4.槇原さんから逆インタビュー。
- ふじた
- 槇原さんは、ドラミちゃんの写真を
ときどきツイッターに載せていますけど、
猫はじっとしているから撮りやすい、
と書かれてましたね。
- 槇原
- そうなんです。
なんか犬は、カメラを向けると嫌がって、
プイッてするんですよ。
- タナカ
- 犬は基本、目を合わせることを
嫌がるらしいです。
目を合わす=敵視してる、
ということになるみたいで。
- 槇原
- あ、だから、犬同士はぼくを挟んで
両サイドで寝るのかな‥‥。
目を合わせないように。
こんなに犬を飼ってるのに、いまはじめて知りました。
- ふじた
- タナカは犬猫のことにとても詳しいんです。
- 槇原
- すごい、いろいろ聞きたい。
- タナカ
- いえいえ。
でもぼく、犬と暮らしているんですけど、
猫と暮らしたことはないから、猫のことは
あまりわからなくて。
- ふじた
- でも、すごく勉強してますよね。
タナカのデスクの端から端まで、
犬猫の本がびっしり並んでるんです。
- 槇原
- ああ、すばらしい。
- タナカ
- 数だけで言うと猫の本のほうが多いんです。
知らないぶん、勉強しなきゃという気持ちがあって。
でも、人に言われたのが、
「タナカさんって犬の話をするときは
感情が入った話しかたをするけど、
猫の話をするときは数字で言いますよね、
統計上は‥‥みたいに」って。
- 槇原
- (笑)いや、わかります。
ぼくもドラミが来るまではそうでした。
やっぱりわからなかったので。
あの、猫を飼うのおすすめしますよ。
ちょうど犬が持ってないものを猫は持っていて、
猫が持ってないものを犬が持っていて、
あ、ちょうどバッチリだな、
みたいな感じになります。
犬をこんなに飼ったぼくが言うので、ほんとです。
- タナカ
- いま、単身赴任中で、犬は広島にいるんですけど、
こっちにも犬が来られるように
犬猫オッケーなマンションに住んでるんです。
そしたら最近「東京で猫を飼えばいいじゃん」
とよく言われるんです。
いや、それはちょっと‥‥。
- 槇原
- ちょっと後ろめたい。
- タナカ
- なんか‥‥現地猫みたいな‥‥。
- 一同
- (笑)。
- タナカ
- たとえば休みで広島へ帰るときに、
その猫は預かってもらって広島に帰って、
犬が「父ちゃん、おかえり」って来て、
「くんくん、この臭いは?」とか言われたら、ちょっと‥‥。
- 槇原
- 「誰?」みたいな感じでね(笑)。
- タナカ
- ただ、ぼくは仕事で犬猫のことをやっていますし、
もっと猫のことを知りたいんですよね。
「ドコノコ」という、犬猫の写真を投稿できる
アプリのチームにいまして。
- 槇原
- あ、ドコノコ!
知ってます。
- ふじた
- えっ、うれしいです。
- 槇原
- なんかいい写真があったら出したいと
思っていたんですけど、
まだやったことはなくて。
- タナカ
- いやもう、知ってくださってるだけで
うれしいです。
- ふじた
- タナカは、いつも犬猫のことを考えていまして、
休日は自転車で
迷子猫とか迷子犬の捜索をしているんです。
- 槇原
- それ、めちゃくちゃいい人ですよ。
- タナカ
- いつもは1人で近所をまわっているんですけど、
今日はこの後、となりの県で迷子捜しです。
これはドコノコとは別なんですけど、
個人的にプロのペット探偵にプチ弟子入りしてまして。
- 槇原
- うわー。
あの、ぼく、逆インタビューしたいんですけど、
いいですか。
そういうペット・ディテクティブ
みたいなことって、やっぱり猫が多いんですか。
- タナカ
- 猫、多いですね。
「ドコノコ」で迷子掲示板という
機能があるんですけど、
だいたい、猫8割、犬2割です。
- 槇原
- やっぱり、猫は外に行く習性があるんですかね。
ペット探偵ってどんなふうに捜すんですか?
