まずは「Campus」ノートの開発を担当されている村上智子さんに、お話をおうかがいします。
34年もの歴史を持つ、コクヨきってのロングセラーが思い切って好評のデザインを変えた理由とは‥‥?

[ほぼ日]
コクヨさんと言えば「Campus」ですよね。

[村上]
おかげさまで、ご支持いただいています。



[ほぼ日]
このノート、コクヨさんを語るときにはかならず、ロングセラーとして話題にのぼる商品だと思うんですが‥‥。

[村上]
発売以来の販売数は20億冊と言われています。

[ほぼ日]
えー、20億というと‥‥どのくらいの量なのか、まったくイメージできないのですが。

[村上]
積み上げると約8000kmで、大阪・バンクーバー間の距離に相当するようです。

[ほぼ日]
ははぁ、端から端まで飛行機で飛んでいっても何時間もかかるわけですね‥‥。

なにかもう、とにかくすごい数だということしかわからないのですが、
「発売以来」というと、いつからになるんですか?

[村上]
1975年です。初代はこんなデザインでした。



[ほぼ日]
うわー。‥‥覚えがあるような、ないような。

[村上]
1980年前後に中高生だったかたには、なつかしいかもしれません。

次の2代目が出るのが、1983年ですので。

[ほぼ日]
ああ、この2代目は、かなり覚えてます!

実家のつくえの引き出しを開けたら出てきそうな感じですよ。



[村上]
この2代めから、表紙に罫(ケイ・線の幅)を表示したんです。

[ほぼ日]
A罫・B罫・C罫というやつですね。

[村上]
A罫が「普通横罫」と言って罫幅7mm、B罫が「中横罫」と言って罫幅6mm、3代めからの登場ですが、C罫が「細横罫」と言って、罫幅5mm。

[ほぼ日]
あのー、この罫の太さって、どういうふうに使いわけられてるんですか?
個人的には細いほうが好きなんですが‥‥好みですか?

[村上]
まぁ、好みというのもあると思いますけど、一般的な傾向として、いちばん幅広の「A罫」は、事務用・学用で半々くらいの用途なんです。

「B罫」は、どちらかというと学用、
「C罫」になると、ほぼ学用だと思います。

[ほぼ日]
へぇ、幅が狭くなるほど「学用」ですか。

[村上]
ええ、何でもないように思えますけど、その罫幅を表紙に明記したのって、けっこう、アイディアだったんですよね。

いちいちページをめくって確かめなくても、罫の幅がわかるということで。

[ほぼ日]
なるほど、なるほど。

[村上]
で、次の3代めが、こちらです。

いま、30歳前後のかたでしたら、じっさい中高生のときにお使いになったのは、このタイプかもしれませんね。

1991年にリニューアルされていますから。



[ほぼ日]
ああ、なるほど、これはなじみ深いです。

もう、つい最近まで使っていたという、ハッキリした記憶があります。

[村上]
この3代めは「Gマーク」で知られる
「グッドデザイン賞」を業界ではじめて、受賞したんですよ。

[ほぼ日]
グッドデザイン賞ですか。業界初で。
はぁー‥‥たしかに、見ためもかっこよくなってますもんね。

[村上]
で、現行のものが、こちらの4代め。

3代めから9年後の2000年にリニューアル、現在もこのデザインで継続しています。



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