テレビや映画ですてきな芝居をしてるあの人！
そうです、そうです、あの人！
実はあの人、「舞台の人」で、
たくさんのすばらしいお芝居に
出演してらっしゃるんですよ！
‥‥ということを言いたくて言いたくてたまらない
演劇のライター中川實穗です。こんにちは。
今回は、テレビや映画で
長きにわたり活躍されている
佐々木蔵之介さんにお話をうかがいました。
ご存知の方も多いかと思いますが、
佐々木蔵之介さんのルーツは演劇にあります。
学生時代、唐十郎氏の公演を観て
感銘を受けた佐々木さんは
演劇の世界に足を踏み入れ、
後に関西の人気劇団となる
劇団「惑星ピスタチオ」の立ち上げに参加、
看板俳優として活躍されました。
テレビや映画で活躍されるいまも、
ご自身で、演劇公演の企画・プロデュースを
手がけていらっしゃいます。
そんな、演劇にルーツを持つ俳優の、
劇場でなければ触れられない、
想いや考えをお話しいただきました。
佐々木蔵之介（ささき・くらのすけ）
俳優
1968年2月4日生まれ、京都府出身。
1990年、劇団「惑星ピスタチオ」の旗揚げ公演に参加、
1998年に退団するまで看板俳優として全作品に出演した。
2000年にNHK連続テレビ小説『オードリー』で脚光を浴びる。
2005年に演劇ユニット「Team申（さる）」を立ち上げ、定期的に演劇公演を企画・プロデュースし、出演もしている。
受賞歴多数。
最近は、大河ドラマ『光る君へ』（藤原宣孝役）に出演。
公式X https://x.com/kurano_official
公式instagram https://www.instagram.com/sasakikuranosuke_official/
FCサイト https://sasaki-kuranosuke.com/
- ──
- 佐々木さんは小劇場から大劇場まで立たれますし、
海外戯曲も、スーパー歌舞伎Ⅱも、
劇団公演に客演で出られることもあって、
かなり幅広い作品に出演されていますが、
ご自身はどんな作品がお好きなんですか？
- 佐々木
- う～ん。
どんなものでもやらなきゃいけない、というか。
でもどんなものが好きかは‥‥わからないですね。 - ただ、
「楽だなあ」「簡単だなあ」
と思ったことは一度もないですけど、
「これは苦労するなあ」「格闘するだろうなあ」
「乗り越えるのは大変だろうなあ」
という芝居を選んでるのかもしれないです、
考えてみれば。
- ──
- ああ、それは最初にうかがった
「修行をしたい」にも通じるお話ですね。 - ご自身で企画・プロデュースをされる
「Team申」のスタッフや作品も
そういう選び方なのですか？
- 佐々木
- いえ、「Team申」に関しては、
まずチームとして組んでいける座組であることが
大事です。
舞台は、稽古初日から千秋楽までずっと一緒ですから。
チームワークが大事なんですよね。
- ──
- ご自身は座長として
なにか気をつけたりされるのでしょうか？
- 佐々木
- 稽古場でみんながのびのびできたらいいかなあ。
無駄な緊張をなくして、
恐れることなくみんながチャレンジできる、
そういう場であればいいなと思います。
「間違わない」とか思わなくていいんです。
稽古は１か月あるので。
僕も率先して間違っていこうと思ってますけど、
みんなが固まらずにやって欲しいなと思います。
- ──
- 佐々木さんがこの夏出演される
『破門フェデリコ～くたばれ！十字軍～』は、
まさに「Team申」でもチームを組んだ
東憲司さんの演出と阿部修英さんの脚本ですが、
脚本を読ませていただいて、
すごくおもしろかったです。
- 佐々木
- そうですか！ ありがとうございます。
まだもうちょっと磨かなきゃいけない、
もうちょっと削がなきゃいけない、
展開を練らなきゃいけない
という感じでやっているところです。
（※取材時）
- ──
- 皇帝フェデリコという
実在する人物をモチーフにした歴史ものですが、
いま響くことばかりでした。
- 佐々木
- 僕はけっこう
王様や殿様、皇帝を演じてきたほうで、
リチャード三世もマクベスもやったんですけど。
みんな「領土が欲しい」「権力が欲しい」「富が欲しい」
といった欲で、
玉座に着いたら、
あとは転落していくという感じなんです。
でもフェデリコはすでに土地も、権力も、
地位も、財もあって、
そのうえで、
「時代を変えよう」「世界を変えよう」という人。 - 虐げられてきた労働者が革命を起こす、
という物語は多いですけど、
この作品は、皇帝その人が
「このままではよくない。平和をつかみ取ろう」
と動きますからね。
- ──
- それで100年も続いた戦争を止めるという。
- 佐々木
- そう。100年当たり前のように続いていた戦争を止めた。
結局、十字軍はまた戦争を再開してしまうんですけどね。
でもいったん無血開城で止めますから。
- ──
- 暴力以外の戦争の止め方を知りたいと思っているので、
とても興味深かったです。
- 佐々木
- それも文通とクイズで止めるっていうのがね。
- ──
- はい、おもしろいです。（※詳しくはぜひ劇場で！）
さいごに、
俳優としてこれから先の展望があれば教えてください。
- 佐々木
- いやいやもう、
展望というよりはカウントダウンだろうなと。
あと何回できるんだっていう。
今、56歳なんで。
- ──
- 体力とかそういうことですか？
- 佐々木
- 体力、記憶力もありますね。
だから大切に舞台を踏んでいきたいです。
- ──
- 先輩方の活躍を考えると、
その発言は早い気もしてしまいますが。
- 佐々木
- そう！ そうなんですよ！
それがいやなんですよ！
- ──
- （笑）それがいやなんですか？
- 佐々木
- いつまでも軽やかに芝居をやられてるじゃないですか。
それは困る！
- ──
- それは、席を譲ってほしいって意味じゃなくてですよね。
- 佐々木
- そういうことじゃない、全然。
「この方だってまだやってんねんで？」
って言われちゃうっていう。
いや、すばらしいんですけどね？
- ──
- ファンとしてはまだまだ拝見したいので
そう言う方の気持ちもわかります（笑）。
今日はたくさん質問に答えてくださって
ありがとうございました。
- 佐々木
- いや、とんでもないです。
ありがとうございました。
（おわります）
2024-08-05-MON
-
佐々木さんの出演作品
PARCO PRODUCE 2024
『破門フェデリコ～くたばれ！十字軍～』
＜東京公演＞
日程：2024 年8月6日（火）〜9月1日（日）
会場：PARCO劇場＜愛知公演＞
日程：2024 年9月7日（土）・8日（日）
会場：Niterra 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール＜大阪公演＞
日程：2024 年9月11日（水）〜16日（月祝）
会場：森ノ宮ピロティホール＜福岡公演＞
日程：2024 年9月21日（土）・22日（日）
会場：久留米シティプラザ ザ・グランドホール＜キャスト＞
佐々木蔵之介 上田竜也 那須凜 栗原英雄
田中穂先 石原由宇 六角精児 ほか＜スタッフ＞
作：阿部修英
演出：東憲司
ほか
公式公演ページ
PARCO STAGE 公式X
