私が住んでいるのはアテネの南部、「パレオ・フォリロ」という街です。70年代に作られたマンションが立ち並ぶ「ザ・住宅街」で、その当時から住んでいる年配の方が多く、閑静なところです。海岸線に位置しており、アテネの中心に一番近い海水浴場もあることから、夏はとても賑わいます。海岸線に沿って舗道が続き、日中は暑すぎて閑散としていますが、夜になると、どこからともなく人々が集まってきます。散歩、ジョギング、自転車にキックボード。子供連れやベビーカーをひいている人も多数います。焼きとうもろこしや乾物の屋台も出ます。ところどころに東屋のような場所があり、主にご老人方が集まって、おしゃべりをしたり歌を歌ったりしています。そのうちの一つには大型のチェス盤が置かれていて、主におじさん達が夜な夜なチェスを楽しんでいます。知らない人同士でも簡単に交流できる、ギリシャ人らしい夜の楽しみ方。この絵は、そんなパレオ・ファリロの、なんでもない夏の夜を描いたものです。今は傍観者である私も、将来は東屋デビューすることがあるのでしょうか?升ノ内朝子
2016-10-25