「作品」というものについて

芸術と大量生産品のあいだに「作品」というものがある。

「作品」は、均等やら平等とはあんまり関係がない。
「作品」は、いくらでもつくれるものではない。
「作品」は、街にたくさん存在している。

大量生産品は、どんどん迷路に入りこんでいく。
豊かな時代の人々は、「作品」のほうに興味を示す。
いま現在の売上げだとか、総合的な影響力だとかは、大量生産品のほうが圧倒的である。
それでも、時代が目指す方向は
「作品」の側なのだと、ぼくは考えている。
──糸井重里
(2007年5月14日掲載ダーリンコラム『「作品」というものについて』より)

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