亨平」「亮平」なんて書きまつがいは日常茶飯事。次は一体どうまつがうのかと、内心楽しんでいました。そして中3の最後の大会、トーナメント表には「亭平」の文字が。さすがに絶句してしまいました。(享平)


十数年前、当時高校一年生だった私は友人宅へ電話をしました。友人宅は両親、姉妹の4人家族で、電話に出たのはお父様。私の友人はファミリーネーム(姓)のあだ名で呼ばれていたため、すっかり下の名前を忘れていた私はお父様に「もしもし?誰に用事?」と聞かれ、すっかり慌てて「高一(高校一年生)の‥‥」と言いかけると、お父様は「はい、私がコウイチですが?」とファーストネームを名乗られました。(スカルキャップ)


「美」という字が入っている方の説明は「美しい、の『美』です」と言う方は少ないというお話がありましたが、私は「みよこ」というわかりやすい名前ですが、漢字にするととても珍しく、「み」は「美」でなく「見」を使います。たいてい聞かれる前に「美しい、ではなく‥‥」と自ら説明をするのですが、「あ、美しくなくて、見る、ですね」といわれたことがあります。(見依子)


ヒガシ/アズマ問題で思い出しましたが、昔、勤めていた会社の「東営業所」には東(あずま)さん、「西営業所」には東(ひがし)さんがいました。どちらかに電話をする時、受話器に手をかけて「ニシのヒガシ、ヒガシのアズマ」と、呪文(?)を唱えてからダイヤルする人、多数。それでも、社名でなく「東営業所です」と出られてしまうと、何が何だかわからなくなってしまうようでした。(Q太郎)


和子さんの名前を確認するときに、「平和の『和』に子どもの『も』」と言ってしまいました。(かよらん)


会社の住所は「茂里町」と書いて「もりまち」と読む。ある時、電話口で住所の説明をしていた先輩(貴里子さん)が「『茂る』に『古里の里』に『子どもの子』です!」と言っていた。途中で自分の名前の説明にすりかわってしまったらしい。(ひ)


「アサコ」さんという方が、「麻薬の『ま』です」と説明したというのを見て思い出しました。私が高校生の頃、財布を拾って交番へ届けた時です。名前と住所を聞かれ自分の名前を説明する時につい出た言葉が「麻薬の『ま』です」でした。しかもお巡りさんの前で。お巡りさんは「麻薬の『ま』!?」と異様に大きな声で反応してました。わわわ私は何もしてませんよ。財布届けに来ただけですよ!(麻)


「自分の名前を『麻薬の麻』と説明するアサコさん」というお話がありましたが、お友達のハマコちゃんはいつも「麻薬の『麻』に、ハッパの『葉』ですぅ!」とにこやかに説明していました。遠まわしに「お家はどういったご商売を‥‥?」と尋ねられたことがあるそうです。(るーぴょん)


水と書いて水と読む水君の話がありましたが、私も「糸」というシンプルこのうえない姓なのに、必ず「どう書くんですか?」と聞かれます。「針と糸の糸です」でわかってもらえない場合は、「糸へんの、つくりのないやつです」と言います。ちなみに、日本人です。(カシミヤ)


高校生の頃、友人のO君を呼ぶときについ「マックス!」と当時、飼っていた犬の名前を叫んでしまい、O君に「お前の犬じゃない」と怒られてしまった。(イノ)


小2の娘の名前は「くみ」といいます。ある日、学校へ出かけようとする娘を呼び止めようとして、「あ、ちょっとちょっと、くま!」と言いまつがってしまいました。モーレツに怒られました。(くまっていうよりサル)


名前に関するまつがいです。私の姓はとても珍しいので、これまでの人生の折々でそれはもう様々なまつがわれ方を経験しました。国籍まつがい、読み方まつがい、聞きまつがい、書きまつがい‥‥。その名も「性全幸(しょうぜん・さち)」と申します。【国籍の部】中国や朝鮮・韓国系のかたとまつがわれるのは常のこと。でも日本人です。「当て字?」と聞かれたこともあります。いったい何の当て字?【読み方まつがいの部】性全→セイゼン幸→ミユキこれが読み方まつがいの基本形です。【聞きまつがいの部】バリエーション豊富です。しょうれん、しょうでん、そうでん、そうぜん、どうぜん、じょうれん、じょうでん、しょうげんなどなど‥‥。以前事務系の仕事をしていて電話でお客様に名を名乗ると、9割以上の確率で聞きまつがわれるのでもう訂正するのも面倒で「じょうでんさん?」と思い切りまつがわれても、「そうです」と答えていました。【書きまつがいの部】これもまた様々あります。多いのは、性→小・正・生・庄・姓‥‥全→善・禅・前・然‥‥幸→辛・倖「幸子さん」とまつがわれることもしばしば。【その他】響きの感じからかもしれませんが実家がお寺さんかお宮さんかとよく言われます。なので、うっかりしていると数年来の友人からの年賀状の宛名が「正善幸」となっていたりします。正しく善く幸いって‥‥。そんなにいい人じゃないってば。(いいかげん覚えてよ)


弟の名前は「崇史」と書いて「たかふみ」と読みます。ふつう「たかし」と読むので、知らない人に一度で正しく読まれたことはありません。数年前、その弟がお嫁さんの知り合いの神父さんの教会で結婚式を挙げました。荘厳な雰囲気の中、例のお決まりの誓いの言葉を言う段になった時、神父さんが、ご多分に漏れず新郎の名前を「たかし」と読みまつがいました。弟は緊張していたのか、または「いつものこと」と思ったのか、何も言わずだまっています。とその時、純白のドレスに身を包んで静かに新郎の横に立っていたお嫁さんが突然声を上げました。「たかふみです!!」良いお嫁さんをもらったな、と思いました。(彼女も今では2児の母)

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