CAKE

 
 
桜咲く和菓子

今年も散ってしまいますね、桜。
蕾がほどけかけたかな、と思ったら
はらはらと枝から枝へ開いていって、
あっと言う間に三分咲き、五分咲き、満開になって。
場所によっては、まだまだこれからのところもあるか
と思いますけれど、
都内近郊の桜の花びらは、もう舞い始めています。

散りぎわの潔さ、美しさに惹きつけられると言いますが、
小さな花びらをピンと張って、
目一杯、咲く姿も潔さこの上なく。
ひたすらに咲いてこそ、心置きなく散っていけるのかも
しれませんね。

桜咲く下で、いろんな変化が訪れる季節、
どこの町でも、別れや出会いを桜が静かに頭上で見ていて
くれるのは…とても普通の風景だけれど、
とても幸せな季節の巡りという気がします。
桜にまつわる思い出や場面は、それぞれに
そっと想いのどこかに宿り続けるのでしょうね。

幼稚園くらいの頃、茶会に行く祖母について行っては
お菓子をいただいてました。お懐紙に包んで自分の分も
持たせて下さる祖母の友達もいらしたり、春先の茶会は
幼心にも優雅で豊かな場所でした。
食べるのがもったいないナ‥‥と思う割りに、
必ず食べてた綺麗な和菓子を茶会に届けていたのが、
鎌倉の「美鈴」という老舗でした。

目にも鮮やかな和菓子は、今も健在です。
春の和菓子は、格別ですね。



良いお花見を。




わたなべ まり

 

2008-04-06-SUN