[糸井]
伸坊は、鎌倉には、よく行くの?
[南]
うん、そうだね。
[糸井]
あっ、行くの?
[南]
何度かね。
[糸井]
そっかぁ‥‥。
いや、鎌倉って、行きたいって言うわりに、意外に人は行かないよね、っていう話をしようと思ってたんだけど。
ここにいたのね、行く人が。
[南]
いたね、ここに。
[糸井]
いちばん最近行ったのは、いつ?
[南]
いつだろうなぁ。
あ、あれかな。運慶になって行ったな。
[糸井]
「運慶になって」?
[南]
そう。オレが運慶その人になってね、鎌倉にある現代彫刻を訪ねるっていう企画でさ。
こう、運慶の格好をして、彫刻を見ちゃあ、
「なんだこれは!」って言うの。
[糸井]
運慶として、文句を言いに、鎌倉に来たんだね(笑)。
[南]
そう。「こんなものが彫刻か!」っていうね。
[糸井]
運慶に言わせれば(笑)。
[南]
「ただのネジじゃねえか!」とかね。
なんか、でかいネジみたいなのがあるんだよ。
[糸井]
運慶には「ネジ」っていう概念、あるの?
[南]
あ、運慶にはないんだけどね。
その人には、運慶だけじゃなくてオレもちょっと入ってるからね。
[糸井]
ふはははは、そうだね。
伸坊も入ってるよね。
[南]
まぁ、ほとんどオレが言ってるようなもんだとも言える。
ぶっちゃけちゃうと。
[糸井]
早いよ、ぶっちゃけるの。
[一同]
(笑)
[南]
糸井さんの中では、鎌倉って、あんまり行かない場所?
[糸井]
うん、あんまり行かない。
[南]
行ったことないわけじゃないでしょ?
[糸井]
いや、複数回、行ってますよ。うん。
伸坊は、行ってんだ、鎌倉。
[南]
なんだかんだでね。
[糸井]
じゃあ100回くらいは行ってる?
[南]
いや、そんなに行ってないなあ。
[糸井]
半分にしようか。
[南]
うーん、いや、半分も行ってないですね。
[糸井]
じゃ、四半分にしようか。
[南]
四半分。あ、もうちょっと‥‥。
[糸井]
もうちょっと、少なく?
もうちょっと、多く?
[南]
少なく。
[糸井]
ホントによく行くの?
[南]
ま、八半分ぐらいかな。
[糸井]
八半分っていうと、ええと‥‥。
[南]
だから、せいぜい、10回ぐらいじゃない?
[糸井]
そうすると、オレとあんまり変わんなくなっちゃわないか?
[南]
そうかな。
[糸井]
ふつうに「あんまり行かないねぇ」って人と、変わんないじゃないか。
[南]
なんか、負けそうだな。
[糸井]
いやいや、勝ち負じゃないんだけどさ(笑)。
[南]
勝ち負けじゃないよな。
[糸井]
なんていうの?
ちょっと、ずさんだろ。
[南]
うーん。そうねえ。
[糸井]
ぼくはさ、話の流れとしてはさ、あ、やっぱり伸坊は美術関係の人だから、人より鎌倉に行ってるんだね、というようなさそういうことを言おうかと思ったんだよ。
[南]
うん、美術関係なんだよオレは、はい。
[糸井]
行楽で行きました、なんていうのは、みんなそれなりに行くわけだからさ。
[南]
そうだね、そうだね。
そういや近代美術館に行ったな。
[糸井]
そうそう、そういうやつ。
[南]
近代美術館に何回か、行った。
[糸井]
いや、だから、その、何回かをちょっとさ、もうちょっと。
[南]
ええとね、岸田劉生の展覧会とかね、あと、マグリットも行ったね。
[糸井]
つまり、2回は行ってるね。
[南]
うん。
[糸井]
‥‥2回だけ?
[南]
あ、いや、もうちょっと行ってると思うよ。
[一同]
(笑)
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