[糸井]
清水さんと話していると、なんだか‥‥あ、そうだ、このパターンは、
(南)伸坊といるときとおんなじだわ!
清水さんって、伸坊だったのか!



[清水]
へぇー?
伸坊さん。

[糸井]
伸坊といるときの自分がこういう人になるんですよ。

[清水]
あはははは。
あの本(*)、おもしろかったね。
あれ、売れてないんだってね(笑)。
*「あの本」とは南伸坊さんと糸井重里の共著、『黄昏』のことです。

[糸井]
売れてないんですよー。
いちばん売れてない。

[清水]
なんでだろう。
(「ほぼ日」の山口に)
あ、カメラマンですか、あのときの。

[──]
はい。

[清水]
すごい写真よかったです。

[──]
ほんとですか、ありがとうございます!

[清水]
写真を見てまともな本なんだなってやっとわかります(笑)。



[糸井]
わかる、わかる。
ちょっとリリックな感じね。
‥‥そう、伸坊といるときの自分だ。
なんだろう。
なんかのスイッチを入れる効果があるんだね。

[清水]
ふーん。へぇー。

[糸井]
清水さんと伸坊っていうのはよく会うよね。

[清水]
えっと、年に4回ぐらいは。
3ヶ月に1回は会ってます。

[糸井]
和田(誠)さん系統ですよね。

[清水]
そうそう。

[糸井]
そこでは、こんなふうにふざけてないんですか。

[清水]
伸坊さん、おとなしいですよ。

[糸井]
ええーっ(笑)?!

[清水]
うんうんうんうん。



[糸井]
ずるいな!

[清水]
おとなしいっていうか、男の人がみんなおとなしくなって、わたしと(平野)レミさんと、阿川(佐和子)さんで、しゃべってる感じ。

[糸井]
阿川さんもいるんだ。
和田さん、もともと無口だしね。

[清水]
でも和田さん、その日、男の中では一番しゃべるよ。

[糸井]
ああ、そう?!

[清水]
だけど、一回そこに黒柳さんが来たことがあって、そしたら、もう、黒柳さんの話を聞く会になったから、趣旨が変わっちゃった(笑)。



[一同]
(笑)

[糸井]
ちょっと濃い薬だったんだ。
和田さんがしゃべんない人じゃないのは知ってるんだけど、そういう場面でも、しゃべることはしゃべるんだ。

[清水]
お酒入るとしゃべりますね。
そうじゃないと、あんまり。
和田誠さんとは、長いですよね、糸井さんは。

[糸井]
長いですね。
ただね、和田さんとぼくが会ってゆっくり話したっていうことは、何回もないんですよ。

[清水]
そうなんですか。
わたしの中では、
「ホワイト」(*)っていう場所でそこに夜な夜なみんな集まってすごくしゃべってるのかと思ってた。
*「ホワイト」は赤塚不二夫さんやタモリさんなどそうそうたるメンバーがあつまった伝説のバー。
四谷にあった。
そのようすは名物ママの宮崎三枝子さんによる『白く染まれ』という本に詳しい。
「ほぼ日」でも高平哲郎さんのインタビュー中で触れられています。



[糸井]
いやいや。
和田さん、「ホワイト」の人じゃないから。

[清水]
あ、そうなんだ!

[糸井]
「カル・デ・サック」(*)っていうところで、ぼくは会ってた。
*「カル・デ・サック」は神宮前にあったカフェ&バー。
1980年代の原宿を代表する店のひとつだった。
ムーンライダーズの鈴木慶一さんもよく通っていたそうです。

[清水]
ふーん、そういうお店があったんだ。

[糸井]
和田さんともう一人、似たようなタイプの人で、土屋耕一さんっていう人がいて、そのふたりは、ぼくはちょっと余計に大事にしてる人だったんです。(*)
*土屋耕一さんはコピーライター。
1930年生まれ。2009年に、亡くなられました。

[清水]
尊敬が入ると、急に大人しくなるのって、なんですかね。

[糸井]
なんだろうね。

[清水]
うーん。

[糸井]
そんな清水さんは、いまやもう、矢野顕子とダチで! ふふふ。
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