ひんやりした菓子の続きに
なにか、ないかな〜? と思って歩いていたら、
足が止まりました。
そういえば、此処で立ち止まらなかったことは
無いな‥‥と今更ながらに思いました。
木村屋総本店の前は、なんともいえない
甘い香りが石畳まで漂ってきて
吸い寄せられるように、
す〜っと店内に入ってしまいます。
小ぶりのあんぱんがコロコロと行儀よく並ぶ
木枠のガラスケースの前に立って
今日はどれにしようかなぁ〜と思う時は、
多分ものすごく幸せで。
いつ買っても、ほんのり温かく
手のひらに収まるようなあんぱんの匂いと
少しズシッとくる重さは、
大袈裟に言えば、疲れとか煩わしさとか
そんなものを全部、払拭してくれるような気がします。
というか、あんぱんは凄いですよね。
パンでもあり、菓子でもあり、最強の存在です。
で、話を戻すと、
足が止まったのは(止まるのは、いつもなんですが
今回はという意味で)、
“カルピス”の文字が目に入ったからなのです。
──カルピスといえば、ものごころつかない頃から
好きでたまらない飲み物でした。
以前、ここでも白状したことがあったかもしれませんが、
お中元に味噌や油が届く度にガッカリしていた
3、4才の頃、
(なんてバチ当たりな!
と大人になった今は思いますが、
当時は全身全霊、真剣でした‥‥。)
「カロピスにしてください」
と折り紙の裏に書いて近所のポストに
入れようとしたところを
母に阻止された苦い経験があるほどです。
(無論、宛名など書いてなかったので
何も起こり得なかったのですが。)
そのカルピスと木村屋のコラボ!? らしいのです。
凄いです。
プレーンカルピスのクリームと
白桃カルピスクリームだとか。
ちょっと冷やして食べると、これまた格別でした。
和光の時計やクリスマスのミキモトのツリーと
同じくらい、
木村屋ビルのでっかいあんぱんの看板で
銀座を満喫する私としては
充実感で満たされた週末でした。
台風とともに大暑も過ぎましたが、
おそらくこれからが厳しい盛夏かと。
良い夏を。
わたなべ まり |