今年も、クリスマスが来ました。
![](IMAGES/20141223/SDIM2167.jpg)
この季節は、もしかしたら一年のなかで
一番あったかさを感じるときなのでしょうね。
どんな贈り物がいいかな? と考える時間とか、
窓ごしに見えるツリーの灯りとか、
キラキラしたイルミネーションを見上げながら
吐く息の白さとか、
帽子や手袋の毛糸の間にたまる空気が
だんだん温かくなっていく感じとか。
![](IMAGES/20141223/SDIM2145.jpg)
ここでなので、
クリスマスなので、
いつわらない本音を書いてしまうと、
父のいない初めてのクリスマスは
何かが違うんだなぁ‥‥と感じます。
16年間自宅で療養して、今年2月に逝った父。
54回目の結婚記念日を母の隣りで過ごした翌日、
すっと旅立った父。
夫婦喧嘩もよくしてたけれど、
仲がよくて離れたことのなかった母の体調を考えて、
訃報の周知も控えました。
こんな仕事柄なのに、すみません‥‥と
心中お詫びしながら。
ひとり娘が47歳にもなるまで守ってくれたので、
文句も言えないのですが、
寝ていても、喋れなくても、
娘の声には頭を回して、見えないはずの目を
最後まで向けようとしてくれていた父。
身体のなかに心という場所があって、
そこを大切なピースが集まって
つくっているんだとしたら‥‥
大切な人とか思い出とか夢とか、いろんなピースが
宝箱みたいに寄り集まってつくっているんだとしたら‥‥
その1コがなくなってしまうと、
何をもってきても、それは埋まらないものなんだなぁと
感じるクリスマスなのです。
![](IMAGES/20141223/SDIM2158.jpg)
![](IMAGES/20141223/SDIM2168.jpg)
あ、しんみりさせていたらすみません。。。
(そんな文章力もないと思いますが。)
そしてこのケーキ、父の思い出に‥‥とオーダーして
書こうと思ったら、結構、値が張ったことも白状します。
質素倹約を旨とする横浜商人3代目の私としては
父の思い出と言いながら、
父本人にシブい顔をされそうな気配も感じます。
でも、父と母が結婚式を挙げた
思い出の横浜ホテルニューグランドの
(ついでに私の時も便乗して
結婚の食事会をここでしたのですが)
フルーツケーキ。
このまま、ほぼ日のみなさまに日頃の感謝をこめて
クリスマスの差し入れとしてお届けしようと思っています。
これ1本、全部うちで食べるのは
どうかな〜という気もするし、
これ1本食べきる度胸もないので。。。
![](IMAGES/20141223/SDIM2156.jpg)
小さい頃、ただ「わ〜い!」と楽しんでいたクリスマスは
こうして、誰かのいないことを身体のどこかで感じながら、
誰かと過ごした時を思い出しながら過ごすクリスマスに
なっていくんですよね。
このあとも年々、こういう思いは増えていくはず。
それが歳を重ねることなんだと実感するけれど、
逆に言えば、それは誰かに幸せをもらっていた証明なので
そんな淋しさも大切に胸に抱きながら、
この時期を過ごそうと
今日も忘れず菓子を食べたりしています。
どうか、温かな良いクリスマスを!
わたなべ まり
![](IMAGES/20141223/SDIM2160.jpg)
|