『MOTHER2』に登場する8つのパワースポットが
アクリルキューブのなかに再現された
「エイトキューブス」を8月8日から販売します。
「エイトキューブス」は、Twitterで発表された
『MOTHER』ファンの水谷先輩の作品を
商品化したもので、
この試みははじめてのことです。
『MOTHER2』をプレイして、
キャラクターがその場所に立った瞬間を撮影して、
ジオラマ化しました。
部屋に飾っておくと、目に入るたびに、
『MOTHER2』の物語を鮮明に思い出す、
そんなインテリアにもなるアイテムです。
もともとは紙でできていたジオラマ部分を、
アクリルに変更するなど違いはありますが、
水谷先輩に監修していただき、
いい仕上がりになりました。
今回、水谷先輩に、
試作品をご確認いただきながら、
お話をうかがいました。
-
- ――
- 水谷先輩のTwitterでこの作品を拝見したとき、
とてもステキで、見惚れました。
チームみんなで盛り上がりまして、
それで商品化しませんか? とおさそいしました。
△水谷先輩のTwitterで紹介されていた写真。
- 水谷先輩
- ありがとうございます。
僕、その、ゲームはもちろん好きなんですけど、
ゲームの画面を切り取って飾ったおきたいな
って気持ちがずっとあって。
子どもの頃なんかは、ゲーム画面を写真に撮って、
壁に飾ったりとかしてたんですけど。
それだけじゃなくて、立体化させて、
それこそジオラマにして飾っておきたいと思ったんです。
ただ、ずっとどうしていいか、わかってなくて。
最近になって、ジオラマを作っている方を知って、
その作品を見て、
これを『MOTHER2』でつくったら
すっごいよくなるんちゃうか? って。
すぐに自分で画用紙に手描きして、
切って、組み立ててみたんです。
すごいいい感じになって。
△最初につくった紙のプロトタイプ。
- ――
- 当時の写真ですね。
わあ! かわいい!
- 水谷先輩
- 「もうこれはつくろう」って。
最初にジャイアントステップをつくって。
できあがったら、
「パワースポットを
ぜんぶつくるしかないやろ」と(笑)。
- ――
- そこから『MOTHER2』をプレイし直して、
パワースポットをぜんぶまわったんですか?
- 水谷先輩
- そうです。
パッとそのシーンを見たときの感覚を
だいじにしたかったのと、
細かいところもちゃんと見て再現したくて。
雰囲気が大事なゲームだと思うので、
プレイした直後の気持ちも乗せながらつくりました。
『MOTHER2』は何回もやっていますが、
プレイするのは、もう全然、苦ではないんです。
- ――
- 作品を見たときに、
プレイしていたときの気持ちを思い出したんですけど、
そういう作り方をしていたからなんですね。
- 水谷先輩
- そうですね。場面選びも、
最初どこにするか悩んだんですけど。
『MOTHER2』のストーリーの流れというか、
ジオラマとして飾っておいて、
パッと見たときに思い出しやすいのって、
この「おまえのばしょ」というか、
いわゆるパワースポットなんかなって思って。
最初のジャイアントステップやったら、
ネス1人しかいないですけど、
次の場面ではネスとポーラの2人になってるし、
その次はジェフが加わって、
最終的にはプーがいて4人になっていて‥‥。
部屋に飾ってあるのを見たときに、
それぞれのパワースポットの前後の話が
すごい想起しやすいというか、
思い出しやすいのかなって思って、
それが8つのパワースポットを
つくるに至った理由ですね。
△商品化した「エイトキューブス」。
- ――
- 『MOTHE』ファンの方にお会いしたときに
いつもおうかがいするんですけど、
『MOTHER2』をはじめてプレイしたのは何歳のとき?
- 水谷先輩
- 『MOTHER2』をはじめて見たのは、
母がプレイしているところですね。
- ――
- えぇ!お母さんが。
- 水谷先輩
- 20数年前ですかね。小学生の頃。
僕はそのときはまだ
ゲームを全く触らしてもらってなかったんです。
で、ちょっと年が経って、
NINTENDO64で
『大乱闘スマッシュブラザーズ』が出たときに、
ネスが出てるのを見て、
「あ、これ、お母さんがやっとったゲームに
出とったキャラクターや」って思って、
自分でやり始めたって感じで。
その後はもう何回も何回も繰り返し。
- ――
- 何回も何回も!