- タナカ
- (住宅地図を広げて)
この後行くんですけど、
ここのお宅の猫が迷子になっているんです。
周りを捜したけど見つからなくて、
探偵さんに依頼をしたそうなんです。
どうやって捜索を進めるのかを
ずっと横で見させてもらっています。
- 槇原
- はぁ~。すごく興味深いです。
- タナカ
- まず、猫のプロファイリングをするんです。
どのぐらい警戒心が強いかとか、
帰ってこない理由が何かを性格から想定して、
このあたりだ、という区画に目星をつけて、
チラシをポスティングします。
だいたい6時間で2000枚ぐらい。
探偵さん、その業界で有名な
ペットレスキューの藤原さんというかたなんですけど、
中学生のときに家出されてて、
1年間、土管とかで暮らしていたらしいんです。
- 槇原
- え、なんと!
- タナカ
- そういう野外生活のなかで少年が過ごす場所って、
日当たりがよくて風がない場所なんですって。
つまり土管とか、薮の中で日が差すところ。
で、そういうところに猫がいるらしいんですよ。
- 槇原
- へえー!
家出少年と猫の心理状態って一緒なんですね。
- タナカ
- はい。しかも闇雲にチラシを配るわけではなく、
配り方もすごくロジカルなんですよ。
チラシを配るときの歩きかたも指導されて、
足に力を入れたら疲れるからダメ、とか。
- 槇原
- どうやって歩くんですか。
- タナカ
- えっと、
「ヘソ前にボールがあって、それを前に引っ張られる
イメージで、股関節で歩け」と言われました。
ぼくはまだできてないですけど、
(立ち上がる)
こんなふうに前傾になって‥‥。
- 槇原
- (立ちあがる)
あ‥‥こうか。犬の散歩に役立ちそう。
いろんなノウハウがあるんですね。
- タナカ
- チラシも効果があったようで、
目撃情報が入って、今日は目星の付いた場所に
捕獲器をセットしに行くんです。
- 槇原
- なんか、ちゃんと目撃情報が入ってくるという
世の中だというのがうれしい。
- タナカ
- そうですね。
ドコノコにも、ものすごく入ってきます。
こんなふうに‥‥。
(ドコノコの迷子掲示板を開く)
- 槇原
- え‥‥この子も、この子も?
迷子って、こんなにいるんですか。
- タナカ
- ええ、います。
たとえば、いま、この子の掲示板を開くと、
120人のかたがウォッチしてくださって、
「似た猫がいた」というコメントがあったり、
「この子、違いますか」って写真が貼られたり。
- 槇原
- めちゃくちゃあったかい‥‥。
- タナカ
- あったかいんです。
ただ、東京で迷子が出て、
北海道の人が知ったとしても、
「頑張ってください」みたいな
励ましのコメントしか送れないんですよね。
だから「ドコノコ」では、いなくなった子の
迷子掲示板を見られるのを、
10キロ圏内の人だけに限定しています。
- 槇原
- ああ、たしかに。
なんか、こうやってスマホを活用するって、
いまの時代にあった捜しかたですよね。
- タナカ
- そうですね。
いちばんは迷子にさせないようにすることですが、
万一のときのために備える活動も進めてまして、
ドコノコのプロフィール欄に
身長や特徴、写真を入れておくんですね。
そうすると万が一迷子になっても、
その内容を元に迷子チラシの印刷データが
自動で作れるんです。
そのデータを持ってコンビニに行けば、
チラシができます。
迷子捜索は、初動がとても大事なんです。
- 槇原
- ほえー!
そんなことまでできるんですか。
- タナカ
- まだ実現できていないことも多いんですけど、
いろいろやってます。
さきほどの、探偵の藤原さんから
ノウハウを学んでいるのも、
「ドコノコ」のユーザーさんに共有したいからなんです。
チラシの配りかたひとつとっても、
効率が全然違うので。
- 槇原
- なんか、もう、大社会貢献じゃないですか。
‥‥あの、ぼくのホームページから
ドコノコにリンクって、貼れませんかね?
- ふじたタナカ
- え?
- 槇原
- いや、うちも犬とか猫を飼っているので、
なんかすごく感動して‥‥。
そういうことでよければ、
ぜひやらせてほしいな、って。
- ふじた
- ええ、いいんでしょうか。
‥‥思ってもみなかった展開です。
- 槇原
- ぜひ、ぜひ。
あとで相談させてください。
- タナカ
- ‥‥もう、すごくうれしいです。
ありがとうございます。
(つづきます)
2019-02-25-MON