CAKE

 
 
パリの香り‥‥。


駆け足で、パリに行ってきました。

仕事柄あまり海外に行かないのと
(海外というより室外に、
 の方が正しいかもしれませんが)
腰が重いのも相まって、
数えてみたら、休暇としては
12年ぶりくらいの海外旅行でした。
(そういえば最近、あまり
 “海外旅行”って言いませんよね?)

パリに住む友達を訪ねてきました。
不思議なものですね~、場所も時間も全然ちがうのに
再会すると一瞬でパッと
そのままの空気に立ち返るというか。
オペラ座を曲がったところの街路樹が
色づきかけた洒落た街角で
久しぶりに後ろから膝をカクンとされて振り返ったら、
以前のままの笑顔がありました。
会いたい友達があるというのは、
両手で数えてみたらそんなにはないかもしれない
大きな幸せのひとつですよね。

何年ぶりかでせっかく行くのだから‥‥! となると、
貧乏性というのか欲が張ってるというのか、
この際、両親も連れて行ったらいいんじゃないか? とか
友達も一緒にどうだろうか? とか、
てんこ盛りになっていくわけです。
しかも、これだけ海外に行ってなかったということは
多分また暫く行かないことも容易に想像できるので
余計に「じゃあ、この際‥‥」感が増していくわけです。
で、詰め込めば詰め込むほど、
思い描いていた優雅な休日は遠ざかっていって、
ものすごい二律背反の渦に
気づくと巻き込まれてる自分がいたりします。

あっという間に過ぎてしまった数日でしたが、
石畳を駆けながら
スーパーで見つけて買ったチョコレートが
ぽつんと手元に残ってます。
これだけが、本当にパリに行ってた時間のかけらみたいな
記憶を繋ぐ破片みたいな気がして、
しみじみ綺麗な包み紙の束を見つめてしまいます。

優雅に外国の休日を楽しめるようになるのは
もしかしたら、ずっと先かもしれませんが、
いつか‥‥と夢見つつ過ごすのも、
なかなか手頃な愉しみかなぁ~とも思ったり。
そうこうしてるうちに、また年の瀬が近づいて、
またお正月が来ますね。
東京では木枯らし1号も吹いたとか。
どうか、よい冬を。

 

わたなべ まり

追伸:
東京に帰ってきたら、雑誌に
「デパートの地下にパリのチョコレート屋初出店!」と、
↑の板チョコたちが載ってました。
パリに行かなくても買えるのは嬉しいけれど、
値段が倍以上で、喜んでいいのか悲しんでいいのか
微妙な心持ちです。

ただ、東京に帰ってきてから、
パリ発のおいしい菓子を見つけたりして、
嬉しい反面なんだか悔しい気もするので報告しますね。
(帰ってきてすぐ、また菓子屋に行ってるなんて、
 何してるんでしょう?自分でも‥‥)

toraya

toraya

和洋折衷というのは
かなり難易度の高いジャンルになるかと思いますが、
栗と白餡がうまく奏で合っていてさすがです。
やっぱりおいしい菓子に会うと大袈裟ですけど、
感動しますね。
では。

 

 

2010-11-05-FRI