いろんな方にご登壇いただいている
「ほぼ日の學校」ですが、
これほど多彩な経歴を持つ方もめずらしい。
しかもお名前が‥‥「5歳」? 
X(旧ツイッター)に約10万人のフォロワーがいて、
旅人、鍼灸師、インフルエンサー、
ライターといった、あらゆる顔を持ち、
「麻婆豆腐を毎日作っていたら、
いつの間にか麻婆豆腐職人になっていました」
という5歳さんに、
これまでの道のりをうかがいました。
軽やかにキャリアを重ねつつ、
一瞬一瞬を真剣に過ごしてきたことが伝わる、
いい時間になったんです。
聞き手は、ほぼ日の松田です。

この対談の動画は 「ほぼ日の學校」でご覧いただけます。

>5歳さんのプロフィール

5歳(ごさい)

株式会社マーボードウフ代表。
2023年より、「感動しちゃう麻婆豆腐」を目指してオリジナル羊肉麻婆豆腐のイベント出店などを中心に活動。旧・Twitterでは妻や家族について発信するうちに、フォロワー10万超に(そのアカウント名の言葉遊びから現在の「5歳」となる)。
もともとは整体師・鍼灸師兼リサーチャーやWebライターとして活動する一方で、広告代理店業を営む顔ももつ。

5歳さんのX https://twitter.com/meer_kato
5歳さんのInstagram https://www.instagram.com/gosai531/
株式会社マーボードウフ https://mabotofu.jp/

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第4回  なぜ「麻婆豆腐」だったのか。

ーー
5歳さんは、いろいろな仕事を
転々とされてきたわけですが、
そうなることを、子どものころとか、
学生時代に想像されてました?
5歳
あ、してました。
ぼく、小学4年生のときに、
会社員にはなれないんじゃないかと、
もう、明確に思っていました。
ーー
そう思ったきっかけは覚えていますか?

5歳
団体行動ができなかったんですよね。
1人でいる方が気楽だったし、
毎日会社に行くということが想像できなかった。
治療院の副院長をやっていたときは
会社員に近かったんですが、
でも、いわゆる会社員にはなれないなぁと、
なんとなく思っていたんです。
中学校のとき、
サッカー部に入っていたんですけど、
それも団体行動すぎて無理で、
部活をサボって、
ずっとトマト畑を作ってました。
ーー
(笑)
そこでも農業なんですね。
5歳
そうですね。
運動部のあのノリが嫌だったんですよね、なんかね。
先生も熱血教師で、
「ぼく、部活やめたいです」と言ったら、
「逃げるのか!」って言われて。
今も思うんですけど、
中学2年の生徒が勇気を振り絞って、
緊張しながら、その先生に、
「やめたいです」って言ってるんだから、
逃げさせてよって思いましたよ、ぼくは。
でも部活やめさせてくれないから、畑に逃げました。
そこでトマト育てて、図書館行って
本をずっと読んでましたけど。
つくづく小さいときから団体行動が
苦手だったんだなと思いますね。
え、何の話でしたっけ?
ーー
あの、キャリアの話です。
5歳
キャリア、そうそう(笑)。
ーー
一貫してキャリアの話を聞いてると思ってます。
キャリアの話でもあるし、
現代の人間関係の話でもあるし、おもしろいです。
5歳
まあ、でもぼくがそういうふうに
仕事をいっぱい変えてきても、
ダメにならなかったのは、
たぶんすごく体力があったからだと思いますね。
ーー
ああ。

5歳
身も蓋もない話なんですけど、
体力があるとどうにでもなるなぁって。
だから、ぼくは病気がちな人を見ると、
ほんとうに大変だろうなと思いますね。
ピザ村ではそういう人を助けたいと思っているんです。
ぼくもけっこう落ち込んだ時期があるんですが、
仕事する気なくなっちゃうし、
やる気も出てこないみたいな状態が
ずっと続くわけで、つらいですよね。
それでもぼくは体力があったのがラッキーだったし、
恵まれていました。
ーー
じゃあ、基本的にはプラスばかりで、
あまりマイナスになるような経験はないですか。
5歳
その意味で言うと、それまで順調に
稼いでいたんですけど、
麻婆豆腐を作り出してから、
売れるか売れないかで収入が決まるから、
けっこう不安定というか、
アンコントローラブルみたいになっちゃって。
そのときは大変でしたね。
今も大変な渦中でありますけど、
応援してくれる人がたくさんいるから、
なんとか支えられてやっています。
あと、世の中には、ぼくの借金の額なんか
比べものにならないくらいの借金を背負って、
事業をやっている人もいると思うんですけど、
それでも「社会のためになるから」って
がんばっている人がいると、
本当に見ていて元気をもらうというか、
「ぼくもがんばろう」って気持ちになりますね。
ーー
あの、素人的な考えなんですけど、
そのとき麻婆豆腐じゃなくても
よかったのかなって思うんです。
他の料理ではなく、何で麻婆豆腐だったんでしょうか。
5歳
うーんと、でも麻婆豆腐だったかな、
とは思いますね。
ーー
あ、そうですか。
5歳
うん。ラーメンはきついなと思います。
で、カレーはぼくより確実にうまい人たちがいる。
名店が多すぎて、ハードルが高すぎます。
ラーメン屋だって、10年修業して、
独立して暖簾分けしてもらって、
やっと有名になるみたいなレベルですよね。
そういう意味では、
麻婆豆腐は母数が少ないように思って、
まだ席が空いているんじゃないか、と考えたんです。
有名なシェフも存在しているなかで、
ほんとうに恐れ多い発言をしちゃってるんですけど、
中華料理全体ではなく、麻婆豆腐の
一点突破だったらいけるのかなということを、
なんとなく感じています。
ーー
最初、中野で麻婆豆腐を作り始めたころから、
そういうことを考えていたんですか。
5歳
あ、でも最初はいくつか料理を作ったんです。
誰も作れないような、
2日かけて作る豚汁を作ったり、カレーを作ったり、
いろんな料理を出したなかで、
麻婆豆腐が一番反応がよかったんです。
ーー
いくつか出したんですね、そのとき。
5歳
はい。ぼく、何をやっても、
わりとそつなく作れるんです。凝り性だから。
ーー
手から湯気も出てるし。
5歳
そうそう、出てるし(笑)。
料理って、ちゃんと分量を間違えずにやれば、
上手にできると思っています。
几帳面な人とか、レシピ通りにちゃんと作れる人、
「こしょう少々」の「少々」がわかる人が、
うまい人だと思うんですけど、
ぼくは小さいころからやっていて、
なんでもそつなくできるなかで、
麻婆豆腐が何かの加減で
すごくうまくできたというだけです。
適当に作るときってあるじゃないですか、料理。
それがすごくうまいものだったんです。
確率にはまったって感じですね。
運がよかったんです。

(つづきます)

2024-11-30-SAT

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  • 5歳さんの「僕の麻婆豆腐」が
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    奈良県吉野町で大切に育てられた
    希少な完熟山椒、
    “羊SUNRISE”さんの羊肉、
    口内でとろけるシルク(絹)豆腐など、
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