元ゲーム雑誌の編集者で、
テレコマンとしても活動している永田ソフトが
ここでは永田泰大さんとして
『MOTHER1+2』をプレイする日常をつづります。
ゲームの攻略にはまるで役に立たないと思うけど
のんびりじっくり書いていくそうなので
なんとなく気にしててください。

糸井重里です。やぁこんにちわ。

見巧者ということばがあって、
(あ、「みごうしゃ」と読むんですけど、
この「ご」がまちがいやすいんでね)、
この概念そのものをぼくはとても好きなんです。
見るのが上手な人っていう意味です。
歌舞伎なんかの話をするときに、よく聞くことばです。
永田くんは、ゲームの世界の見巧者だと思うわけです。
こういう人が、「見る」ことで、
作り手は、もっといいものをつくるヒントを
いっぱいもらえるんですね。
気付いてほしかったところに気付いてもらえたとか、
作るときには無意識だったところに、
いい反応をしてもらえたとか、
そういうことをたくさんしてもらえるおかげで、
作ることが変わると思うのです。
というのは、この『MOTHER日記』についての
ふつうの感想なのですが、ほんとうは
そんなことどうでもいいわけです。

毎日、「今日は何をして、どう書くんだろう」と、
ぼくは読者として連載をたのしみにしていました。
このたのしみをどう喩えればいいのかなぁ。
『MOTHER』というゲームが、石井一久だとして、
それを永田くんという古田がリードしているというときに、
石井の父親であるぼくとしては、
「古田さんのおかげだよねぇ。しみじみ」と
古田のリードに感心しつつ観戦しているというような
・・・んんん?
ちょとヘンな喩えだったかな、時代、古いし。
でも、そういうようなことです。

教訓:蛇の抜け殻はなんの役にも立たないが、
財布に入れておくと金運のまじないになる。

2003年9月 糸井重里

2003-09-08-MON