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こんなふうに書くのは、 はじめてなのですが、 どうにも、やりきれない気持ちの ここ、ふた月ほどです。 いつだったか、ほぼ日10周年くらいだったかな、 「現身(うつしみ)で、なにがあっても この部屋では、菓子のことをつづります」みたいな 文章を寄せたのですよね。 実際、今もそうなんです。 ただ、ただ、菓子のことだけ書いていたい。 (すみません、読んでいただく側は食傷気味かも。) でも。。。 2月に、我が家の7歳半のセントバーナードが 急逝しました。 ひと月後の3月に、溺愛してる12歳のネコが 逝きました。 仕事でなにがあったとか、 家の事情がどうだとか、 人間関係とか、 それはそれでゼーゼー息切れすることもありますけど、 動物の家族との別れだけは。。。 どうにもなりません。気持ちが。 セントバーナードはスイスアルプス発祥の種だけあって kiriのチーズが大好きでした。 たくさんほしがるけど、そんなにはあげないように、 ちょこちょこ、一緒に食べたりしてました。 ▲アビーとKiri。 おっとりだけど、頑固。マイペースだけど、繊細な女子。 いや、彼らのことを過去形で書くのも まだ、すごく違和感があるというか。。。 なにが言いたいかというと、 そんな心理状態なので、ごめんなさい、ということだけ お伝えしたくて。 ここでは、ちらっとわかっていただいた方がいいかな、 と思って、打ち明けました。 前回、前々回のマリーな部屋も、 書きたくて書いてるのだけど、 どこかで平静を装いつつ、押し隠してることに ちょっと無理がありました。 バレンタインのときは、 福田さんのチョコレートの可愛らしさに 助けられましたし、 ひな菓子のときには、 土楽の福森さんちの白い秋田犬、ヤンが眠る うつくしい裏山を想って書きましたけれど。 でも、せっかく この部屋に来てくださる方には、 こんなふうに気持ちを押し殺しながら 接するのは申し訳ないし、嫌だ。。。と 思う自分がいます。 かといって、 打ち明ければいいってものでもない、とも思うので 白状するか、迷ったのですけれど。 前に、 わたしにとってはソウルメイトのような チワワを亡くしたことがあって、 その2017年4月から半年くらいは どうにも書く気になれなくて、 なにを書いていいのかもわからなくて、 振り返ってみると、この部屋の更新が えらくイレギュラーなのですよね。 今は、 そんなふうにしたくない気持ちもあります。 だから、ちょっとメンタルがよくないです、 それは、こんな理由でして、 といいわけした上で、またゆるゆると やっていこうと思っています。 コージーコーナーのkiriのチーズケーキ、 うちの子が逝ってから ショーケースで見かけて、 kiriの文字につい足がとまりました。 きれいな景色をみても、 すてきな音楽を聴いても、 花が咲いても、散っても、 ふいに何かを思い出しても、 蛇口をひねったみたいに涙が出てきて、 ヒトの体はほとんど水分なんだなぁ なんて、妙に感心したりしてます。 それでも、仕事のときと、 家事をしてるときなんかは スイッチングできてる(気がする)自分を 不思議に思いつつ、安心したりもしてます。 こういうときは、体を動かすのもひとつですよね。 あと、イトイさんの 「かならず先に好きになるどうぶつ。」を読んだり、 横尾忠則さんの「タマ、帰っておいで」を眺めたり、 伊集院静さんの「さよならの力」を買ってみたり、 城山三郎さんの「そうか、もう君はいないのか」にも 助けを求めたり。 (これは、奥様への愛惜の回想録ですけれど) でも、 この悲しさも淋しさも、 それほどの愛情と幸せをもらっていたことの 証だから 流す涙もふくめて、ぜんぶ彼らとの時間。 めいっぱい、それを感じていたい気もしています。 そして、 つかれた身体を離れた彼らが、 わたしの心の奥に、ずっといてくれることも 感じるので、 わたし自身も、だんだん平常になっていくと思ってます。 そんなわけで、今回は 「ちょっと、タイム」みたいな白状の回でした。 エイプリルフール、 あんまり意識したことなかったですけど、 ぜ〜んぶウソだったら、いいのになぁ〜〜 なんて、つい思う日です。 それから、ほぼ日に遊びに行ったとき、 たくさん可愛がってくださったこと、 ほんとうに、ありがとうございました。 彼女にかわって、心からのお礼を。 そして、ネコの写真も一枚だけ。 また、来月か再来月、 おいしい菓子を見つけたら、書きますね。 わたなべ まり
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2021-04-01-THU
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