「シロツメクサ」の名前は もちろんみなさんご存じでしょうけれど、 その由来は意外でした。 こういうことを覚える「みちくさ」も、たのしいですね。
次の「みちくさ」は、金曜日に。 「のがわでみちくさ」編は、 火曜日と金曜日の更新でまいります。
シロツメクサ(クローバー)は明治時代、 牧草として大量に種子が輸入され、 日本各地に生息地を広げた帰化植物だ。 葉は地上を這い、 茎の節から根を出すため“踏みつけ”に強い。 通常、葉は三つの小葉からできているが、 四つ葉(幸福になるとか)や 五つ葉(不幸になるとか)もある。 それは遺伝子の突然変異によるものらしいが、 “踏みつけ”によるストレスなども関わっているのでは? という説もあって、考えさせられた。 もし踏みつけストレスで葉が増えるのなら、 「世界一多くの葉を持つクローバー」として 現在ギネスブックに登録されている、 2009年5月に岩手県花巻市で発見された “56枚葉のクローバー”の、 そのストレス量たるやいかほどだろうか。 花巻には牛がいっぱいいるものなあ。
梅田さんの“花の向き”の会話の補足。 シロツメクサの花を“頭花”と呼び、 花茎のてっぺんに小さな花が集まって ポンポンみたいに丸くなり、 そこで順繰りに開花を待つのだ。 開花前の蕾はぜんぶ上向きに付いている。 が、受粉して咲き終わった花は下を向く。 これは、訪れる虫に「もう私は終わりました」、 「受粉を待っているほかの花を訪れてみてください」 と告げるサインで、 どこかしら『源氏物語』を彷彿させるが、 一つの頭花がまんべんなく受粉するための工夫という。 毎度のことながら植物の知恵に頭を下げているわけである。