
スガノ |
「金で解決する」といえばね、
こんなことがありました。
子供生むときの話なんだけど。
分娩台に登る時に、お産はね、
そんなに大変だったわけじゃないんですよ。
超安産ですよって言われたんですけど、
すごい私が大げさにっていうか、
みんな大げさなんですけど、
あの時は痛い痛い痛いとかって言ってたら、
そこら辺中の人にガ-ってお金を配り出して
「 もう娘を早く分娩台に
上げてやって下さい」
って言ってるの。 |
一同 |
はははは。 |

スガノ |
5000円とかみんなに配って。 |

りか |
すごい。 |

スガノ |
私がまだ子宮口とか開いてないのに
バーンって上げられて
(※ほぼ日註
子宮口が開かないうちに力むと
赤ちゃんが危険な状態になるので、
力んでよくなるまで、分娩台には
上げてもらえないのです。 )、
そしたら看護婦さんとか
周りにみんな並んで5000札持って、
「お母さんからいただいたんです~~」。 |
一同 |
ははは。 |

スガノ |
こっちは陣痛で痛いのに、
痛い痛い痛いって言ってるのに。
「いただいたんです、
ありがとうございます」
わーってなって。
で、それでまあ無事出産したんですけども、
生まれたてのほやほやの赤ちゃんが
新生児室に入ったんですね。
「新生児室に入りましたよ、お母さん」
とかって言われたら、
うちの母親がタタタタって
廊下を走ってって
ごいーんってガラスに
ぶつかった。 |
一同 |
はははは。 |

スガノ |
新生児室のガラスに当たって。
看護婦さんがみんな
「スガノさんよりスガノさんのお母さんが
おもしろかった」って。
すごーいはずかしい出産体験。
でもねえ、そんなのに自分の行動がね、
似ているよって言われることが
すごーく嫌なんですよ。 |

きょうこ |
同じことやっちゃうんですよね、親と。
うちの母、私が小学校に入ったとき、
持ち物に名前を書くでしょう。
それ、ぜんぶ自分の名前書いたの。
それを二重線で消して「きょうこ」って。
あと、郵便局で振り込み用紙に
私大船に住んでるんですけど、
サンプルどおりに
「大船太郎」とか書くんですよ~。 |
一同 |
はっはっはっは。 |

きょうこ |
ところがね、私それ、
大学受験の時機予備校の模試で
代ゼミの模試受けた時に
「代ゼミ花子」って書いちゃった
んですよ~。
ね、すごい、おんなじだぁ。 |

スガノ |
愕然とするよね、その瞬間は。 |

きょうこ |
そう。愕然としましたよ。逃れられない。
行動力あるんですけどねえ。
思い込んだらとにかく行動に移す人なんですよ。
私と姉の部屋があって、
それがドアが外開きで開くドアだったんですね。 |

美雨 |
外開き。 |

きょうこ |
入る時に自分が勢いよく入りたいのに
こうやって手前に引くのがいやだったらしいの。
そしたら私が寝てるくらいの時に
いきなりトントントンって
ハルオがいきなりねじとかはずして、
ちょうつがいを全部変えて
ドアを内開きに直したの! |

美雨 |
夜? |

きょうこ |
すごい早朝! |

美雨 |
自分で? |

きょうこ |
そう、自分で。内開きに直して、
こっちの方がいいわよって。
すっごく得意気で。
「こうやって、
思ったらすぐやらなきゃダメなのよ」
って。すごい。何だろこの人は。 |

美雨 |
ああそう。すごい…
|

きょうこ |
そう、得意げに
「やっぱりこうやって
生きていかなきゃダメなのよ」
って・・・。
「こうやるのよぉ。何でもね」って。
頭使ってやっていかなきゃいけないのよ、
あんたたちもそうやって生きていきなさいよって。 |

スガノ |
あの、エンポリオアルマーニのリュックを
買ってきたんです。私。高校ん時。
で。リュックの背の部分に皮のネームが
おしゃれでついてるのね。
「ADDRESS」って。
母親はそういうのみると
書きたくてしょうがないの。
普通書かないでしょ、高校くらいになるとさ。
でも書きたくてしょうがなかったらしくて、
しかも極太の油性ペンで
京都市右京区太秦○○寺町だったんですけど、
京.右.でギブアップしてるんですよ。
そのちっちゃい三角に京.右.で
終わりってなってて。
これ、もう持つ気がしない~。 |

