title

質問 四

谷川さんは、今後、日本の詩はどうなっていくと思われますか?
日本にはさまざまなメディアもあるし、テクノロジーもあります。
その中で、これから、詩というものが日本文化にとってどういう意味をもっていくか、それを訊いてみたいです。
私の国(サウジアラビア)でも、詩をとても大切にしているので、同じ問題を抱えています。

(アブラール・アブドゥルマナン・バール 二十三歳)

谷川俊太郎さんの答え

日本の伝統的な詩形である俳句、短歌はこれからも続いていくでしょう。
たかだか百年余の歴史しか持たない自由詩は、行分けの文字表現としてはだんだん拡散していくでしょう。
しかしその中核にある
「詩情」とも言うべきもの(poesy)は、他の分野、たとえば舞踊、歌、演劇、映画、マンガ、造形芸術などに浸透していってそれらに新しい表現を示唆していくと思います。
文字表現としての自由詩も紙上の活字だけでなく、電子メディアや音声メディアなど他のメディア上で他分野と溶け合うような形に変化しながら続いていくのではないでしょうか。

前へ 次へ
質問一覧へ        
友だちに教える
感想を送る        
書籍版「谷川俊太郎質問箱」
2009年夏の質問箱へ    
ほぼ日のTOPへ