[糸井]
えー、今日は、ギャラリーのいる中でお話しすることになりますので、いちおう、紹介からはじめることにしましょう。
まずは、フジテレビのプロデューサー、重岡由美子さんです。



[一同]
(拍手)

[重岡]
よろしくお願いします。

[糸井]
よろしくお願いします。
え〜、そして、三谷幸喜先生です(笑)。



[一同]
(拍手)

[三谷]
よろしくお願いします。

[糸井]
よろしくお願いしますー。

[三谷]
(ギャラリーを見ながら)
いや、今日はこんな感じだとまったく思ってなくて。



[一同]
(笑)

[糸井]
うん。ほんとはそれぞれ、違う仕事をしていなくちゃいけないんですけどね。
なんだか、集まってきちゃって。

[三谷]
(不思議そうにギャラリーを見ながら)
あの、この人たちは、誰なんですか?

[一同]
(笑)

[糸井]
うちの社員です。

[三谷]
みなさん社員?

[糸井]
そうなんです、すいません。
あ、一部、「BRUTUS」の人もいるね。

[三谷]
あ、ほんとだ(笑)。

[糸井]
そういうなかではじめていきたいと思います。

[三谷]
重岡さんと糸井さんははじめてでしたっけ?

[重岡]
以前、『マジックアワー』の取材のときにお世話になりました。

[糸井]
ああ、その節も、この節も、どうもありがとうございます。

[三谷]
ぼくの映画はこれまですべて重岡さんがプロデュースしてくださったんです。



[糸井]
そうでしたか。それは、それは。

[三谷]
ちょっといま、右目の血管がやぶれて、充血されているようですが。

[糸井]
充血。それは、それは。

[重岡]
‥‥すみません。

[三谷]
いつもはこんな感じじゃないんです。

[糸井]
いつも右目の血管がやぶれているわけじゃないんですね。

[三谷]
違います。いつもは充血してません。

[糸井]
なるほど、なるほど。

[重岡]
‥‥すみません。

[糸井]
そんな、右目の若干充血した重岡さんをまじえて、今日は話していきたいと思いますが。
ええと、どこからいきましょうか。

[三谷]
じゃ、僕と彼女の出会いからはじめましょうか。



[一同]
(笑)

[糸井]
いいですね。
じゃ、その回想シーンからはじめましょう。

[重岡]
あの、みなさん興味ないと思いますので‥‥。

[三谷]
重岡さんは以前、フジテレビの映画部にいらっしゃって、僕に「映画をつくりませんか?」と最初に言ってくださったチームのひとりなんです。

[重岡]
いえいえ、私のことは‥‥。

[糸井]
じゃあ、そのときの重岡さんの気持ちなんかをくわしくうかがっていきましょう。

[重岡]
いえいえいえいえ‥‥。

[糸井]
まじめな話、重岡さんからすると、当時、三谷幸喜という人が映画を監督していなかったのが不思議だったんでしょうね。

[重岡]
‥‥はい。

[糸井]
で、三谷さんにオファーを。

[重岡]
そうですね。
あの、当時、私は映画にずっと関わっていたんですけど、いい脚本に出会えることって、なかなかなくて。
いってしまえば、ボロボロの脚本を必死に映画にして、それを宣伝しなきゃいけない、みたいなことがとても多くて。

[糸井]
「ボロボロの脚本」(笑)。
いきなり本音を語りますね。

[重岡]
あ、すみません。

[一同]
(笑)

[三谷]
この方は、ほんと、そういう人なんですよ。
おとなしそうに見えますけれども、ものすごい武勇伝をたくさん持ってらっしゃる。

[重岡]
いえいえいえいえ‥‥。

[糸井]
興味があります。

[三谷]
すごく主張の強い方で、いい意味で。
とにかく、いろんな監督とぶつかる。 

[糸井]
いまも、その片鱗が見えましたね。

[重岡]
いえいえいえいえ‥‥。

[一同]
(笑)

[三谷]
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