今年も散ってしまいますね、桜。
蕾がほどけかけたかな、と思ったら
はらはらと枝から枝へ開いていって、
あっと言う間に三分咲き、五分咲き、満開になって。
場所によっては、まだまだこれからのところもあるか
と思いますけれど、
都内近郊の桜の花びらは、もう舞い始めています。
散りぎわの潔さ、美しさに惹きつけられると言いますが、
小さな花びらをピンと張って、
目一杯、咲く姿も潔さこの上なく。
ひたすらに咲いてこそ、心置きなく散っていけるのかも
しれませんね。
桜咲く下で、いろんな変化が訪れる季節、
どこの町でも、別れや出会いを桜が静かに頭上で見ていて
くれるのは…とても普通の風景だけれど、
とても幸せな季節の巡りという気がします。
桜にまつわる思い出や場面は、それぞれに
そっと想いのどこかに宿り続けるのでしょうね。
幼稚園くらいの頃、茶会に行く祖母について行っては
お菓子をいただいてました。お懐紙に包んで自分の分も
持たせて下さる祖母の友達もいらしたり、春先の茶会は
幼心にも優雅で豊かな場所でした。
食べるのがもったいないナ‥‥と思う割りに、
必ず食べてた綺麗な和菓子を茶会に届けていたのが、
鎌倉の「美鈴」という老舗でした。
目にも鮮やかな和菓子は、今も健在です。
春の和菓子は、格別ですね。
良いお花見を。
わたなべ まり |