初夏には、赤い果実が多く実りますよね。
すももとか、すぐりとか、さくらんぼとか。
梅雨のしとしと降る雨に洗われて
小さい宝石みたいにキラキラしてる実も可愛いし、
梅雨明けの夏空のもと、
葉影で輝いてるのも綺麗ですよね。
小さい頃から、初夏には毎年、
祖母からすももが届いていました。
祖母自身が無類の果物好きなので、
おいしいと思ったら身内に送り届けるという
孫にとっては有難い癖があったみたいです。
岡山の志ほやというお店から、
ひとつひとつ紙に包まれた
すももが箱一杯に届くと部屋中に良い香りが広がって、
幼い頃のふんわりとした幸せな夏の記憶が、
いつも呼び起こされました。
前回、書いたようにその祖母も
静かに療養する日々を送っていますが、
今度は自分で取り寄せて祖母に見せてみようと、
何年かぶりにすももを取ってみました。
コロンと可愛い姿に、久しぶりに癒されました。
こんな小さな赤い実にも、
家族の記憶や幸せは宿るのだなぁ‥‥と
しみじみ思った夏の入り口でした。
爽やかな初夏を。
わたなべ まり |