この漫画のもとになった投稿
不意に思い出してしまった。
それは、まだわたしが高校生だったころ。
我が家はとても生活が大変で
親からプレゼントなんてとんでもなく、
お年玉を貰っても
ぜんぶ親が使ってしまうような家でした。
そんなとき、
日本に初めてパンダがやって来て、
わたしはもう、とりこになってしまった。
だけど、なんせ田舎者だし、
お金はないし
東京に会いに行くなんて
想像もできなかった。
でも、ある日、
父親がパンダのぬいぐるみを
プレゼントしてくれた。
母が
おもしろくなさそうな顔をしたことも
覚えてる。
でもわたし、そんなことずっと忘れてて、
不意に思い出してしまって、
涙が止まらなくなってしまった。
両親が亡くなってから随分たつし、
もう実家もないし、
大事に出来てなかったあのパンダ。
だけど、間違いなくわたしのこと、
大切に思ってくれてたんだよね。
ごめんね、お父ちゃん。
(涙が止まらない まーパンダ/いつかの「今日のハートブレイク」より)
2024-09-04-WED
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「今日の小ネタ劇場」とは
2005年から連載を開始した読者投稿コンテンツです。2022年時点ですでに17年以上、「今日のコドモ」「今日のダンナ」「今日のじーばー」「今日の気になるあいつ」….などの20以上のカテゴリから、日替わりで毎日欠かさず3ネタを更新してきました。アーカイブを残していないため、その日のネタは、その日にしか読めません。2016年には、過去の傑作から選りすぐって書籍化もされました。ほぼ日に来たら、まずはここからという読者も多い、大人気のコーナーです。今日の「今日のコドモ」は、こちらからどうぞ。
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今日マチ子
漫画家。1P漫画ブログ「今日マチ子のセンネン画報」の書籍化が話題となる。文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品に4度選出。戦争を描いた『cocoon』は「マームとジプシー」によって舞台化。2014年に手塚治虫文化賞新生賞、2015年に日本漫画家協会賞大賞カーツーン部門を受賞。『みつあみの神様』は短編アニメ化され海外で23部門賞受賞。コロナ禍の日常を絵日記のように描いた近著『Distance わたしの#stayhome日記』が、2022年1月『報道ステーション』にて特集された。
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漫画:今日マチ子
編集:奥野武範(ほぼ日)
デザイン:杉本奈穂(ほぼ日)
感謝:「今日の小ネタ劇場」を愛する
すべてのみなさま