梅雨のなごりの青梅を。

6月の梅雨に時期に、ぜひーーー

と思っていたのですけれど、
もう梅雨明けです。
早い。。。

季節に追いつけなかった
お詫びとともに
今年の梅雨のなごりの青梅を。



和菓子です。

ん?
ほんものの梅の実じゃない?と
思われませんでした?
もしかして。



和菓子なんです。

梅雨時の定番、生菓子でつくる青い梅の実。
こうして並べると、
なんとも、かわいいですよね。

ほんものの青い梅は
食べちゃいけないと言われるけれど、
和菓子の青梅は
姿かたちも、風情も、そのままに
かわいらしくて、おいしくて。

それにしても
青梅そのものにみえる和菓子を
つくりだしてしまうのは、
まさに匠の技としか言えません。

丸みをおびたかたちに仕上げるのも
一本のへらをつかいながら
すべて、手作業だそうです。



近くでみると、
梅の実のうぶ毛まで感じられそうな。
夏の訪れを告げる
青梅のあのよい香りが漂ってきそうな。

ぷっくらとした丸いかたちや
すがすがしい色合いや
あまずっぱい香りは
梅雨のうっとうしさまで
ちょっと和らげてくれるような気がします。

見ためだけじゃ、もちろんなくて
おいしいんですよね、
これが。

なかは、きめ細かなこし餡、
そと側は、もちっとした生地で
できています。



練りきりの青梅も多いようですけれど、
渋谷は富ヶ谷、みさきやさんの青梅は、
ういろう菓子。

もちっとした食感にくわえて
すこしだけ透き通るような
青梅の実そのままの感触がきわだつのは
わらび粉も入っているからかもしれません。

大福みたいな、餅!という重たさより
どことなく軽いというか、
なんとなくぷるっとしていて
食感からも初夏を感じられそうな
ひとつぶです。

そういえば、
青い梅を食べちゃいけないのは
息苦しくなったり、めまいがするからだそうですが、
どうしてそうなるかというと、
その原因となる物質が種や果肉に含まれているため。

じゃあ、なんでそんな物質が
青梅に含まれているかというと、
種を守るためだそうです。



なるほど、納得。。。
ぷっくらとまぁるくて、きれいな色をしていて
丸かじりしたら、
いかにもおいしそうな青梅は、
みずから種を守る術として必須なのでしょうね。

ただ、ひとつぶに含まれるその物質の量は
ごくわずかなので、
子どもでも、100個くらい食べないと
体への影響はでないとのことです。
(ほっ。)

梅の実が大きくなってくるにつれて
種も育って、固くなってくると
もうそこまで種を守らなくてもよくなるから
その物質はだんだんと分解されるとか。

梅干しにしたり、
梅酒に漬けたりすると
さらに分解されて、おいしく、安心に
口にすることができるとのこと。

ひとつ、ひとつ、わけがある
自然のなりたちは、
あらためて、すごいなぁと
再認識させてくれる小さな青い実です。

強烈な暑さとともに
一気に夏がはじまりましたけれど、
また、戻り梅雨のような雨も
少しは期待できるのかな。

さわやかな梅雨明けと、
よい夏を。


わたなべ まり




追伸:
お店の名前を「みさきや」さんと
記したのですけれど、
包み紙には、ひらがなで印刷してあって
箱には「岬屋」と漢字の表記が。

どっちがいいのかな。
今度、お邪魔したときにうかがってみますね。
(次回は、栗の季節かな。今から、楽しみ。。。)

あ、でも「どっちが正しいのかな?」と
常々思ってしまうのは
職業病(病気はおおげさですよね、症状といいますか)
みたいなところも、恐らくありまして。

場合によっては、
どちらもありなのじゃないかな〜
と、思ったりする昨今です。

台風も近づいているとか。
どうか、お気をつけて。





 

2022-07-04-MON

●岬屋



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