（1）私の棺桶に、魚肉ソーセージを。 | ほぼ日の學校「壇蜜と、夢の魚肉ソーセージ。」- ほぼ日刊イトイ新聞 | 壇蜜

壇蜜さんに「ほぼ日の學校」で
授業をしていただけることになりました。
あの壇蜜さんが先生をしてくれるなら、
考えをめぐらせて打ち合わせにうかがうと、
ご本人から思ってもみない要望が‥‥。
「じぶんで魚肉ソーセージを作ってみたくて」。
えっ、魚肉ソーセージ？　じぶんで作る？
壇蜜さんが？　ほぼ日の學校で？　どういうこと？
でも、あまりにもまっすぐに語る「魚ソー愛」に
関係するみんなが惹き込まれてしまったので、
「ほぼ日の學校」で夢を叶えることにしました。
壇蜜さんの魚肉ソーセージ「壇魚ソー」は、
どんなかたちで実現するのでしょうか。
そもそもこの授業、いったいどうなっちゃうの？
担当は「ほぼ日」の平野です。

＞壇蜜さんのプロフィール

壇蜜（だんみつ）

本名・清野支靜加。1980年秋田県生まれ。
昭和女子大学卒業後、調理師免許を取得、
また冠婚葬祭の専門学校にも通う。
和菓子工場、銀座のクラブホステスなど
様々な職業を経験した後、
2010年に29歳のグラビアアイドルとしてデビュー。
独特の存在感で瞬く間にメディアに注目される。
13年映画『甘い鞭』に出演し、
日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。
近著に『はんぶんのユウジと』（文藝春秋）
『男と女の理不尽な愉しみ』（共著・集英社新書）
『たべたいの』（新潮新書）など。
2019年11月22日に漫画家・清野とおるさんと結婚。
ネコ、ヘビ、トカゲ、鳥、熱帯魚など、
たくさんの生き物と共に暮らす。

まだ「ほぼ日の學校」開校前の３月のこと、
都内の会議室で壇蜜さんと打ち合わせをしました。
（この日の写真は撮影していなかったので、
後日、ほぼ日にお越しいただいた際に
撮影した写真を掲載しています）

──: 「ほぼ日の學校」の先生役を
引き受けていただきありがとうございます。
壇蜜さんはこれまでに学校やイベントで
授業をされた経験はありますか。

壇蜜: 『GINGER』の読者イベントで１回だけ。
日記や書くことについてお話する、
20分くらいの枠でした。

──: ラジオでお話しされたり、
テレビや雑誌のインタビューは
たくさん経験されていますよね。

壇蜜: そうですね。

──: 「ほぼ日の學校」という場所では、
大勢に向けたトークイベントのような授業も、
インタビュー形式で話す授業も、
ワークショップのような授業もできるので、
壇蜜さんにとって話しやすい形で
お願いできたらなと思っています。
話す内容によって形式は変えられますが、
まずは何を話していただこうかなと。

壇蜜: たとえばその、
いっしょに何かを作るのってどうでしょう。

──: はい、できると思います。
何を作りたいのでしょうか。

壇蜜: けっこう前からなんですけど、魚ソー‥‥、
あっ、魚肉ソーセージが好きで。

──: 魚肉ソーセージ？

壇蜜: 以前、西原理恵子さんが
愛媛にある魚ソーの工場に行く
エッセイ漫画を読んだことがあって。

──: へえーっ。

壇蜜: 魚ソーの作り方があまりにも単純だったので、
「こんなの記事にもならないよ！」
みたいなオチで終わるんですけど。
いや、そんなことないだろうと思って、
作ってみたこともあったけれどできなくて。
いま私、魚ソーを集めているんです。

──: 「魚ソー」って略し方で
だいぶお好きなんだなって伝わります。
「ぎょにそ」と省略することもありますよね。

壇蜜: マグロ、ノドグロ、イワシ、アジとか
いろんな魚が入っていますが、
西原さんの漫画で紹介されていたのは
イチゴ味やチョコ味の魚ソーで、
奇をてらって失敗していましたね。

