以前、あるかたに手相を観ていただいたら、
「線がわしゃわしゃしてますね。
 寝言言うでしょ」って言われたんです。
うん。
確かに寝言は言うんですけど。
それって何で分かったのかなって思っていて。
その人は感情線で
読み取ったんじゃないかと思います。
自分が思ったことをストレートに表現できないと
心の中がちょっとわしゃわしゃしちゃうの。
そうすると眠ってリラックスしてるときに、
わしゃわしゃっと‥‥
寝言が出てきちゃう(笑)。
そういう読みだったんじゃないかと思いますよ。
手相を見る人っていっぱいいるんですけれど、
同じ手相見ても全員違うこと言いますよ。
ある意味で、手相はひとりひとりが何々流。
それは読み取る側がどう判断するか、
どう解釈するかっていうことだから。
もとはデータなのに?
いや、データでもないんですよ。
データでは、ない?
うん。データ取れないもん。
データじゃないんだ。
そう、データじゃないの。
よくマーコさん、
「わたしは線を読んでるだけよ」
って言い方もするじゃないですか。
それはデータを読み取っていると
解釈してました。
じゃあ、手相を観ることって‥‥
いちばん近いのはね、
いちばんかどうか分かんないけど、
やっぱりお天気予報。
へぇー。
現代のお天気予報は、
たしかにデータが軸になっているかもれない。
けれどもうんと昔の人が、
きちんとデータを取ったわけじゃなくても、
低気圧っていう言葉も知らなくても、
雨雲がこうやってきて、
こっちから風がこう吹いてて、
あの山の稜線がこう見えるから
明日はこういう天気になるんじゃないか、
夕焼けの色がこうだったからこうじゃないか、
この生暖かい風は‥‥とかって、
“感じて”読む。
そういうことじゃないかしら。
はい。
そして、手相っていうのは線だけじゃなくて、
手のかたち、爪のかたちとか、
姿勢とか、手の色つや。
それも全部手の相なんですよ。
だから手相イコールラインではないの。
ラインでもサインでもなくて、手の相。
「優しそう」とか「柔らかそう」
とか、そんな印象も。

ケーキには「おいしそう」って思うし、
お茶わん見ても、「割れにくそう」とか、
そんな「何々そう」っていうのは
誰もが感じ取れるもの。手相もそうなんですね。
そして、話が戻るけれど、
転機っていうのは、
やっぱり自分で呼び起こすもの!
はい。
自分で。
呼び起こすもの。
そして、それを前提に、
このことを言わなくちゃ。
「さあ、このまま先に進んでいいですよ」
っていうのと、
「あ、ちょっと待っていましょうね」
っていうことは、手相に出ます。
手のひらを横切る線が
たくさん出てるときはブレーキです。
ちょっと待ちなさいよ。準備しましょうね。
進む前にえっと超えなきゃいけない何かがありますよ、
っていうことなの。
手相に横切る線があまり目立たないときは、
さあ、思った方向に進んで大丈夫ですよ、
ということです。

自分がドライバーとして
どうハンドルを握るか、
アクセル踏むか、ブレーキ踏むか。
あるいは、どうナビを設定するか。
もう全部自分だと思ってていただいて。
自分しかいないんですよ、自分を変えるものって。

どんなことがあっても。

だから「よく変わりたい」って思いましょう。
転機を迎えるとしたらよりよい転機、
もっと自分の心が嬉しくなって楽しくなって
幸せになりたいっていうふうに
もうすごく、思うべきなんだと思う。

思ってる方向に人は進んでいくから。
ああ、やばい、やばい、やばい、
ここにいてこのままこんなことしてると
病気になりそう。ノイローゼになってしまいそう。
関係がもっと悪くなりそうって分かってて
そっちに行くと、ほんとにそうなっちゃうの。

うんうんうん。
はい。
ね。だから不安ていうのは、
わたしは「不安様」って呼んでて、
不安様。
不安様。
不安様、先に出てきてくださってありがとうーって。
ああ、不安様、うわ、こんなふうに不安感がある、
こうなったらどうする、嫌だ、絶対なりたくない。
だから先に不安様が出てきてくださったって
思うんですよ。
だから、最悪嫌な方向に行く前に気がついてよかった。
ああ、不安様がなければ行っちゃってたかもしれなーい、
って。何でも活用しちゃうの。
(つづきます)
2012-04-06-FRI

 
協力:anan編集部(マガジンハウス) 
手相イラスト:上田三根子 
そのほかのイラスト:ほぼ日刊イトイ新聞