今回の絵は、前回ご紹介したズベリを滞在中に訪れた マラトンにあるシーフードレストランを描いたものです。 マラトンは、マラソン競技発祥の地です。 このマラトンがズベリから近く、 バスで行けるというので思い立って行ってみました。 こんな機会でもないと行かないだろうと。 下調べも特にない思いつきの行動だったため、 どこで何を見ればいいかもよくわかりません。 とりあえず海岸沿いで降りてみると、 特に賑わいもなく、レストランやカフェが何軒か軒を連ねるのみ。 スマホでいそいそと調べてみると、 どうやら昔の古戦場や考古学博物館、 スタジアムなどがあるそうです。 しかし、どこもその海岸からは離れている上、 閉館時間ももうすぐ。 そして何よりお腹の減っていた私達は、 せっかく観光地を訪れたにも関わらず、 観光を一切諦め普通に昼食をとることにしました。 唯一の慰みは、そこで入ったシーフードレストランが とてもおいしかったこと。 ファバ(イエロー・スプリット・ビーンズのピュレ)に イカリングフライ、エビのトマトスパゲティと、 どれも定番のものですが、大満足でした。 ズベリで毎日似たような食事をとっていたので、 ことさらおいしく感じたのかもしれません。 レストランから臨む海水浴場も、なんとものどかで、 どことなく千葉の南の方の海が思い出されました。 ところでギリシャには猫がたくさんいて、レストランでは 「なんかくださ~い」という感じでよく寄ってきます。 このレストランにも、緑色の目をした美人のぶち猫がいました。 というわけで、マラトンの思い出と言えば、 このシーフードレストラン。 「ここがマラソンで走る道か」と思ったり、 「ここらへんにスタート地点のスタジアムがあるはず」 と地図を見ながら考えたり、 うっすらとマラトンらしさは感じましたが、 観光地を全然満喫できなかった辺りが、 なんとも私達らしくて逆に記憶に残りました。 先日、アテネではクラシックマラソンが行われました。 毎年この時期になると、 私はきっとこの日のことを思い出すでしょう。 升ノ内朝子
2016-11-25