COOK
鈴木慶一くんと、
非時事放談「月光庵閑話」。

とあるところ、の手術。

*とあるところがどこなのかは
 想像しながらお読みください。

── 病名言ってもいいんですか?
鈴木 「とあるところ」を手術した。
── とあるところ。
鈴木 うん。
── そんなに人の生き死にに
関わる病気ではないが。
鈴木 そう。
── そのささやかな病気を持っていると
とてもそんな仕事をこなすわけには。
鈴木 いかない。
── いかないだろうっていうことで。
鈴木 というよりもですね。
正月に再発したんだよ。
無理するとそうなる。
── うん。
鈴木 で、そのサイクルが短くなってるんで。
── 再発の。
鈴木 うん。
── 1回目は手術したんでしたっけ?
鈴木 1回も手術はしてない。
ただし、患部のカットは何度もしている。
── 手術はしてないんだ。
小康状態になってたんだ。
鈴木 うん、そう。
だいたい5年くらい周期で。
── 周期がある(笑)。
鈴木 一番でかいのは
10年周期くらいで来てたんだけど、
それが2年周期くらいになり、
1年周期になってきてたんで。
── ありゃ。
鈴木 これはまずいぞと。
── あ、正月って!
慶一さん、新年会に、
這ってきてましたよね。
鈴木 あの時はね、一番ひどい時期ですよ。
cali≠gari っていうバンドの
プロデュース終わったばかりで、
インフルエンザひいて、さらにだからね。
どっちの病院に先に行くか迷った。
── ですよね。
鈴木 うん。
── でも新年会に来てたな(笑)。
鈴木 あははは。
── 来なきゃいいじゃんと思う(笑)。
鈴木 そう。来なきゃいいのに。
── 寝たきりになって。
鈴木 寝たきりになってたよな。
マーメイドというより、ジュゴン。
── あははは。
鈴木 そう。ただ運ばれて
きただけですよ、あれ。
── そうそうそう(笑)。
何でそんな思いして。
周りがまた、気遣わないんだ。
鈴木 ははははは。
いつもと変わらず酔っぱらってる、
みんな。
── 何だろうなと思いながら、
こっちはうれしいから。
鈴木 運ばれてきて、運ばれて帰っただけ。
── あれ最悪の時期ですか。
鈴木 うん、そう。
── あのあと手術ですか。
鈴木 うん。が、しかし、それはもうちゃんと
治まったあとじゃないと
手術ができないので。
── はあ。歯と一緒ですね。
炎症起こしてると、最悪。
鈴木 そうです。
でも人間は治まっちゃうと
行かないでしょ? 痛くなきゃね。
── 行かない。
鈴木 で、やっぱり行くの止めようかな
と思ったけど、恐ろしくてね。
でも先を考えると怖くなってきて、
その仕事の最中にそうなるのも嫌なんで
手術をしたんですけどね。
── うん。
鈴木 その手術後が1カ月、
痛みとの戦いですな。術後の痛みと。
自分でコントロールするんで。
入院無しで。
入院すると煙草吸えないし。
── 泣いてましたよね。
鈴木 うん。
── 冗談じゃなくて、
本当に泣いた。
鈴木 本当に泣いた。
「えーん」っていう吹き出しが書ける。
── そんなに痛い?
鈴木 うん。で、一番こたえたのが
座頭市のタップダンスの
リハーサルを見に行くっていう日があって。
── ああ。
鈴木 いわゆるでかいスタジオで、
タップダンスを40人くらいかな?
踊るリハーサルを見に行ってるんだけど、
床が揺れるんだ、それが。
── ははははは。
鈴木 座ってても。
── 振動に弱い病気なんですよね。
鈴木 そう、ノートブック型PC。
それがもうたまんなかったね。
とりあえず見ていなきゃいけない
2、3時間はね。
── 音楽担当の鈴木さんは
怒ってるんじゃないかって
思われたに違いないですね(笑)。
鈴木 いい加減にしろっていう
顔してるんだから。
早く覚えておとなしくなれよって。
おい、そこ、自主練習するな、
休憩なんだから(笑)。
── ははははは。怖がられる。
鈴木 もう、止めてくれ、
って顔してるんだから。
── 痛いじゃないか(笑)。
鈴木 ははは。
── でも、思い切って手術して
よかったですね。
鈴木 うん。でもそのせいで
酒の量増えたね。
── しばらくお酒飲めなかったから。
鈴木 お酒を飲み過ぎると
そういう症状が出るものなんだよ、これは。
── はあはあ。お酒がよくない病気だと。
鈴木 それでストップするわけだよ、お酒が。
それがないんだ。いまは底抜け状態だから。
── 治っちゃったから。
鈴木 うん。もう、飲む飲む。
── トレーナーは怒りますけどね。
トレーナーにばれますよね、すぐ。
顔の形が変わったって。酒太りで。
鈴木 ばれますね。


ま、治ったんだからよしとしましょうか。
つづきます。

2004-01-07-WED

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