生きるため、はたらくための
教科書のように使っている人もいるし、
どことなく「俗流の哲学本」みたいに
敬遠している人もいるのが「自己啓発本」。
これについて語り合おうと、
座談会が開かれました。
『嫌われる勇気』の古賀史健さん、
『夢をかなえるゾウ』の水野敬也さん、
『成りあがり』(矢沢永吉著)の
取材・構成を担当した糸井重里。
そして『14歳からの自己啓発』の著者である
自己啓発本の研究者、尾崎俊介さん。
にぎやかな、笑いの多い座談会になりました。
古賀史健(こが・ふみたけ)
株式会社バトンズ代表。
1973年、福岡県生まれ。
九州産業大学芸術学部卒。
メガネ店勤務、出版社勤務を経て
1998年に独立。
著書に
『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』
(岸見一郎共著、ダイヤモンド社)、
『さみしい夜にはペンを持て』(ポプラ社)
『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』
(ダイヤモンド社)、
『古賀史健がまとめた糸井重里のこと。』
(糸井重里共著、ほぼ日)、
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』
(星海社新書)など。
構成に
『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。』
(幡野広志著、ポプラ社)、
『ミライの授業』
(瀧本哲史著、講談社)、
『ゼロ』(堀江貴文著、ダイヤモンド社)など多数。
2014年、ビジネス書ライターの
地位向上に大きく寄与したとして
「ビジネス書大賞・審査員特別賞」受賞。
編著書の累計は1600万部を数える。
水野敬也(みずの・けいや)
1976年、愛知県生まれ。
慶応義塾大学経済学部卒。
著書に『夢をかなえるゾウ』シリーズほか、
『雨の日も、晴れ男』『顔ニモマケズ』
『運命の恋をかなえるスタンダール』
『四つ話のクローバー』、
共著に『人生はニャンとかなる!』
『最近、地球が暑くてクマってます。』
『サラリーマン大喜利』『ウケる技術』
など。
また、画・鉄拳の絵本に
『それでも僕は夢を見る』『あなたの物語』
『もしも悩みがなかったら』、
恋愛体育教師・水野愛也として
『LOVE理論』『スパルタ婚活塾』、
映像作品ではDVD
『温厚な上司の怒らせ方』の企画・脚本、
映画『イン・ザ・ヒーロー』の脚本など
活動は多岐にわたる。
尾崎俊介(おざき・しゅんすけ)
1963年、神奈川県生まれ。
慶應義塾大学大学院文学研究科
英米文学専攻後期博士課程単位取得。
現在は、愛知教育大学教授。
専門はアメリカ文学・アメリカ文化。
著書に、
『14歳からの自己啓発』(トランスビュー)、
『アメリカは自己啓発本でできている』(平凡社)、
『ホールデンの肖像─ペーパーバックからみる
アメリカの読書文化』(新宿書房)、
『ハーレクイン・ロマンス』
(平凡社新書)、
『S先生のこと』(新宿書房、第61回
日本エッセイスト・クラブ賞受賞)、
『紙表紙の誘惑』(研究社)、
『エピソード─アメリカ文学者 大橋吉之輔
エッセイ集』(トランスビュー)など。
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この座談会のきっかけ。
14歳からの自己啓発
尾崎俊介 著
(2023年、トランスビュー)『カーネギー自伝』『学問のすすめ』
『7つの習慣』 『ザ・シークレット』
『思考は現実化する』
『夜と霧』 『人を動かす』『フロー体験』‥‥。
自己啓発本を「文学」として読むと
見えてくる、豊饒な世界。
あらゆる自己啓発本が追い求めてきた
たったひとつの「答え」とは?自己啓発本とはいったい何なのか。
そのはじまりからの歴史を、
尾崎先生がやわらかい語り口で教えてくれる
楽しい教科書のような一冊。
主要なトピックや代表的な本の紹介が
読みやすくまとまっているので、
まずこれを読めば、頭のなかに
自己啓発世界のおおまかな地図ができます。
(Amazon.co.jpの販売ページへ)あわせてこちらも。
アメリカは
自己啓発本で
できている
ベストセラーからひもとく尾崎俊介 著
(2024年、平凡社)アメリカンドリーム、スピリチュアル、
宗教的熱狂、超健康志向、ポジティブ思考……。
建国の父フランクリン『自伝』など
さまざまな自己啓発本のベストセラーから
アメリカという国が見えてきます。尾崎先生が、ユーモア多めの自由な文章で、
自己啓発の世界について教えてくれる、
『14歳からの自己啓発』の姉妹本。
日めくり式の自己啓発本の話や、
トホホ系の自己啓発まで登場し、
ときにニヤニヤしながら読みすすめられます。
(Amazon.co.jpの販売ページへ)※この日の座談会に刺激されて、
糸井重里は尾崎先生のこの本に
こんな帯文を寄せました。「なまじの利口にゃわからない。
さりとて阿呆では読み取れない。
知の遊園地のような本です」
(糸井重里)