ようやくNintendo Switchで
できるようになりましたね。
- 水谷先輩
- はい、そうなんです。やってます、まさしく(笑)。
『MOTHER2』って、
プレイするたびに受ける印象が変わるので、
何回やってもほんと苦にならない。
楽しいからもちろんやるんですけど。 - 最初はほんと物語として楽しかったから、
のめり込むようにプレイしてたんですけど。
高校生のとき、社会人とき‥‥って
時間をおきながらプレイしてみると、
物語だけじゃなくて、
敵のキャラクターに愛着が湧いたりとか、
なんでこのキャラクターは
こういうセリフなんだろう? とか、
セリフとかも、独特の言い回しじゃないですか。
言葉がすごく特長的なゲームだと思うので、
そういうところから受ける印象とかも、
プレイするたびに変わるから、
何回でもプレイしちゃう、いつも楽しいですね。
- ――
- 一番記憶に残ってる
『MOTHER2』のシーンっていうのは、
どのあたりになりますか?
- 水谷先輩
- そうですね。難しいな。
‥‥もうぜんぶですね!
- ――
- ぜんぶ。
- 水谷先輩
- はい。物語として、「世界を救うために」って
いうところも好きなので、RPGとして。
キャラクターも、勇者とかじゃないじゃないですか。
ふつうの少年少女たちがっていうのが、
すごく他のRPGにはないなって思って。
- ――
- 舞台も中世とか宇宙じゃなくて、アメリカですし。
- 水谷先輩
- そうなんですよ!
モンスターだって、いわゆるモンスターじゃなくて、
犬とか蛇とかカラスとか(笑)、
そういうところも、すごくいいなって思って。
で、コミカルなんだけど、場面によっては
すごくゾクッとするような怖さがあったりとか、
BGMもそれを演出してくれてるので、
僕、すごくBGM好きで、『MOTHER2』の。
作っているときはサントラをずっと聴いてました。
それぐらい好きなので、そういうほんと総じて、
『MOTHER2』はもちろん、シリーズぜんぶが好き!
って感じですかね。はい。
- ――
- ふふふ、楽しいお話ありがとうございます。
ところで、制作で苦労したところがあれば
教えてください。
- 水谷先輩
- 苦労したところ、そうですね。
それこそ、ジャイアントステップから
つくり始めたわけですけど、
最初はほんとノペッとした感じで、
特に工夫もなく、とりあえず台座があって、
キャラがいて、背景があって、
ぐらいでつくったんですけど、
なんかこう、もの足りなくて。
ここからどうしようかなって思ったときに、
足跡だからへこませてみようって思いついて。
そのうち、土を盛り上げたらどうやろと思って、
やってみたら、すごいいい感じになって。
場面だけで見ると殺風景なんですけど、
だからこそ足跡が際立って見えるようにしました。
あとは背景のパーツを分けることで、
ちょっと高いところにいるんだよ、
っていうのがわかるように考えてつくりましたね。
苦労っていうか、楽しくやってましたけど(笑)。
- ――
- はい。とても楽しそうです(笑)。
- 水谷先輩
- あとは、いちばん苦労したのは、ルミネホールで。
この電光掲示板の文字の部分。
ゲームではけっこう光ってる感じが
すごいわかったので。
LEDとかで埋め込んでつくれないかな
とかって思ったんですけど、
そうするとどうしても
ケースの中で再現するのは難しかったので、
断念したんですけど。
その代わりに蓄光の塗料を使ってみたりとか。
ちょっと工夫というか、あがきをしてみたりとか。
そんな感じで、ぜんぶのジオラマに1個、
絶対必ずどこかは工夫するって決めて、
どのジオラマにも一工夫を入れています。
そこを考えるのが、
ちょっと苦労したかなっていう感じですね。
- ――
- 考えぬかれただけあって、
ほんと、どのシーンも素敵です。
- 水谷先輩
- ありがとうございます。
お話いただいたときに
再現するのは無理かも、と思ったんですが、
この試作品もすっごくよくできてます。
- ――
- どのあたりが、「ここは無理だろうな」と
思ったところですか?
- 水谷先輩
- たとえば、ジャイアントステップの足跡の部分も、
どういう感じで窪むかもわかんなかったんですが、
すごくいい再現度でできてます。
- ――
- そうですか、よかったです。
ちょっと近づけたというのがわかって、
今、ホッとしてます。うれしいです。
- 水谷先輩
- 僕も発売が楽しみです。
つくって、twitterにアップロードしたときに、
けっこう反響をいただいて。
「グッズとして売って欲しい」
とお声をいただいたんですけど、
僕にはどうすることもできなかったから。
なので、そういう方たちに、
こういう形で応えれる機会をいただけたのは、
ほんとにありがたいなって、僕は。
- ――
- うれしい。ありがとうございます!
- 水谷先輩
- いやいや、こちらこそうれしいです、ほんとに。はい。
(おわり)
2022-07-12-TUE