令和ゆるゆる
2019-06-02
私がプロ・マジシャンになったのは、
昭和52年頃のことでしょうか。
ついこの間のように思えてしまう昭和。
続く平成もあたふたと過ぎ、
知らないうちに
令和の時代を迎えてしまったような。
最近、手荒れがひどい。
ヒビ、アカギレみたいなものが、手指に。
なんだか昭和のまんま。
令和の時代になり、思い出すのは
我が師匠のこと。
昭和に生まれ、テレビの大スターになった師匠。
昭和の後半に、あっさりと旅立った師匠。
あの頃は、昭和の幸福、
みたいなものがあったような。
師匠は、そんな昭和の幸福を私たちに見せつけ、
「お前たちも、その手につかめ」
そう熱く語っていたように思われてなりません。
豪華、豪遊、豪勢。
そんな昭和の幸福をつかみ取ろうと、
もがいた日々。
私も、師匠とともに昭和世代。
しかし、なぜか師匠を反面教師に、
普通が一番という幸福追求。
昭和の時代、
テレビに出る+有名+仕事が増える
=幸福な人生。
そんな公式があったような。
とにかく上を目指す。
まずは上へ、上へと。
平成の時代、永久に上へ上へと
上がり続けるわけにはいかないなぁとしみじみ。
令和の時代が始まったようです。
さて、自分サイズの幸福を見つけに、
ゆるゆると
自分の歩幅で歩き出すとしましょうか。
ー明るく軽く親切なのに。
ほんの少し悲しみの味がするのだ。
マジックというのが、もともとそういう
素性のものなのだろうか。ー
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