きょうこ |
あ、でもそういう親の行動って、
絶対反面教師としてインプットされてるから。
うちも毎年、うちの母親の年賀状って見てると
「あけましておめでとう」からスタートして
どんどんどんどん書いてって、
最後うんと小さな文字で
「よろしくおねがいします」。 |

ほぼ日 |
ぎっしり書いて。 |

きょうこ |
それが毎年続いてるから、もうね、
計画的に生きなくちゃって。
もう反面教師。ちゃんと親を見てね。 |

スガノ |
でもね、移っちゃわない? やっぱり。 |

きょうこ |
移っちゃう。そっくり、私も。
似ちゃうんだよ。 |

美雨 |
似てるのね。
|

きょうこ |
さっきの缶詰もそうなんだけど、
食べられればいい、
読めればいいっていうのが基本だから。
あんまりくじけないですよね。
反省がないっていうのが基本。
|

美雨 |
ああ、そうかも。 |

きょうこ |
反省しないですか? |

美雨 |
反省、しないねぇ。そう言えば。 |
一同 |
あはははは。 |

美雨 |
っていうか、反省するほど
痛い目にあってないような感じがする。
缶詰とか古いの食べても、
あんまおなか下してんのとか見たことないし。
器用かな? そんなところは何か、
渡っていく感じ。 |

きょうこ |
うち、父親がすごい胃弱なんですよ |

美雨 |
ふふふ。かわいそう。 |

きょうこ |
だから、父親いつも、
ご飯食べ終わると毎晩別におなか痛くないのに、
トラウマがあったのか知らないんですけど、
必ずビオフェルミン3錠飲むんですよ。 |
一同 |
あははは。 |

きょうこ |
毎夕食後。 |

きょうこ |
でもビオフェルミンは
あんまり強すぎるっていうんで、
ふだんは梅丹とか弱めのもので。
今日は危なそうだなって思ったら
ビオフェルミン。
いよいよ本格的に、これは熱が出るなって
思いそうなご飯のときは改源。 |

スガノ |
食事が命がけ。 |

りか |
その姿を見てても、お母さんは改善の、
反省なきところに改善なし? |

きょうこ |
なしなしなしなし。
もう、へっちゃらよぉって。 |

美雨 |
死にやしないわよっていうの、よく言います。 |

きょうこ |
あ、すごーい |

美雨 |
口癖! |

きょうこ |
死にやしないわよってすごい言う。 |

りか |
よく言ってた気がする。
埃で死にはしない、ほほほほ
って。 |

スガノ |
あ、ごめーん。今それ私口癖かも。 |

美雨 |
私も言います。 |

まいこ |
うわー、こわー。
そういえば、学校とかで言ってる気がする、
失敗しても死にゃしないからいいよってフレーズ。
|

りか |
うつってる、うつってる。 |

ほぼ日 |
お父さんはお母さんに料理のことは言わないの。 |

きょうこ |
いや、うちの父は基本的に
母親に絶対にとやかく言わないっていう
スタンスを保っているんですよ、30年くらい。
言ってしまうとほんとに喧嘩になっちゃうから。
だから料理のこととかも、
基本的に10日に1回くらい、
お味噌汁にだしが入ってない
んですけど。 |

りか |
え? |

きょうこ |
忘れちゃう、だしを入れるのを。それである時に
「ママさぁ、ママってどうやって
お味噌汁の味決めんの?」
って聞いたら、
「色!」。 |
一同 |
はははは。 |

きょうこ |
あ、そうなんだ、ふーんって。
もう突っ込みません。 |

まいこ |
味見、絶対しないの。 |

きょうこ |
しない。 |

まいこ |
うちも、今日のおかずおいしいよ、
また作ってって言ったら
「無理!」って言うの。
何で?って言ったらもう加減が分かんないもん、
どうやって作ったか忘れちゃったぁって言うの。
|

きょうこ |
そうそう、偶然の産物なの。
行き当たりばったりだから。 |

まいこ |
あ、そうなんだ、
じゃもう二度と食べれないんだねって言うの。 |

りか |
すべてサバイバル。
(つづきます。メールはこの下で!)
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