──: あー、見たことのない味です（笑）。
なぜ魚肉ソーセージがお好きなんですか。

壇蜜: 安くておいしいものが、
どうやってできていくのかを知りたいです。
「安くておいしい」ってハードルがすごく高いのに、
どうしてそれをどんどん飛び越えていくのかなって。
私、今まで食べた魚ソーで、
「はずれだな、これ。全然おいしくない」
っていうのはあまりなかったので。

──: つまり、ほぼ日の學校で
魚肉ソーセージについて学べないかと。

壇蜜: そう、魚ソーの秘密とか。
何も隠すものもなくて、
あまりにも簡単にできるっていうのが
本当なのかなって。

──: 魚肉ソーセージを生産している会社の方に
お話を訊くことはできそうですよね。
壇蜜さんが魚肉ソーセージの名人に教わって
学びを深めていくことができたら、
見ている人もおもしろいかも。

壇蜜: もし魚ソーの工場に行けるなら、
どんな魚を捕まえてきて
さばいているのかも気になります。
私、調理師免許を持っているので、
自分が好きな魚ソーを作れたらいいなって。

──: 調理師免許をお持ちだと説得力もありますね。

壇蜜: 誰でも知っている魚ソーだけど、
「『安くておいしい』が当たり前の世界は、
じつは、こんな人たちの努力でできています」
みたいなことが見られたらなと思うんです。

──: 安くておいしいものは、
みんなにうれしいですよね。

壇蜜: 魚ソーって老若男女みんなが手に取って、
つまみ目当て、料理アレンジ目当て、
おまけ目当てで食べていますよね。
最近、魚ソーのことばっかり考えていて、
家に魚ソーが30本くらいあるんですよ。

──: えっ？　常に30本も？

壇蜜: はい。

──: じゃあこれまで壇蜜さんは、
いろいろな魚ソーをお試しになられて。

壇蜜: マグロっていう言葉に惑わされて買ったけど、
アジの方がおいしかったこともあります。
中性脂肪を下げると書いてあったり、
記憶力をサポートしたりする魚ソーとか。
あと、かまぼこと魚ソーのタッグマッチで、
かまぼこ魚ソーっていうのができたとか。

──: へえーっ！

壇蜜: もう、何がどうなってるんだって感じ。

──: 壇蜜さんがいちばん気に入っている
魚肉ソーセージもありますか？

壇蜜: 「真あじの旨味ソーセージ（ニッスイ）」。
私が今、いちばん好きな魚ソーです。
これがもう、棺桶に入れてほしいレベルでおいしい。

▲いつか棺桶に入れたい「真あじの旨味ソーセージ」

──: へえー、真あじがダントツですか。

壇蜜: 真あじはすごいですね。
真あじ、ヤバいなあ‥‥。
一本食べたら、もう戻れません。

──: はあ、そんなにおいしいですか。
今日の帰りにでも、さっそく買ってみます。

壇蜜: アジ以外にも何か入ってるのかな。
やみつきになる旨味があるんですよね。
健康志向とかオーガニックとか言われている世界に、
びったんびったんケンカ売ってるなあと思いながら、
魚ソーを食べてます。

──: あんまりヘルシーなイメージではないかも。

壇蜜: 魚ソーって、アウトロー感がすごいから（笑）。

──: 壇蜜さんは魚肉ソーセージへの興味を
人一倍強くお持ちですよね。
魚肉ソーセージを生産している人に
壇蜜さんから質問されたらうれしいでしょうし、
なにかしら収穫もあると思うんですよね。
いわゆる「学校」の授業らしくはないけれど、
前に立つ先生同士が互いに学べる
授業があってもいいなと思いました。
もう少し話を詰めていきましょうか。

（つづきます）

2021-09-01-WED

壇蜜さんの授業は９月17日から
ほぼ日の學校アプリで配信スタート！

壇蜜さんが魚肉ソーセージをつくる授業は、
「ほぼ日の學校」アプリで
９月17日（金）に配信を予定しています。
日本ではじめて魚肉ソーセージを製造した
西南開発さんといっしょに、
壇蜜さんが魚肉ソーセージを手作りします。
レシピはいたってシンプル、
砕く→練る→かたちづくる→茹でる、以上。
壇蜜さんが夢みる「壇魚ソー」、
はたしてどんな形になるのでしょうか。
配信をどうぞおたのしみに！