CAKE

 
 
桜、舞い散る頃の‥‥。

桜の花びらだけが、まだ、どこからか
風に舞って、ひらひら落ちてきたりしますね。
桜の菓子を書こうかな〜、と思ってるうちに
季節は逝ってしまいました‥‥。
また、来年ね♪

と、言いつつ──
桜漬けって、どうですか?
桜湯や、桜饅頭とかの上に乗ってたりする
あの、桜の塩漬けです。
味覚でも桜を満喫したいという思いは、
分からなくも‥‥ない気もするけど、
どーなんだろー、塩漬けってのは。
ヘタっとしてるし、塩漬けにされた桜。

どんな桜菓子でも、“桜”っていうより、
“桜の塩漬け味”な気がして、あまり食指が動かない
現実なのです。
確か、結婚式とかでも出るんですよね、桜湯。
「あ、マズ‥‥!」とか思わないのかな、花嫁さん。
正装してる時にマズいもの、食べなきゃならない
って、最も過酷じゃないですか‥‥多分。
まぁ、モリモリ食べる花嫁さんって、あんまり
いないからいいんでしょうけど。
逸れましたけど、来年に向けて探索してみますね、
桜菓子?

ここまで季節を視野に入れたかのような
書き出しをした割りに‥‥と言いましょうか、
したから気が済んだのかもしれません。
今回は季節感とか旬とか、ほとんど関係なく、
永久不滅的に普遍な香りの漂う‥‥鳩サブレです。

すっごく食べたくなること、ありませんか?
あの、オーソドックスな味とデッカくて平たい
鳩のクッキー。
あの鳩、「いいの‥‥?」と思うほど、平面的ですよね。
だから、こんなに普遍的な
菓子になったのかもしれませんが。

ただ‥‥もしかして、また全国区と思い込んでる
私の独りよがりじゃないですよね?
色んなデパートでも扱ってますもんね。
以前、書いた「ありあけのハーバー」も本気で
全国津々浦々と思っていましたし、菓子じゃない
けど、サンマー麺ってラーメンも横浜限定のもの
と知らず、30年いや40年近く生きてました。
(因に、八宝菜が醤油ラーメンの上に乗ってる、
 あんかけっぽいラーメンです。)
だから、“そうと知らないだけの思い込み”に
臆病になってる面はありますが、
鳩サブレの場合は違いますよね。

ものすごく食べたくなることがあるのです‥‥
なぜか分からないけど。唐突に。
鳩サブレと崎陽軒のシウマイくらいです。
この突然具合は。
だから、どこがどう魅力的な菓子だ、とか
上手く書けないのですが、
この王道さ、オーソドックス加減は
他に例を見ない強さかと拝察します。
鎌倉も、もう春から初夏へと移ろう頃ですね。
では。

わたなべ まり


 

鎌倉の鳩サブレ屋さん
豊島屋の店員さんのネクタイは
遠くから見ると水玉柄ですが
近くで見ると鳩柄です。

(オオスミ)

 

2006-04-19-WED