[糸井]
毎日写真撮ってると、カメラに飽きたりしませんか。
[アニ]
あー。
[うめ]
わ、どうだろう。
[糸井]
アニさんは飽きませんか。
[アニ]
うーん、まぁ、
「あ、今日カメラ忘れた」
みたいなときは、ありますよ。
以前はそういうこと、なかったけど。
[糸井]
そう、そういうこと、そういうこと。
[うめ]
忘れて出かけることはさすがにないけど、玄関出るときに「おっと」っていうくらいは、最近、ちょっと、あるような気がする。
[糸井]
あるよねぇ。
ま、ぼくは、職業じゃないから、
「今日は持って行かなくてもいいか」って簡単にあきらめちゃったりもするけど。
[アニ]
(うめさんのカメラを指さしながら)
だいたい、これなんスか?
[うめ]
そう。だいたいこれ。
でも、じつはこれ、補欠で、レギュラーのひとは修理に行ってるんです。
そっちはシールももっとかっこいいんだけど。
[糸井]
いや、こっちも十分かっこいいよ。
すばらしいねぇ。
ちょっとこのカメラを撮っちゃおう。
[アニ]
写真に日付が入ってるのも、このカメラで?
[うめ]
そうです。
なんか、写真に日付が入っとるせいでね、コンパクトカメラとかで撮ってるって思われてるみたい。
まぁ、べつに、それでもいいけど。
[アニ]
デジタルじゃなくてフィルムですよね?
[うめ]
はい、フィルムです。
[アニ]
ってことは、自分で焼くんですか。
[うめ]
いや、ビックカメラとか、そのへんが焼く。
[アニ]
ああ、「そのへんが焼く」(笑)。
[糸井]
やっぱり、デジカメはいやなの?
[うめ]
デジカメって、紙にしないでしょ。
モニターの画面で見るのがイヤなんですよ。
全部紙にしたいから。
[糸井]
紙にしたらいいんじゃない?
[うめ]
え!
[糸井]
紙に。できるし。
[うめ]
したら‥‥いいんやけど‥‥ガーン、そうか、そうでした。
[糸井]
わかんないけどさ。
[うめ]
じゃあ、デジカメでもいいかな。
[糸井]
うめかよがデジカメになっちゃったらどうなっちゃうんだろうねぇ。
[アニ]
便利は便利ですよ、デジカメ。
[糸井]
アニさんのカメラは、それ?
[アニ]
これは違います。
昔使ってたフィルムカメラなんですけど、壊れちゃって。
[糸井]
あ、それは、フィルムのGRだ。
ぼくがつかってるデジタルのGRとは兄弟の関係だね。
[アニ]
そうそう。
[うめ]
へぇー、そうなんですか。
[糸井]
‥‥しかし、あれだね。
[うめ]
ん?
[糸井]
なんていうか、この3人で、ほんとに、カメラ談義っていうか、写真の話をするんだね。
[アニ]
(笑)
[糸井]
あのさ、写真集を出すっていう話はどういうふうにはじまったの?
[アニ]
ぼくのこれですか?
[糸井]
そうそう。出版社側から
「出しませんか?」って言われたの?
[アニ]
そう‥‥かな。
「出しませんか?」っていうより、
「これ、出さないんですか?」って。
[うめ]
すごーい。
[糸井]
そうか。それはその、つまり、ミュージシャンだったっていうのがよかったのかね。
[アニ]
そうじゃないですかね。
[糸井]
うめちゃんは、最初の写真集はどういうふうに決まったの?
「出しませんか?」って言われたの?
[うめ]
いや、まさか、そんな。
「出しませんか?」なんてなかなか言われるもんじゃないですよ。
[糸井]
じゃ、どうしたの。
「出してください」って頼みに行ったの?
[うめ]
いちおう、
「見てください」ということで。
[糸井]
それは、飛び込みで、一社ずつ回るような感じで?
[うめ]
いや、ちがう。
ある人が紹介してくれたんです。
「あんたちょっと、紹介してあげるわよ」
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