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武井 | 重松さん、横里さん、 お越しいいただいてありがとうございます。 |
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重松 | (ムーミンクッションを抱いて) ほら、俺たちは、3人とも、 ムーミンみたいな体形だから。 そんな3人が揃ったということで、 ムーミン体型座談会だね。 |
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横里 | その通りだと思います。 |
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武井 | じつは平成版ムーミンの 5万円もするDVDスペシャルボックスが ついに出る! というのを聞きまして、 ムーミン世代として、応援できたらと。 |
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重松 | ほう! |
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横里 | すごーい。 |
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武井 | それをきっかけに ムーミンの話がしたいなと思い、 ムーミン好きのおふたりを お招きいたしました。 |
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重松 | 武井さんがフィンランドやムーミンを 好きだってことは知ってたんだけど、 横里さんも好きだと思わなかったよ。 |
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横里 | 僕、スナフキンがすごく好きで、 『ダ・ヴィンチ』でスナフキン特集を やったこともあるんです。 重松さん、覚えてらっしゃらないかな、 この号の『ダ・ヴィンチ』のプラチナ本 (編集部のイチ押し本)が‥‥ |
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重松 | あ、『その日のまえに』 (重松さんの著書)だ! 何? じゃあ、俺、 スナフキンと共演したんだ?! |
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武井 | そうです、共演ですよ。 |
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重松 | スナフキンはね、もう、 結論だけ言っちゃうとね。 |
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武井 | もう結論が?! |
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重松 | おじさんの心の中には必ず、 1人のスナフキンがいるんだよ。 |
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ふたり | ‥‥! |
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横里 | います。いますね! |
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武井 | 憧れですよね‥‥! |
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重松 | スナフキンを飼ってるんだよ、俺たち。 普段はいないんだけども、 時々ね、酔ったときに顔を出すんだ。 しらふの時は、奥の方にいるんだ。 1人で酒を飲んでるときにふっと現れてね、 ギターを弾きながら歌うんだ。 僕ね、弾けるんです、あのギターが。 チャンチャーチャチャーンチャチャチャーン♪ |
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横里 | あっ、初代ムーミンの、 おさびし山の歌ですね! 井上ひさしさんの作詞なんですよね。 |
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重松 | 時々酔っぱらってるときに1人で、 ギター弾きながらさ、 スナフキンをやり、 ムーミンをやり、ひとり二役で、 悩みを打ち明けたりするんだよ。 |
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ふたり | おおおーっ! |
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横里 | たしかに自分の中に、 ムーミンとスナフキンがいます。 |
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重松 | 両方いるよね。 |
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武井 | ムーミンにとってスナフキンて もうほんとに憧れですよね。 |
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重松 | 永遠の憧れのお兄さん。 |
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横里 | いろんなことを教えてくれますし、 自由で、ヒッピーです。 |
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武井 | 春にならないと帰ってこないんです。 |
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重松 | そうー! |
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武井 | 冬のムーミン谷では、 ムーミンたち、冬眠しちゃうから。 スナフキンは冬眠しないムムリクなんですよ。 だから、旅に出ちゃうんですよね。 |
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重松 | どっか行っちゃうんだよね。 |
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横里 | ムーミンが、子ども心の自分とか、 何かいたらないところが いっぱいある自分だとすると、 スナフキンは、 導いてくれる存在‥‥なんだけど、 そのスナフキンも大人にはならずに、 ずーっと放浪してる。 何かこう永遠の モラトリアムみたいなところがあって。 |
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重松 | そう、モラトリアムなんだね。 |
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横里 | はい、それが、憧れなんです。 ムーミンパパになると、 冒険を卒業して社会に順応してる。 |
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武井 | ん? ムーミンパパが 冒険を卒業して社会に順応してるか どうかは疑問です(笑)。 |
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横里 | そっか、パパも、 永遠の冒険家だからね。 |
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武井 | 冒険家‥‥を自称してる(笑)。 |
