今年も、クリスマスが来ました。
この季節は、もしかしたら一年のなかで
一番あったかさを感じるときなのでしょうね。
どんな贈り物がいいかな? と考える時間とか、
窓ごしに見えるツリーの灯りとか、
キラキラしたイルミネーションを見上げながら
吐く息の白さとか、
帽子や手袋の毛糸の間にたまる空気が
だんだん温かくなっていく感じとか。
ここでなので、
クリスマスなので、
いつわらない本音を書いてしまうと、
父のいない初めてのクリスマスは
何かが違うんだなぁ‥‥と感じます。
16年間自宅で療養して、今年2月に逝った父。
54回目の結婚記念日を母の隣りで過ごした翌日、
すっと旅立った父。
夫婦喧嘩もよくしてたけれど、
仲がよくて離れたことのなかった母の体調を考えて、
訃報の周知も控えました。
こんな仕事柄なのに、すみません‥‥と
心中お詫びしながら。
ひとり娘が47歳にもなるまで守ってくれたので、
文句も言えないのですが、
寝ていても、喋れなくても、
娘の声には頭を回して、見えないはずの目を
最後まで向けようとしてくれていた父。
身体のなかに心という場所があって、
そこを大切なピースが集まって
つくっているんだとしたら‥‥
大切な人とか思い出とか夢とか、いろんなピースが
宝箱みたいに寄り集まってつくっているんだとしたら‥‥
その1コがなくなってしまうと、
何をもってきても、それは埋まらないものなんだなぁと
感じるクリスマスなのです。
あ、しんみりさせていたらすみません。。。
(そんな文章力もないと思いますが。)
そしてこのケーキ、父の思い出に‥‥とオーダーして
書こうと思ったら、結構、値が張ったことも白状します。
質素倹約を旨とする横浜商人3代目の私としては
父の思い出と言いながら、
父本人にシブい顔をされそうな気配も感じます。
でも、父と母が結婚式を挙げた
思い出の横浜ホテルニューグランドの
(ついでに私の時も便乗して
結婚の食事会をここでしたのですが)
フルーツケーキ。
このまま、ほぼ日のみなさまに日頃の感謝をこめて
クリスマスの差し入れとしてお届けしようと思っています。
これ1本、全部うちで食べるのは
どうかな〜という気もするし、
これ1本食べきる度胸もないので。。。
小さい頃、ただ「わ〜い!」と楽しんでいたクリスマスは
こうして、誰かのいないことを身体のどこかで感じながら、
誰かと過ごした時を思い出しながら過ごすクリスマスに
なっていくんですよね。
このあとも年々、こういう思いは増えていくはず。
それが歳を重ねることなんだと実感するけれど、
逆に言えば、それは誰かに幸せをもらっていた証明なので
そんな淋しさも大切に胸に抱きながら、
この時期を過ごそうと
今日も忘れず菓子を食べたりしています。
どうか、温かな良いクリスマスを!
わたなべ まり
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