サウナといえば裸で入るイメージですが、
最近はテントサウナや混浴サウナの影響で、
専用ウェアを着て入る人も増えています。
そこで「HoboとSauna」では、
デザイナーの惠谷太香子さんと一緒に、
サウナの中で着るウェアと撥水パンツをつくりました。
どちらも動きやすくて実用的。
それでいて着心地バツグンのサウナウェアです。
素材選びからデザインのディテールまで、
あらためて惠谷さんにうかがいました。

＞惠谷太香子さんのプロフィール

惠谷太香子（えたに・たかこ）

女子美術短期大学卒業後、
ブライダルファッションデザイナーの
桂由美さんに師事。
その後フランス・パリのオペラ座衣裳室での修行後、
肌着・下着デザイナーとして独立しました。
キャリアを通して身に付けた
徹底した立体裁断の高い技術をいかし、
2003年には、大手ファストファッションメーカーの
下着部門が立ち上がるときの中心メンバーを務めました。
現在は、自身でオートクチュールを発表するかたわら、
日本の「オーガニック素材」の先端を走る
名古屋の豊島株式会社と組み、
weeksdaysの「cohan」、また、
「ほぼ日」の「白いシャツをめぐる旅。」で紹介した
シルクの肌着ブランド「ma・to・wa」（マ・ト・ワ）などの
デザイン・開発にも携わっています。
日本の企業のみならず、香港やフランス、アメリカなど、
世界をまたにかけ活躍しています。

  • ──
    今回の「TANKTOOP」と「TANPAAN」は、
    麻でつくられているとうかがいました。
    惠谷
    はい。
    ──
    なぜ麻でつくろうと思ったんですか。
    惠谷
    今回のコンセプトが
    「サウナの中で着るウェア」だったので、
    まず熱に強くなければいけません。
    それから絶対的に吸水速乾であること。
    あと、洗濯する回数も多いだろうから、
    耐久性のあるものがいいかなと。
    そういう条件にあうものということで、
    いろいろ見た中でもやっぱり麻が一番でしたね。

    ──
    今回は麻100％なのに、
    素肌に着ても全然チクチクしないですね。
    惠谷
    この麻はフランスのノルマンディー地方の
    「フラックス」というものになります。
    春に種をまくと、そこからぐんぐん伸びて、
    ２カ月で高さ１mぐらいになる麻だそうです。
    短期間ですごい勢いで育つうえに、
    ノルマンディーは北の寒い地方で
    農薬も除草剤も使わないため、
    地球環境にも優しい素材と言われています。
    ただ、フラックスは１回栽培すると、
    その土地がかなり痩せてしまうため、
    最低３年～５年は同じ畑で栽培できません。
    そのため希少価値が高く、
    大量生産にはあまり向いていないそうです。
    ──
    そんなに貴重な麻だったんですね。
    惠谷
    このフラックスの特長は、
    縮みにくくて肌触りがやわらかいところです。
    ウォッシャブル加工をしているので、
    これ以上縮まないですし、イガイガもありません。
    コスト的にはすこし高くなりますが、
    何度も洗えるくらい耐久性があるので、
    長い目で見たらお買い得かなと思います。

    ──
    今回のウェアは男女兼用なんですか。
    惠谷
    デザインはジェンダーフリーで、
    性別関係ないつくりです。
    タンクトップの襟ぐりや腕まわりは
    ほどよい開きにしているので、
    胸元が見えすぎず、かつ着脱しやすくしました。
    縫い目を全部袋縫いにしてあるので、
    肌に直接着ても嫌な感じもありません。
    専用の胸当てもつくりましたので、
    バストトップが気になるときは、
    二重にして使っていただければと思います。
    ──
    実際にサウナの中で着てみたのですが、
    短パンもすごく履きやすかったです。
    惠谷
    これは３枚はぎになっていまして、
    サウナの中で座ったり、寝たり、あぐらをかいたり、
    どんな動きにもあうように立体的にしてあるんです。
    縫い目があたらないつくりなので、
    素肌に着用しても気持ちいいと思います。
    あと、サウナの中でも着られるように、
    ウエストにはゴムを使わず、
    ひもで調節をしていただくタイプにしました。
    ──
    色味もけっこう濃いので、
    サウナの中で汗をかいても
    そこまで目立たないなって思いました。
    惠谷
    薄い色だけだと目立っちゃうんですけど、
    濃い色と薄い色が杢（もく）になっているので、
    汗も汚れも目立ちにくいと思います。

    ──
    今回、このサウナウェアと一緒に、
    男女共有の撥水パンツもつくってもらったのですが、
    これはどういうものなんでしょうか。
    惠谷
    この撥水パンツの特長としては、
    生地がタテにもヨコにも伸びてくれます。
    立ったり、座ったり、あぐらをかいたり、
    どんな動きにもなじむと思います。
    あと、これは乾くのもすごく早いんです。
    ──
    はい、すごく早かったです。

    惠谷
    これ、脱水をかけたら、
    ほぼ乾いてるくらい乾きがいいんです。
    速乾性もあって、通気性もあるので、
    けっこう履き心地はいいかなと思います。
    デザインの大きなポイントとして、
    外ポケットが右側だけに付けて、
    ポケットの中にはフラップのついた
    キーポケットが入っています。
    インナーショーツも立体的にして、
    お尻をしっかり包むようにしています。
    男性も女性も履けるように
    適度なゆるさを持ってますので、
    このまま１枚で使っていただけます。
    ──
    丈の長さは２タイプあるんですよね。
    短いのと、長いのと。

    惠谷
    長さが違うだけで機能は同じです。
    立体的につくっているうえに、
    タテにもヨコにもしなやかに伸びる素材なので、
    いろいろ動きのあるシーンでも
    かなり心地よく過ごしてもらえるはずです。
    ──
    水着代わりにもよさそうですね。
    惠谷
    サウナだけじゃなくて、
    プールや水遊びのときにも便利だと思います。
    ──
    海水も大丈夫なんですか？
    惠谷
    大丈夫です。
    塩素も問題ありませんので、
    水着と同じ感覚で使っていただけます。
    ──
    アウトドアサウナをするとき、
    外気浴中に水着の水分が体にはりついて、
    ちょっと寒く感じることが多かったんです。
    これは速乾性があるので、
    冷えて寒くなる心配もなさそうですね。
    惠谷
    水着って生地も厚いので、
    けっこう水を含んじゃうんですよね。
    これだったら手で水を弾いて、
    最後にバスタオルで上から拭くだけで、
    けっこう乾くと思います。
    通気性も良いので、ヨガやランニングなど、
    軽い運動のときにもおすすめですね。

    商品のご購入は「HoboとSauna」からどうぞ！