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重松 | そう、ムーミンパパだってさ、 原作では孤児(みなしご)なんだよね。 それで夏の終わりになるとさ、 冒険したくなるんだよ。 旅に出たくなるんだよ。 だからパパの中にだって、 スナフキンはいるんだよね。 で、普段は、スニフだったりするわけ。 |
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武井 | スニフ! ちょっとずるいキャラクター。 |
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重松 | でね、うちのかみさんなんかは、 基本、フローレンなんだけども、 時々、ミイ(リトルミイ)が(笑)。 |
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武井 | あー! |
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横里 | 僕は子どものころ、ミイのことが、 好きじゃなかったんです。 今思うと、ミイってほんとに かわいいなと思うんですけど。 |
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武井 | どこで好きに? |
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横里 | やっぱり自分が 大人になったからじゃないかな。 ミイ的な人のことを 暖かい目で見られるようになった。 |
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重松 | なるほどね。 |
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横里 | 子どものときは女の子って、 好きだけど敵だったじゃないですか。 |
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重松 | うん、うん、うん。 |
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横里 | 男子、女子に分かれて。 そのときはミイがだめだったんですよ。 でもだんだん女の子のことが好きになったり、 大人になっていくにしたがって 受け入れられるようになった。 同時にミイのことも 受け入れられるようになりました。 |
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重松 | 俺はね、娘2人を育てて、 だんだんミイが分かってきたっていうか。 どんな女の子にも、 ミイはいるなぁ、と思ってさ(笑)。 |
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横里 | いた、いました。 |
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重松 | きっと何か思い出して嫌になってたんだね。 いじわるな女の子とか。 |
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横里 | 男子がやってることのバカさ加減を 女の子って分かるんで。 |
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重松 | そうそうそうそう。 バカなんじゃなーいとかって言われてね。 ミイは、水を差すというか、 冷水ぶっかけるというかさ。 せっかくムーミンとスニフが 楽しくやってるところに、 みもふたもない正論を言って、 へこませるというね。 |
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武井 | あ、ミイがひどいと思ったことはあります。 ムーミンが大事にしてる場所が アリにやられちゃった時、 そこに灯油をかけて全滅させちゃうんです。 |
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重松 | 殺しちゃうんだ(笑)。 |
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横里 | あった(笑)。あった。 |
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武井 | 「あんたがじゃまだって言うから、 あたし、片付けてやったのよ」って。 |
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重松 | そうそうそうそう。 |
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久保 | やるときは徹底してますよね。 |
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武井 | そう、で、 逆にムーミンが反省しちゃう。 |
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横里 | そう。 |
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重松 | 中途半端な優しさとかっていうものをさ、 絶対嫌うんだよね。 本質をつくんだよ。ミイって。 |
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武井 | フィンランドでとても 人気があるキャラクターだそうですね、ミイは。 |
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横里 | 子ども心にこのミイがかわいいって言うとしたら、 相当、成熟してる文化ですね。 うーん。 そうか、僕はきっと「いい子」に、 なろうとしてたんだなー。 |
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武井 | あれ、反省してる(笑)。 |
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重松 | ミイは、かっこいいよ。 ミイって、男前なんだ、 言ってみれば。 |
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武井 | ミイの言うこととスナフキンの言うことって ちょっと共通してたりするんですよ。 |
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横里 | 血がつながってるしね。 |
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武井 | あ、そうなんですよね。 きょうだい。 |
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横里 | 父親が違う。 |
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武井 | お母さんがいろんなパパの子を産んでる。 なかなか深い背景です。 |
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重松 | ムーミン谷のそういう怖さってあるね。 考えてみたら「ムーミン谷」とか、 「おさびし山」とかさ、 あの名前に惹かれたよね。 |
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横里 | 惹かれましたねー。 せつない名前ですよね。 |
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重松 | おさびし山なんて、普通付けないよ。 |
2011-12-26-MON
フィンランドの作家、トーベ・ヤンソンの小説、 声優 |