ライフ・イズ・マジック

人生はマジックだ、なんて言い方そのものが怪しいでしょ。
ひょっとしたら、マジックってのは、
宗教の種かもしれないし、驚きの商品化かもしれないし、
人類最古の情報産業だったりもして。

軽い笑いもとれるし、ちょっと好かれたり嫌われたり、
ひとつの国をまるごとだまし取るようなこともできる。
いま、マジックを考えたり感じたりするのは、
なんだかとても大事な気がするんですよ。

おおげさな紹介はよしましょう。
マジック・ナポレオンズのパルト小石さんです。どうぞ!

ナポレオンズのHPは
http://www.tvland.co.jp/napoleons/
e-mail:napoleons@tvland.co.jp

迷える小石

私は生まれながらの小心者である。
いつも、小さなことで悩んでいる。

今回の小さな悩みは、手指の荒れ。
あぁ、本当に小さい悩み。

右手の人差し指、少し、皮が剥けている。
左手のあちこち、皮が剥けていたり、
カサカサしていたり。

市販の薬を塗ってみたりすると、
少しだけ治るのだが、
お風呂に入ったりするとまた皮が剥ける。
ついつい、自分でも剥いてしまう。

この小さな悩みに追い打ちをかけるように、

「小石さん、今回はトランプのマジックを数点、
 収録したいのですが」

という仕事メールが‥‥。

小心者の私は、

「トランプのマジックは苦手なので、お断りします」

とか、

「実は指先が荒れており、みっともないので、
 なるべくボヤッと、
 ピントの合ってない映像にしてください」

そう頼んでみようかと、より小さく悩んだのだが、
そんな断り方が通用するとも思えない。

意を決してOKメールを返信し、
まずは皮膚科で診てもらうことにした。

皮膚科の先生「左手にタコみたいなものがあるわね。
       なんかスポーツしたとか?」

ぼく「はい、先日、ボウリングしました」

先生「そうなのね、でも、それなら
   右手にできるんじゃない?」

ぼく「ぼく、左利きなんです」

先生「あぁ、そうなの」

ぼく「実は近々、この手指が
   テレビに映るかもしれないんで、
   早く治したいんです」

先生「なるべく濡らさないで1日2回、
   薬を塗れば収録には間に合うと思いますよ」

ホッとしつつ、
今度はトランプ・マジックの練習が
間に合うかどうか小さく悩む、
迷える小石なのでありました。




明るく軽く親切なのに。
 ほんの少し悲しみの味がするのだ。
 マジックというのが、もともとそういう
 素性のものなのだろうか。ー
        糸井重里(帯コピーより)

「神様の愛したマジシャン」
著者:小石至誠
価格:1,365 円(税込)
発行:徳間書店
ISBN-13: 978-4198625429
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 種ありの人生と、種なしの人生と」

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