気がつくと、6月‥‥
何度、こんな書き出しをして
空いた時間を思う感じを出そうとしてきただろう‥‥。
出ないのですが、思う感じなど。
それ以上に、思っても思わなくても
空いた時間自体せばまらないし。
それ以前に、“気がつくと”って感覚、
書いといてナンなのですが、便利に使ってるつもりでも、
本当にあるかというと
個人的には実感として無いのですが、
どんなでしょう‥‥?
高校の先輩が
「本に没頭してる人に近づいた時、
『えっ! 何?』って
声かけられるまで気づかないってケース、
ほんとにあるかな?
あったら幸せだな〜」
なんて話してたことがあって、同感でした。
視野の死角はあるし、時間軸で見たド忘れもあるけど、
かなりそっと近寄られない限り
「あぁいたの〜!」なんて
ドラマみたいな状況も無ければ、
ここで今度どんな菓子を書こうかなぁ〜という思いも
基調音みたいにいつも頭のどこかにあって、
到底“気がつくと”なんて感覚、
自然に抱いたり出来ない気もするのが本音です。
前置きが長くなりましたが、
長らく空けて失礼いたしました。
梅も丸々と青く実る時期になりました。
青梅の香りというのは、清々しくて少し甘くて、
梅雨の湿った空気に溶けると一層、匂い立つものですね。
そのまま食べると毒というのも、魅力的な果実ですね。
初夏に実る果実は多くて、漬けたり、ジャムにしたりと
小さな日常の中でささやかな収穫に
バタバタ過ごす最近です。
ボロジーンズにトレーナーで
木に跨がりながら実を穫ってる自分を
ちらっと客観視する瞬間、
どうなんだろう‥‥と思いながら、
せっせと勤しんでいます。
収穫期を過ぎてしまった橙が、
いくつも枝にしがみついていて
ここ数日で穫って洗って絞って刻んで
マーマレードにしなきゃナ〜
と焦ったりもしてる中、
おいしそうなタルトがあったので
代わりに載せます。
駒沢公園近くを通ると
必ず立ち寄りたくなるケーキ屋さんで
シェフの気まぐれケーキにオレンジタルトがありました。
以前は、マーマレードの
どこが美味しいんだか全く分からなかったのですが、
大人になったって言うんでしょうか、
皮ごと煮詰めた香りも、噛んだ時の苦さも
ジャムの中では気づいたら
最も好きなひとつになっていました。
こんなふうに焼き菓子にもできたら、
果物も実った甲斐があったってものだろうな、
と思いつつ。
文字通り、シェフの気まぐれなので
常には置いていない分、
いつもある菓子も載せますね。
焼き菓子のおいしさをギュっと小さい身に詰めてる
“ポンヌフ”という菓子です。
デザインも可愛くて、ポッと気持ちが和む
菓子の真髄のような。
まだ梅雨空が続きそうですが、
雨模様も楽しまれますよう。
わたなべ まり |