猫の日恒例のインタビュー、
今年は槇原敬之さんにお話をうかがいました。
長年たくさんの犬と暮らしてきた槇原さん、
「まさかぼくが猫の取材を受けるとは」と笑いながら、
ある日突然家族の一員になった
猫の「ドラミちゃん」のことや、
犬と猫がいる日々の暮らしを
たのしく語ってくださいました。
聞き手はふじたと、ドコノコチームのタナカです。

2.ひたすらかわいさを語る。

ふじた
ドラミちゃんという名前は、
どんなふうに決めたんですか?
槇原
それが、もともとドラミは仮名で、
あとで気の利いた名前を付けようと思っていたんです。
歌う猫、というのをYouTubeで見ていて、
それがこの種類の猫で、その子の名前が
「ドラミちゃん」だったんですよ。
「なんかいい名前だな」と思って、
「ドラミ(仮)」と呼んでいたんです。
ふじた
(仮)が付いていたんですね。
槇原
はい。
ぼくはたくさんの犬を飼ってきたので、
名前によって性格が変わるということを、
すごく実感していまして。
タナカ
え、名前でその子の性格が‥‥?
槇原
たとえば、うちにいたマリオという犬は、
ラテン系というか、そこら辺中のメスに
声をかけるような、
そんな感じに育ってしまって(笑)。
それで、やっぱり名前は慎重にならなくちゃ、
と思ったんですけども、
「ドラミ」が言いやすくなっちゃって、それでこのまま。
ふじた
かわいい名前ですよね。
あの、以前の槇原さんのツイッターに、
犬だったらごはんを出すとすぐ食べてくれるのに、
猫は食べない、どうしてだろう、という
投稿がありましたね。
槇原
そうそう、びっくりしたんです。
だって、犬たちは、出した瞬間に
うわーっと争奪戦のように食べるんです。
「え、猫ってこんなにのんびりしてるの」みたいな。
しかも、問題なのは、
猫のぶんまで犬が食べちゃうことなんです。

▲ドラミちゃんのごはんを狙ってる?

タナカ
猫のごはんが好きな犬もいるんですよね。
猫は基本肉食だからフードが高タンパクですが、
犬はそういうのもらえないから。
槇原
そう、本当においしいみたいで、
ばくばく食べているので「ダメ!」って。
そういうことをやっているうちに、
猫の居場所を作ってあげないといけないなと
思うようになりました。
毎回、何かあってから1つずつ考える、
みたいな感じです。
それで猫のごはんを高い場所に移動しまして。
タナカ
よかった。
高いところなら猫しか行けないから。
槇原
そうですね。
でも、それがですよ、最近、
犬のデビットっていうやつが、
そこに行けるようになったんです。
タナカ
嗅ぎつけた(笑)。
槇原
階段の上なんですけど、
犬って、奥に板のない、
向こうが見える階段が怖くて登れないんです。
なのに、その恐怖心を乗り越えて
上がろうとするんです。
だから今度は階段に柵を置いて何とか守ってあげて‥‥。
ふじた
攻防戦ですね(笑)
槇原
あ、攻防戦といえば、
トイレについても言いたい。
トイレに関しては、猫ってほーんとすばらしい。
もうスタンディングオベーションで称えたいですよ。
ふじた
一回で覚えましたか。
槇原
はい、一回で。
最初、普通のトレーを置いていたんですけど、
そこですぐにしてくれました。
でも、「すごい、やってくれたよ」なんて思ってたら、
またそこで犬のデビットが
敷いている粒々のものを食べようとするんですよ。
ふじた
ああ、猫砂を。
槇原
気が付いたら、モッシャモシャ食べていて、
「ああ、このトイレじゃダメだ」と思って、
扉と屋根が付いているトイレを見つけて、
じゃ、これにしてみようと買ったら、
それもちゃんと入ってくれたんです。
「うわー、猫、やっぱりすごいね」と思いました。
そしたら今度はその扉から首を突っ込んで、
またモッシャモシャ食べるやつがいて、
見ると、またデビット(笑)。
それで今度は
「上から入るトイレ」というのを買いまして。
ふじた
あ、見たことあります。
槇原
あれを作った人はね、すばらしい。
ふじた
上に出入りする穴が開いている、
ちょっと斬新な形のトイレですよね。
あれもすぐ使ってくれたんですか。
槇原
使いました。
猫というのは、自分のトイレのことを
よくわかっていると思いました。
ぜんぜん教えていないのに、不思議です。
あと、キャットタワーもかわいいのを買ったんですけど、
それを置いても、
しばらく登ってくれなかったんです。
でも何日か経って、ふと上を見て、
「わっ」となりました。
キャットタワーの上から
ドラミがぼくを見ていたんです。
ふじた
そういうときは、ちょっとたまらないですね。
槇原
たまらないですね。
「使ってくださった」みたいな。
猫って、そういう感じですね。
冷静に考えると、なんでこっちが
感謝しなきゃいけないんだ(笑)。
ふじたタナカ
(笑)
槇原
ただ、やっぱり犬の中で育っているので、
普通の猫よりはだいぶ犬寄りらしいんです。
ツアーのときは、
健康診断も兼ねて病院に預けるんですけど、
「いや、槇原さんとこの猫は、犬化してますね」
と言われて。
タナカ
犬化?
槇原
犬には何も威嚇しないのに、
猫が来ると威嚇するらしいんです。
シャーッてなるらしくて。
うちで怒ったところをあんまり見たことがなかったので、
ちょっと驚きでした。
ふじた
犬のほうが仲間で、
安全だと思ってるんですね。
あの、預けていて、
久しぶりに再会したときのドラミちゃんは
どんな感じなんですか?
わりとクールなんですか?
槇原
怒ってますね。
「ひとりにしやがって」みたいな感じで。
お医者さんも看護師さんも
かわいがってくれるんですけど、それでもやっぱりね。
それで、ぴょんと抱きあげると、
肩をこう、ぎゅうっと掴むんです。
「もう、降りません」みたいな感じになるんです。
ふじた
ぎゅうって。
かわいいですよね、手。
槇原
手、かわいいですよね、猫ってね。
不思議なのは、
預け先の病院に迎えに行くと、
ぼくの姿がまだ見えないうちから
気配でわかるみたいで、
ニャーニャー鳴きはじめるんです。
いくらぼくが変装してもぼくだとわかるし。
たぶん、犬とか猫って、人間には見えない、
なにかを感じているんだと思います。
ふじた
ああ、わかる気がします。
槇原
ただぼくが失敗しちゃったのは、
よく動画とかで猫とチュッチュッって
してる人たちがいるじゃないですか。
あれ羨ましいんです。
ぼく、最初にミスっちゃったのか、
口を持って行くと「嫌だ」ってよけられるんです。
あと、「踏み踏み」をしに来るときも、
普通だったら飼い主のお腹とかで
「踏み踏み」するじゃないですか。
なぜかドラミは、ぼくの横でやるんです。
タナカ
場所を間違えてる(笑)。
槇原
あのう、もうちょっと
こっちなんだけど‥‥って(笑)。

(つづきます)

2019-02-23-SAT

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