レストランのテラスを通り抜け、
柳生さんと吉本さんは
ギャラリーから続く中庭に出ました。
「八ヶ岳倶楽部」、雑木林の入り口です。 |
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柳生 |
そっちに、ギャラリーがあって、
ここは中庭になります。
で、このあたりから雑木林が。 |
吉本 |
わくわくします。 |
柳生 |
行きましょう。
‥‥と、思ったら吉本さん。 |
吉本 |
どうしました? |
柳生 |
さっそく、入り口にありましたよ。 |
吉本 |
え?
もう、みちくさが? |
柳生 |
ほら、ここに。
いまちょうど、
最高にきれいな花を咲かせています。 |
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吉本 |
ほんとだ。
これ、なんていう名前でしたっけ? |
柳生 |
ご存じですか? |
吉本 |
ええと‥‥‥‥あ、ハチ。 |
柳生 |
おお、いますね(笑)。 |
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吉本 |
マルバチ、でしたっけ? |
柳生 |
マルハナバチですね。 |
吉本 |
そうそう、マルハナバチ。
ありゃりゃー、かわいいねぇ。 |
柳生 |
ね、いっしょうけんめい蜜を吸ってね。 |
吉本 |
ほんと、いっしょうけんめい(笑)。 |
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柳生 |
このマルハナバチがいなければ、
日本中の花は種をつけられないですから。 |
吉本 |
大切なお仕事をしてるんですね。 |
柳生 |
ミツバチと、このマルハナバチは
とっても大事なハチなんです。 |
吉本 |
えらいねぇ、きみは。 |
柳生 |
足に花粉を付けて。 |
吉本 |
ほんと(笑)。 |
柳生 |
それで、
このみちくさの名前ですが。 |
吉本 |
はい。 |
柳生 |
これはね、クガイソウっていいます。 |
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吉本 |
クガイソウ‥‥。
知らなかったです、はじめて聞きました。 |
柳生 |
どうして、
クガイソウという名前だと思います? |
吉本 |
うーーん‥‥。
クガイ、クガイ‥‥
だめです、見当もつかない。 |
柳生 |
漢字で書くと、9階建ての、
九階草って書くんです。 |
吉本 |
九階建て? |
柳生 |
ちょっとこの、いちばん下の葉っぱから、
数えていってみてください。 |
吉本 |
えー、そういうこと? |
柳生 |
いちばん下が、1階。 |
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吉本 |
2階、3階、4階、5階、6階、
7階、8階、9階‥‥。 |
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柳生 |
ね? |
吉本 |
ほんとだぁ、9階建て(笑)。 |
柳生 |
9階建てだから九階草。
クガイソウなんです。 |
吉本 |
すごい。
みごとな名付けのセンスですね。 |
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柳生 |
ただ、大きくなると、
10階建てになることがあるんです。 |
吉本 |
えー(笑)。 |
柳生 |
でも、基本は9階建てです。 |
吉本 |
これはたのしいです。
もう、忘れない、9階建てだからクガイソウ。 |
柳生 |
夏にハイキングで山に行ったりすると、
けっこうよく見かけると思いますよ。 |
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9階建てだから、クガイソウ。
これはすごく覚えやすそう!
ハイキングで見つけたら、数えてみてくださいね。
次の「みちくさ」は、土曜日に。
「八ヶ岳倶楽部でみちくさ」編は、
火・木・土の更新でお届けいたします。 |