[横尾]
糸井さんは、いま、いくつになったの?

[糸井]
61です。
ひとまわり違うんですよ。



[横尾]
ねずみなの?

[糸井]
ねずみです。
ひとまわり先に横尾さんがいるから、じつはぼく、すごく助かってるんですよ。

[横尾]
ぼくは、糸井さんを助けてるわけ?

[糸井]
(笑)いや、同じ干支で憶えちゃったもんだから、景色みたいな感じで、
「まだ12年後に横尾さんの年なんだから」と思いやすい、ということです。

[横尾]
そう。
同い年でも、亡くなってる人いるよ。
同級生なんかはたくさん亡くなってる。
自殺者もいるしさ。事故死とかさ。
波にのまれて死んじゃったヤツもいるしさ。



[糸井]
そうだ、おみやげがあるんです。
横尾さん、しょうがって好きですか?

[横尾]
ぼくは喘息だから、しょうがは、すごくいい。

[糸井]
しょうがをシロップ煮にして乾燥させたもの、作ったんです。

[横尾]
作ったの? なおいいね。
あ、においするね。

[糸井]
しますか。

[横尾]
うん、すごい。
どうやって作ったの?

[糸井]
皮をきれいにそうじして、スライスにして。

[横尾]
乾燥させるわけ?

[糸井]
煮たあとで乾燥させます。
しょうがを砂糖につけておくと水が出ますから、それにまたちょっと水を足して、香料入れて、煮ます。

[横尾]
香料は、なにが入ってるの?

[糸井]
クローブとシナモンと、カルダモンです。

[横尾]
いろいろ入ってるんだ。

[糸井]
紅茶に入れてもいいですし、そのままつまんで食べると、汗が出ますよ。
それほどからだがあたたまります。



[横尾]
ぼくは、チャイを作るとき、しょうがを入れるよ。
朝は、しょうがをすってお湯に入れて、しょうが湯を飲んでる。
今日はあったかいでしょ。昨日、寒いでしょ。
こういうときは、すぐ喉にくるわけ。
糸井さんも喘息だったでしょ?
治んないっていうじゃない、喘息は。

[糸井]
ぼくは、子どものときと、大人になってからと、2回喘息になってます。
いまは出ないですけどね。

[横尾]
ここ1週間くらい、調子悪いんだなぁ。
いちばん簡単なのはハワイだよ。

[糸井]
ハワイ行くと?

[横尾]
ハワイ行くともう、空港で瞬時に治るね。

[糸井]
ぼくもそうだったから、よくわかります。

[横尾]
アレ? なに? 喘息も出てない! っていう感じでさ。

[糸井]
山に行くのと、海に行くの、どっちがひどくなります?



[横尾]
両方とも行かないからわかんないよ。

[糸井]
喘息が、海に行くと出る人と、山に行くと出る人がいるんですけど‥‥

[横尾]
軽井沢に行ったとき、向こうにいる間だけ治ったね。
だから、山がましなのかな。

[糸井]
治るといいですね。

[横尾]
治らないよねぇ。うっとうしいよ。
しゃべるときに声が出ないからさ、黙ってるぶんにはいいけどさ。

[糸井]
じれったいですよね。

[横尾]
声が出ない、出しにくい、ということは、しゃべる内容と関連するね。

[糸井]
します、します。

[横尾]
めんどくさいというのか、ちゃんとしゃべりたくなくなるから。

[糸井]
ケガしてスポーツするようなことですからね。

[横尾]
声が今日もかすれてるんだよね。
こういうのがけっこうつらい。
しゃべるのに、力を入れなきゃいけないわけ。

[糸井]
ぼくは、喘息が出てる最中にテレビ番組に出ることがあって、二部構成の一部が終わったときに横になって、
「もうひと言も話すのは無理だ」と思った覚えがあります。

[横尾]
特にテレビとか、緊張するのが喘息によくないね。
テレビはもう、スタジオに入るだけで、建物見るだけで、緊張したりしてさ。



[糸井]
ところで、横尾さんの、最近出された写真集なんですけどね、あの‥‥びっくりしたんです、やっぱり。

[横尾]
そう。

[糸井]
横尾さんが撮ると、なに?

[横尾]
なに?

[糸井]
なんの効果がここに加わるんだろう?
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